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読んだ本の記録2020《BL漫画》

今年読んだ本を、読んだ順に記録していきます。
こちらの記事ではBL漫画のみ。

BL小説はこちら。

非BLのものは全てこちら。


一定以上オススメ、と思えたもののみ選んでいるのですが、膨大かもしれません。(20200928更新)


1、イシノアヤ『カントリーダイアリー 春から夏へ』

「地方の魅力いいよね〜ほっこり!」な雰囲気推しの作品のようにも思ったのだが、徹底して高レベルな描写が続く。ほっこりなのに。雰囲気がよいし、キャラクターもみんなよいし、長く愛したい作品。
なお肌色シーンどころか恋愛自体も描かれていたか微妙なレベルで日常漫画でした。好きです。


2、上田アキ『フロム・グリーンキッチン』

正直なところストーリーに特に大きな捻りのないご飯系BLなのだが、捻りなどなくてもいいんです。よいものはよい。
お料理する彼のイケメンさ、プライスレス! 「大人」らしいちょっとした狡さもよい。心地よい憧れも抱ける良作。


3、千葉リョウコ『月の街、花の都』2巻

倫理も社会も端っこから崩れて壊れてそうな格差社会の底辺で、踠きながら抵抗し、反撃していく少年や青年たちの強さ、それでも隠しきれない繊細さを描く。
そうですよ、ド好みですよ……!


4、梅田みそ『後ろの席の加藤くん』

かわいかった!
エロくない『秋山くん』(のばらあいこ)みたいな……
父親の設定がエゲツないのだが、守られていてよかったし、人によってあの設定は「いらない」となりそうだが、私はあってもよいじゃない、と思った。ともあれかわいかった。


5、日渡春折『やめてください、まぶしいです。』

かんんんんわいい!
特に何がどうということもない、ただただかわいいBL。つまり、こころにやさしい。
あっちの彼らの話も読みたいな?! と思っていたら、その彼らのスピンオフもあるそう。ありがとうございます。


6、にやま『僕のおまわりさん」

ずっとリストに入れていたのだが、みるまに話題になり、話題も過ぎた頃に読んだ。
おおおおおおもしろかった……! テキトーもいいところだが、それがちょうどよい。
肉体美と健全なギャグ、ずっと読んでいたい。


7、森世『ロマンティック上等』

友人からの薦めがきっかけでオメガバも避けず読むようになったのだが、よかったー!
こういうの、読みたかった!!
この作品のような、レジスタンスで挑戦的で革命的なオメガバース、どんどん読みたい。かわいかったしな! しあわせになってくれ!


8、『4月の東京は……』上巻

「社会人」が学生時代の初恋を思い出し……というよくある話なのだが、切実度、その迫り方がすごかった。たいへんに切ないのだが、そうする・あると決めた腹の括り方とか強さとか かっこいい!


9、WAX『午前0時のジオラマ』

読むからにオシャレBL感満載だったのだが、その通り、徹底してオシャレ感もりもりだったので心地よかった。テーマ的にも数年前に流行したものを掬ったように見えたのだが、面白いからいいんです。
2作めはあっちが受け、というのが大正解大感謝! だった。拝。


10、まりぱか『エンドランド』

舞台規模が大きいため、1冊読み切りだとどうしても浅い印象が残ってしまう。(これ、SFBLが少ない理由なのでは?)
しかし、いいよ……SFBLありがとう、ありがとう……! の気持ちで読んだ。ストーリーもおもしろかったし、絵がとっても好き!! 他の作品も読みたくなりました。
読後感も素晴らしかった〜!


11、カキネ『恋チン!』

これで「レンチン」と読みます。ご飯食べるBL。
絵が好みかつ、試し読みがおもしろくて購入したのだが、期待値をぐーーーんと上回るおもしろさだった!
おいしそう! おいしそう! 攻めが超好印象! 攻めを好きになれるBLは貴重!
抉りかたがリアルで、見せ方も魅せ方もうまい。同じ作家さんの別作品も追うと決めた。
しんどいのリアルとハッピーのご都合主義とのバランスがうまい。塩梅がうまいから夢の持てるファンタジーとして私は読めた。私は。別作品も楽しみ!


12、丸木戸マキ『オメガ・メガエラ』1巻

古い昼ドラのようなテイストなのだが、よく噛むと新規性の感じられる不思議な作品。
BLなのだが、BL感はまだ薄い。子どもたちはみんな幸せになってほしいな……


13、イシノアヤ『カントリー・ダイアリー 秋から冬へ』

前巻と合わせ、季節が一巡り。
保守的に見せかけて、とても革新的、現代的なのではと感じさせられた1冊。120%カントリーでほのぼのなのだが、セックスもない、キスも手繋ぎすらないニュータイプなBL。枕もとに常備したい愛おしさ。
どエロいBLも好きだが、さらりとした日常のエモーションに全振りした作品も好きだ。この作品では、性欲すら見えなかった。でも愛情はいっぱいあった。いろんな形といろんな熱の。食欲はとってもいっぱいあった。
大好きだな。はぁ。すき。
性欲の媒介しないBLは今後もいっぱい読みたい。イシノアヤさん『カントリー・ダイアリー』は、ひとつのモデルケースになるのではないか。ありがたい。ありがとう。大好きです。


14、キカ糸『人形型モノクローム』

初読み作家さん。
絵が可愛い。枠外のコメントがとても独特。
ストーリーは少し難解にも思えたけど、振り返れば一本道だった。「やさしさは手放さない」という信念のようなものを感じる作風。他の作品も読んでみたくなった。


15、座裏屋蘭丸『コヨーテ』3巻

この方の作品については、基本的にもう何も言うことがない。
ストーリーと世界観と絵柄のバランスが完成されている。安心して読み耽り、うっとりすればいいだけです。うっとりしましょう。


16、akabeko『四人のにびいろ』3巻(最終巻)

ぬるくはないヤクザBLなのだが、甘味はないわけではなく、いやしかし、よくハピエンになりましたね?! となった。
兄貴のカチコミ、愚かだけど「?!?! 好き!!!!」でしかない。
六ちゃんはしあわせになって。


17、秀良子『STAYGOLD』5巻

ついにまた彼らの話になったのだが、時間……時間って凄い。ほんでまぁまたかっこいいなぁ!
あれが「ウソ」であったこと、若気の恥ずかしい至りで、「ぬぉぉぉぉ(ぎゅっ)」となった。
2人の関係に、気持ちに、次回名前はつくのだろうか?


18、雨隠ギド『僕の完璧な恋人』

久しぶりのギドさんのBL。嬉しい……しあわせ…… かわいいは正義ってほんとだな。
「かわいい」が全てをほかほかにしてくれてしまった。ありがとう。好き*^^*


19、鯵坂こうや『彼の教科書』

よきBLであった!!!! かわいい!!!!
生徒と教師のBLはとっても苦手項目ですが、セックスからはじまってああいう期間を経てああなる、というのは良きだし、可愛かった……可愛かったな。読了してニコニコニコニコした。みんなもニコニコしてください。


20、本郷地下『世田谷シンクロニシティ』

かわいかったー!
性自認、というかそもそも性別ってなに? とか、性欲と恋愛は違うのではとか、自分の性指向を認識できないこととか「しなきゃいけないの?」とか、そういう曖昧さを曖昧なまま包括してくれる作品だった。

21、三池ろむこ『解ける箱庭』3巻(完結)

3年以上待ってた。待ってました!
硬く凍えて閉じていた庭が、ゆるんで、ほどけて、春が来たんだなぁと思った。私は冬が好きだけど、冬のあとの春の、溢れてしかたがないみたいな力強い鮮やかさは好きです。よい作品だった。
連載お疲れ様でした。


22、草間さかえ『イロメ』

相変わらず温度感、湿度が快適。手触りで言えば、さらし。もしくは麻。さらりとした通気性の良さがある。
無味乾燥にも見える文脈に思いを馳せたくなり、読後感も良い。


23、草間さかえイロメ2巻、『ヌレル』

よかった……!!!!
推しががんばって、がんばった先で溢れ出て溶けたの、とってもじんわりした。じわりとよかった。行間に全部描いてある良作。


24、草間さかえ『マッチ売り』

実は再読である。以前読んだときはしんどくて、なんともしんどくてうまく読めなかったのだが、再読ではじっくりと読めた。
受けの痛々しい程に不器用な強かさが悲しかったのだが、今は尊敬のような念を抱ける。自分で自分の手綱を握る人が好き。


25、草間さかえ『ヤギさん郵便』(全3巻) (『マッチ売り』続編)

以前に1巻だけ読んでいた。澤の性格の複雑性が苦手だったのだが、三十路も過ぎて振り返ってみると、賢明さと可愛らしさも感じられはする……(でも最初のやつはダメだと思う)。
3巻めの前日譚たちも大っっっ変に良かった。読むたびに感想の変わる、味わいがいのある作品。大事にしたい。


26、宮田トヲル『そのあと。』(『彼のいる生活』番外編)

かわいいなぁーかわいいなぁー! かわいいを煮詰めて結晶化したような作品。読むとニコニコしすぎて表情筋が痛くなる。ニコニコの爆弾。
ちゃんと言葉も使って、探り合って思い遣りを向け合うの、良き!


27、松尾マアタ『あやまちは紳士の嗜み』

ゲスやクズに翻弄される受けは好きなのだが、ゲスやクズ自体を好きにはなれない性質でした。本作を機会に、認識を改めねばならない。
この紳士はゲスかつクズなのだが、制限の多い中どうにか息継ぎして動ける精一杯がこれなのか、と思うと憎めない……
特に後半の構成が美しくて、「祝うのか邪魔するのか」「誠実であること」をくるくる反転させることで表も裏も見えて来る構図、また受けの「口に出すのは優しい嘘、黙っているのは誠意ある不誠実」みたいな言動が見事。
明るいのに、とても胸の苦しくなるどエモい作品だった。

なお上記作品、『嘘つきは紳士のはじまり』の続編です。
嘘つきは〜 のほうは、ただの子どもっぽいクズゲスと思っていたので途中で読むのやめようかと思っていたのだが、やはりおもしろかったので……続編まで読んでよかった。続編めちゃくちゃよかったもん……

ついでに!!!!

私がこれまでに、ほぼ唯一惚れ込んだクズが攻めのBLがこちら。ymzさん『ヒゲと鈴としゃぼん玉』です。
ここに出てくるクズは光であり、この作品は滋味深い癒しです。ずっとニコニコ読んでいたのに、クズの真っ直ぐな光属性があまりにも尊すぎて泣いた。とっても大好きです。


28、井上ナヲ『ふたりぼっちの食卓』

線の細さと背景の白さのためと思うが、低温がすごい。芯までひんやりしてすべすべしている。それが後半にむけ少しずつ血が通って、温もっていくのが伝わってくる。どっちもどっちの似た者同士で、でももたれあいにならないのがいい。


29、佐岸左岸『オールドファッションカップケーキ』

ファンタジックおじさん可愛い。パンケーキ食べて女子トークしてスマホ使いこなしたいおじさん可愛い。告られてお手手ピーンてしちゃうおじさん可愛い。女子からセックス下手そうで可愛いって言われてるおじさん可愛い。
「セックス下手そう」って言われたら嫌なんだろうけど、別に悪口とは限らないし馬鹿にする対象でもないんだよな。でも「可愛い」という言葉には時として侮りが含まれるから、「下手そうで可愛い」はやはり危ういな…… 面と向かって言えないことは影でも言わないのがいい。など、考えながら読んだ。
「パンケーキおじさん」、菅氏のせいでケチがついてしまったように私は感じているので、とても遺憾です。本作のパンケーキおじさんで口直しをしつつ、政治は批判しつつ、BLは楽しんでいきたい。


30、那梧なゆた『ライクアシュガー』

そうそうそう私は強い系の黒髪受けが大好物なんでした。というのをほとほと思い知らされた。お菓子美味しそう。相撲のフリして誤魔化す(そして受けが勝つ)というのもすきですね。
友人2人の話もすきだったのだが、ともあれ先輩の魅力がずば抜けていた。黒髪マウント受けは最高です。
また弟くんは絶対に攻め、えげつないくらい真っ直ぐに強いド攻め、と思っていたので、3組目の話で「大勝利!」となり高笑いが止まらなかった。攻め兄弟も可愛いね*^^*


31、千葉リョウコ『24時間、お世話つきで』

甘々作品は基本not for meなのだが、千葉さん作品はデロデロに甘いだけのを読みたくなる不思議。
この作品もかなり甘いが、もっと甘くても良い! 溺愛する攻め大好きだし、絆されて溺愛され慣れていく受けもかわいかった!
なおラストもラスト、おまけページの最後のコマの「彼女ほしい〜!」が、とても好きでした。さりげなさが装われながら、しかしああしてすすっ……と表現されていること、嬉しくなる。


32、千葉リョウコ『編集長を好きになったワケですが。』

有り余る積極性の権化のような受けくんよかった! が、アカリ先生の話のほうが好きだった〜。不器用でめんどくせぇアカリ先生おしあわせにっ!
しかし
後書きで、「HOMO」の表記を見かけてガン萎えする。2015年秋に刊行された作品。ほんとうに萎えがひどい。蔑称をフランクに使うのは基本最低なので、BLにナチュラルにホモという言葉が混ざらない現実がはやくやってきますように!!!!


33、千葉リョウコ『宝物見つけました』

オムニバスいいな! 表題作はバックボーン打ちあけが好みではなかったのだが、後は良い。特に女装攻め!!! 女装攻め最高!!!
クラタカは宝くんの有り余る積極性が相変わらず最強で、好きです。

でもやっぱ後書きのホモ表記は無理。


34、千葉リョウコ『トキメキ、タメイキ、ルームシェア』

これもかわいかったぁ〜*^^*
「おれお前きらい」「おれもお前きらい」って、お互いに無いものねだりで相手にこだわって気になっちゃって仕方ないの、うんうんうんうん、かわいい!
アカリ先生の話も読めて嬉しい!


35、千葉リョウコ『ワーカホリックベイビー』

「おもしろい」と「この攻めは無理です」が両立してしまって複雑な気持ちなのだが、当て馬を推しがち侍の私、美容師さん好きでした! スピンオフをください!


36、千葉リョウコ『続きはまた夜に』

んーーーーーーーーっ 大好き! 好き好き! この甘辛のバランスよ……! おいしくてとまりませんでしたなぁはっはっは 好き!!!!
染谷くんもいい子! 染谷くんもおしあわせになってくれー*^^*
同伴してた彼女さんも好き! おすすめ!


37、夏野寛子『25時、赤坂で』

かわいかったー! 美しかったー! 超イケメン攻めの子の、ぼっさぼさの純真も、受けの子の淡々とゴリラな健気さもよかった! よかったね!
ただし、気になるところはあります。モデルの仕事をそんなふうな言い方しちゃうのはよくないと思います。全ての職に尊敬を。
そして素晴らしい巻末おまけ漫画の、しかし攻めくんの最後のあのセリフ。あの単語は他のBLにも言えることだが、簡単に使って欲しくない……。
コンドームの描写は、しっかりはっきりでした! 安心して没頭できるので、コンドームの描写は大好きです。やったぁ!


38、雁須磨子『うそつきあくま』上下

じわりと残る……読後感がすごい。すごく残る。
胸の真ん中から少し横にずれたところ、軽くはない石を置かれてしまってどかせない。
どうしようもない人たちの、どうしようもない愛おしさよ……


39、虫歯『不死身の命日』

スーパーハッピーラブパーフェクトな1冊! ありがとう!
Twitterで試し読みして、おもしろくて即買いした。大正解☆
2人で熊倒すとかあり得ないけど、そもそも構想ビルからお姫様抱っこで飛び降りるスタートだから問題ないですね。主人公くん大好き!


40、早寝電灯『See you later,Mermaid』

ジャケ買いだったのだが、これも大正解でした。気づいたらボロボロ泣いていた。この子たちほんと……ほんと好き。かわいい。いい子……。
言葉の大切さ、怖さを知っている人たちの物語は誠実だ。やさしい。
今後は作家買いをします。


41、早寝電灯『君にはふれると鳴るとこがあって』

さわやかで、青春で、心の奥の方の大事な部分にそっと触れるような作品。
恋愛の話だが、寄る辺なさとの折り合いの付け方、知らず人を傷つけてしまう恐ろしさ、地に足をつけるための大切な記憶を取り戻す話でもある。良作!


42、キタハラリイ『ジェラテリアスーパーノヴァ』

好き! ラストの攻め視点の説得力たるや。ジェラート屋さんに行きたくもなった*^^*
初めてのセックスって、みんなそんなもんだと思うのね。でも冷めたような受けくんのロマンチックのカケラが見えたように感じて、はぁ〜かわいかった!


43、浅井西『あなたを殺す旅』

表紙で「絶対に好き」となり、あらすじを読んで「間違いなく好き」となって購入した作品。
予想を上回る好きさで、そうそうそうそうこれこれこれこれ!!!! となりながら読んだ。贅沢を言うなら、韓国で実写映画化されたい。ぬおおおおお好き!
エンタメとして、重さの塩梅が絶妙。これより軽いと台無しだが、これ以上重いと生活に差し支える可能性がある。読み応えがあり、余韻が残り、思い出して想像を広げる余地が多分にあり、しかし引きずりすぎず「あーおもしろかった!」と活力になる。
大変によき893BLです!


44、犬井ナオ『ミッドナイト・コンフリクトACO』

ACOは、篤カミングアウトの意です。
もうもうもう〜〜〜このシリーズ大好き! 今回も可愛かった。
受けくんが攻めくんに裏拳キメてるコマと、「いいに決まってんだろ」が最高!
ラブラブハッピーありがとうございました*^^


45、重い実『愛しのXLサイズ』(コミック2冊、短話3つ)

受け攻めともちょっとずつ様子のおかしいギャグBLなのだが、「黒髪ロング」がゲシュタルト崩壊し、3話めの冒頭で受けのあの痴態が目撃されるあたりで、心中ガッツポーズをしてしまった。
またこれはただのコンドーム重視派の余談として聞いて欲しいのだが、「まだ」指4本分しか慣らしてない、というような太さがある場合、サイズはXLどころかXLLやら3Lやら以上の可能性があるので、いろいろ試してみた方がよいです。コンドームのサイズは太さで選ぶんだよ!
なお受けも攻めも様子がおかしかったが、当て馬にすらならなかった先輩の妹も様子がおかしかった。黒髪ロング白ワンピで日本酒飲みまくり休日は休肝日でしじみを漁り、酒につぶれた兄をひょいっと肩に担いで帰る妹。好きです。
なお攻め→受けへのセックス前トーク「お前、いいにおいがすんだよ……うまそうなにおいだ食っちまいてぇ……」に「それは蒸しパンのにおいです」という明快な回答が与えられてしまった。愛します。


46、乃一ミクロ『王様αとパピーラブ』

ノリとテンションだけでラストまでラッキー! ハッピー! 貫いて走り切った完走!!! という感じ。結婚せず政治家になるのが目標だった受けが、恋も政治をするという夢もふわっふわハッピーに達成しゲット。おめでとうお幸せに!
いわゆる石油王的ポジションの王様の、まぁーーーかわいいこと。王様の国がαだらけなせいで、受けΩが「Ωだからって調子のんなよなっ」て扱いになってるのは新鮮だったが、性は社会に定義され扱われるのだと思えば、それもとても納得。
あと攻めの母が好き。受け兄のスピンオフが欲しい。


47、早寝電灯『明日、起きたら君は』

この方の作品は3冊目なのだが、どれも大好きすぎる。
他人なら目もくれない気にも留めないささやかな、でもそのキャラにだけはどうしようもなくかけがえのないものがあって、それを大事にしたり、大事にしあったりする話。泣いてしまう。


48、早寝電灯『転じて恋と生き』

少し不思議なストーリー。でも、やっぱり大事に「しあう」に至るまでの物語という軸のぶれなさにじんとする。
そしてラストである。
不思議のオチをあんな日常にもっていくというの、最高……好きです。


49、早寝電灯『半壊の花』

あぁ……あぁっ……読んでしまった。大変だ。これは大変。
表題作すばらしいし、全てのストーリーを愛しているのだが、とりわけラストのあの2篇……泣いた ボロ泣きである……。
ベタといえてしまうかもしれないほど普遍的なストーリーを、こんなにも豊かに描けてしまうの……早寝電灯さん……ありがとう……。


50、ゆき林檎『或る日』(『玉響』番外編)

しっとりしたあの物語の続きに、こういう日常があってよかった。
なにより私は松本が好きなので! 彼がみんなに愛されていて嬉しい。


51、早寝電灯『化け猫かたって候』

はぁーーーかわいい! はぁーーーーーっ好き!!!!
でもさーそうなー「社畜」ってそう、死ぬんだよな。つらい。
とっても泣いた。しあわせで。怖いは勇気、いつかくるかなしいはしあわせなんだな。泣。。。。。


52、ゆき林檎『グッドバイライラック』

とても堅実な作品なのに、このテーマでこの流れならこういくだろう、という道筋からじわりとズレていく。ぎゅっとなる恋愛ものなのに、ずっと不穏でハラハラした。沁みるハピエン。良作。
ライラックの花言葉は「初恋」だって。
教師と生徒間での恋愛は「地雷」なんだけど、子ども相手はないわーという倫理観を当然の下敷きとしており、実際は大人になってから同士のあれこれなので問題ない。
受けの執着の怖さや重さと、しかしそれで迷惑はかけない自制心とのバランスが絶妙で、うまいなーと思った。


53、英田サキ・山田ユギ『たかが恋だろ』

さらっと読んだ。BLでありがちなのだが「攻めよりも俄然当て馬の方が好きすぎ」問題がまた勃発した。ら、その人のスピンオフあるそうで!!
というかそっちももう購入済みだった私、偉い! 期待!!
もちろんこの作品も面白く読みましたよ。


54、英田サキ、山田ユギ『愛想尽かし』

絶対!!!!!! 当て馬だった彼のほうが絶対好きと確信していた!!!!!!
不毛と不毛の間でどうしようもない感じの男たちが「これだけは」って男のために血を流すという物語、美味である!!!!


55、ハル『4月の東京は…』下巻

下巻が出るのを長らく待っていた……! 大満足の1冊だった。
2人の気持ち、攻めの母親が怯えるのもわかるくらいの強さだった。怯える。わかる。しかし切実かつ誠実なので、とても清々しい。気持ちが良い。大好き!!!!
ところで、おまけページのぶった切られ感がすごくてですね……ちょっと……
追い課金するのでつづきをください……


56、彩景でりこ『犬も喰わない』

大大大好き!!!!
この方の描く三角関係、『チョコストロベリーバニラ』も大っっっっっ好きだったのだが、こちらも最高だった!!! 好き!!!
ままならない同士がままならないままつなが理続けることを選ぶの、捻れていても美しい。


57、麻生ミツ晃『リバース』

麻生さんの描くオメガバース、一筋縄でいくわけがないと思っていたのだが
一筋縄では決してないのだが、ものすごくまっすぐな送球をされた心地がした。オメガ性への抵抗と解放の物語で、アニメのように「現実に返された」気がする。良作。


58、たつもとみお『日の当たらない場所』(全3巻)

胃が痛くなるかと思った。「親世代」に限らずだろうが、くそのような頑固な嫌悪、放置するとこうやって悪に手を染めだすからよくない。
両思いだが価値観や生き方の違いで別居スタイルというのはあるよね。よきよき。


59、山本小鉄子『ぼくらのねがい』全3巻

んおお おもしろかった! 血縁に寄らない家族関係、BLではよくあるテーマと思うのだが、そこにさらに「外部」の彼を加えるのとで!さらに大きな輪にしてそれをして達成して見せてくれるの、とても嬉しいな。あとみんなかわいい!


60、akabeko『少年の境界』2巻まで

akabekoさん「かわいそう」とか、エグいものはエグいままに描くので、「ここからどうやってハピエンに?!」とよく思うのだが、この作品ではどストレートに「運命に抗う」「もがけばいつか良くなる(次世代かもだけど)」が描かれていた。


61、山田二丁目『食べてもおいしくありません』2巻

かわいかった〜! オメガバではないが、攻めが「本能」にあらがって受けへの誠意を示す、というの、私はとても好きで、そこに無意味な対抗意識と天然かつ上質な当て馬くんがからむとこんなにも平和*^^* 好き*^^*
あの、絶対上等なのに「なんか詐欺とかに気をつけてほしいな……」て心配されちゃう当て馬くんがかわいいすぎて大好きです……オラ系攻めは私は無理なのだが、かわいい……かれは人相が悪くて体の大きいチワワなので可愛い……


62、akabeko『蝶と花の関係性』全2巻

メインCPもいるが、一応複数CPの短編集。
おもしろかったー。SとM、受けと攻めも流動的になり得ることとか。S同士の「下克上」を思わせる下りが好きだった。しかしあれが職業としてのSMなら、それはちゃんと丁寧に描いてほしい……


63、上田アキ『来たる晴れかけの明日よ』

廃品回収を営む青年2人が、ある日「少年」の回収を依頼されて……という話。
大変に好み。1冊読み切りだし、骨太というよりふわり雰囲気作品といえばそうかもしれんが、それにしては芯が強い。
大好きですね。ありがとうございます!


64、那梧なゆた『星とハリネズミ』

かわいいにはじまって、かわいいにおわった!!!! かわいい!!!!
えーーーハリネズミさん年上……おとうさんもおにいさんも素敵で……ふーーーん……いいね……好き…………


65、那梧なゆた『お試しデリバリラヴァー』

同時収録の作品含め、かわいいかわいいで大好き! 彼らがただ日々楽しそうにしてる様子を、あと10冊くらい読みたい。
しかし表題作のキュートな攻の彼が内面化した、「ホモになったと思った怖かった」はそのままか……という残念さも有。
どのジャンルであれなんであれなのだが、特にBLというジャンルにおいては、「ホモ」という概念との付き合い方には繊細でいてほしい。


66、那梧なゆた『ラブミー・ラブマイドッグ』

大型年下わんこ×熟練イケイケなのに臆病さをすてなかったおっさんの話! つまり! 大好物!!!!
那梧なゆたさん作品はいくつか読みましたが、現状ではこれが一番好きです。好きです……!


67、木村ヒデサト『マリアボーイ』

テンポや言葉のチョイス、空気感がとても独特な作品だった。いろいろエグいところもなくもないBLなのだが、不思議とほんにゃりしている。初期〜中期までの『鬼滅の刃』みたいだった。間と言語感覚が。ちょっとクセになる。


68、櫻井ナナコ『お金ありきの関係ですが』

ほのぼのヤクザBL。ギャグではないのだが、ほのぼのとしか言いようがない。約束されしハピエン。決断があまりにも軽い! 好きですね。
ただし冒頭「2Pはokなの?」「帰りは迎えはないの? えっなに直帰?」などはとっても気になりました。。通いの性風俗労働者の安全性、もっと慎重に守られて欲しい。


69、吾妻香夜『親愛なるジーンへ」1巻

これはまた……すごいものを読んでしまった!! 楽しみに待っていた『ラムスプリンガの情景』のスピンオフ。凄まじく素晴らしい。
ままならない厳しさもありつつ、根底に人間への愛がある。好きです。愛おしくて、もう胸が苦しい。しみじみとした感動。
昼下がり、静かな窓辺で揺れるカーテンの豊かさみたいな、暮れて寂れていくものへの情感みたいな、秋の入り口にきくひぐらしの声のようなそういう……胸が……しあわせで苦しい……

『ラムスプリンガの情景』はこちら。


70、浅井西『猫の片想い』

さくっとニコニコ読めるBL。気持ちがお疲れの時にどうぞ*^^*
恋をすると猫耳が生えてしまう設定、とってもかわいい。気持ちが隠せない。
別の短編も収録されているのだが、私は公園の話が好きでした。


71、akabeko 『少年の境界』3巻(最終巻)

おおおおおおもしろかった……! akabekoさんのオメガバース、大変によかった。
本能と運命を、理性と意思で克服する物語。あとがきでも書かれていたジェンダー観のアップデートなど、3冊かけて描いてもらえた喜びがある。


72、暮『兄が遺した恋のゆくえ』

オメガバース。肌色シーンなし。
静かな物語だった。展開が早いので、描写が足りないように感じる部分も多々。ただ、ところどころ深く感じ入る部分もあって、また読み返したくなるかもな……とも思った。残された側は、残ってやっていくしかないのだ……。


73、阿弥陀しずく『日曜日にパウンドケーキ』

かわっっっ かわいかった……お父さんごと素敵でステキ!! 日曜のパウンドケーキのエピソードもよかったなぁ〜〜〜!
ほっこりする。ほっとしたい時にぜひおすすめ*^^*


74、きはら記子『一途な犬は諦めない」

表題作もよいのだが、同時収録のやつが!!!! 好きです!!!!
そうです私はちょびっとだけそんな役割かもしれない当て馬くんが大好きなんです!!!! 興奮!!!!


75、須嵜朱『龍の夫 亡国の神』

「触手モノ?」な表紙。全く趣味ではないのになぜ購入したの私? と思っていたのだが、読んだら「私GJ!」だったし、触手モノでもなかった。
寄る方のない人たちがそれを見つける話。しみじみと良い。大河的、と言ってもいいかもしれない。あの独特の空気感も感じられた。好きです。兄弟のフェアな情と、静かな別離のシーンがとりわけよかった……。


76、たうみまゆ『このよのはじまりこのよのおわり』

短編集。
しずかに沁みてくる作品群。違う時代の話ばかりなんだけど、その「感じ」はわかるなーとなったりする。
双子のお姉さんと、あとはカラスの話が好きだった。将棋の弱い若旦那と、おはぎに注目せよ!(私の好み)


77、明治カナ子『ためつもの』

好きだったー!!!
涙腺に大きな打撃を受けて、ラストで急に決壊してしまった。産まれた星が大変でしたね、としか言えないんだけど、綺麗に花開いて、星も綺麗でとてもよかった。よかった……!!!!
彼(ら)を学校に行かせてあげていたこと、おかげであれがデート指南本だとわかられていたわけで、よかったねぇ。ともちょっと思った。報いが訪れてくれた感があって。
実り花開くには時間がかかるけど、よかったね。よかった!!


78、たうみまゆ『指先の染み』

とても読み応えがあったな……!
あの美しい空洞と、染まらない「普通のピュアさ」とが兄弟であること、そして彼らの目指していたものが**という関係性だったこと。
コントラストが鮮やかすぎてクラクラした。両手に抱えた九重の胆力が凄いわ……!


79、青井秋『ゆうづつは藍にとける』

美しかった。青井さんも、作品と作風と絵がマッチしきっている作家さん。芸術じゃん!
さらりと通り抜けてさわやかなのに、その風のにおいも立ち上るような濃密さがある。静かな日に読みたい一冊。


80、芹澤知『グレープフルーツムーン』

息抜きタイムにふわっと読んでね、みたいなことがカバー折り返し部分(たぶん)に書かれていて、まさにそれ! な読後感。
(たぶん)なのは、私が電子書籍で買ったからです。
かわいいにかわいいが重なって、しかし読み応えはあります。絵も崩れずずっと綺麗!
安心して読了してほしい。


81、山本小鉄子『とりたん』2巻まで

設定もストーリーもかわいらしく、だらっとしながらゆるっと読んだら、よい休日の昼下がりが訪れそう! な感じのBL。
ほとんどずっと安心して読んだ。かわいいなー*^^*
私は鳥は食べるばかりで生きているのは苦手なのだが、とにかくかわいい。はぁ。かわいい。

が、1箇所「うっ」となったところもあった。ペットショップの存在。今もうペットショップという存在を、私は平静では見られないのだなーと実感した。
何かの命を愛玩のために捕獲したり繁殖させたりして、陳列し、眺め、購入するという行為に、無邪気ではいられず。ペットショップってそういう場所……。
ペットショップにも今はいろいろあるそうだし、この作品のがどういう店なのかはわからないが、んん……とはなってしまった、という話。
なおペットショップ、ほんのちらりと出てきただけで、ペットショップ自体がストーリーに大きく絡むわけでもなく、私が気になっただけといえばそう。でもそのペットたちの声が聞こえてしまうから、うっ……となるの不可避ではあった。
とはいえ、かわいくて楽しい作品だし、3巻も出たら買いたいけど!


82、ココミ『リスタートはただいまのあとで』

心のあらわれるような、超良作だった……!
「えっ、私なんでこれ未読だった?! もっと感度あげてかなきゃ!」となった。続編も一緒に購入していたのは偉い。私偉い。
実写映画化だそうで、この作品に目をつけた人、大正解です!

『ひだまりが聴こえる』がそうだったの同様、YA作品として高く評価されたい。
「福祉」に繋がった先の先で振り返ったあのシーンで、繋がったことの幸運を実感させる演出も、現代的にとても意味があると思う。
ただ、名前をもらっていたこと自体に価値や「愛情の根拠」をおくような読み方をしてしまうと、そうでないケースへの遠隔攻撃になってしまうので、そこは読者も注意したい。「社会に受け入れられてつながった命と人生が、つながっていたことをしっかり社会に言祝がれた」という点に私は感動したので、そこは混同せずにいたいな、と。
家族や隣近所との「絆」的なものに対し、甘すぎかとも思いつつ、超高評価です。


83、ココミ『リスタートはおなかをすかせて』(『リスタートはただいまのあとで』続編)

こちらもよかった〜〜〜!
パートナーシップ証明制度について、また同性間パートナーシップにおける養子(もしくは里親)制度の展望について触れられている。こっちも『リスタートはただいまのあとで』同様、若い人たちの手元に常にあってほしい〜〜〜!

パートナーシップ証明制度に対しての踏み込み、「浅い」とは言っていいのだと思う。しかし描写の方向性が一貫して、徹底してエンパワメントの方向にあり明るいので、個人的には「オーケーでーーーーーーす*^^*」の気持ち。
えーーーこの作品、図書館に置こう?!

「家族」という概念がどの範囲に適用され得るのかという話、私は大学入って家族福祉論という授業をとるまで具体的に考えたことはなかったのだが、その手がかりについて、自然な流れで踏み込まれ描写されている。いいね、いいね!!!! はぁ〜〜〜よい作品を読んだ!

ところでパートナーシップ条例(証明制度)についてよい踏み込み方をしたなと思った、超高評価作品といえば、凪良ゆう『薔薇色じゃない』です。いっぱいいっぱい読まれたい作品。
奥さんに「えっ味噌汁、出汁とってないの?」とか言っちゃって離婚を突きつけられる攻めも見られます。
こちらも、ぜひぜひ。


84、紀伊カンナ『春風のエトランゼ」4巻

いろいろ複雑で、展開も描写もごちゃっと詰め詰めでついていくのに必死だったのだが、桜子ちゃん大好きだし文くんの真っ直ぐさ可愛い好き! ということはよーーーーくわかった。どうなるかは知らんけど2人ともしあわせでいて……!
しかし、3巻でのくだりがすごく糸引いてるなと思った。ああいうものの、引っ掻き回すだけ引っ掻き回す力って怖いなぁ。。

あと「家事疲れ」が完全にリアルでなんかめちゃくちゃわかってしまったように感じて、地味なしんどさ募った。わかるよ……


85、斉川冬『蛍は明日死ぬ』

「ふーん?」程度の熱量で読みはじめたのだが、”蛍”が崩れ、彼と彼が殴り合いを始めたあたりから関係性が読めなくなってきて、ぐーーーんと引き込まれた。
おもしろかったー!! 本当はあぁである彼がとてもとても可愛らしく、愛おしい。好きだー。


86、山中ヒコ『イキガミとドナー』上下

山中ヒコさん、「持つと持たぬと」のバランスが極端な寄る方のない人、ただ生きるだけのことが難しい人が居場所を見つけるまでの描写が、ともかく絶品な作家さんです。描写に説得力があって繊細。
かなしくてくるしくて難しいのだが、目を逸らさずに読めるバランス。描写に甘さはないが、やさしさもあるためですね。永遠に愛します。
そんな山中ヒコさんの作品は、いつも「ひりひりするが毛布のよう」なので、どれも好きなのだが、『イキガミとドナー』は、そののっぴきならなさが極まっていてちょっと……すごいな……となった。のっぴきならないこと『500年の営み』の如し。

書けなかった真っ白な原稿用紙と、たくさん、誠実に言葉を並べた手紙の対比。先生が手紙に、今日や明日の未来の方にまた歩幅を合わせてくれたの、愛しかないな……好き……となった。
先生がドナーである前に教師であったということに、鬼道は感謝したほうが良い。よかったね!
ああいう振る舞い・発信ができるというのは、生来のものや育てられ方だけでなく、訓練によるものもきっとあるから。
そして「学ぶ」に遅すぎることはないんだな、というのが、本当にグッときた。鬼道、よかったね!


87、山中ヒコ『初恋の70%は、』

短編集。
かわいいに酔いしれてほしい! かわいい! 弱気な「声を大にして聞きたい」かわいい!
頑張る受けをみて尊敬する攻めくん、でも君も一生懸命だったじゃない 好き……!
バスで一緒に失恋しちゃう話も好き。好きです……!


88、山中ヒコ『王子と小鳥』


もうあまり見かけることのない「アラブBL」なのだが、受けの子のちょっとした愚かさがリアルでよい。ベースは善良で直向きなのも好きだな……。
あとその受けの子がのびのびして見えるおかげで、わりきって? 読める。という部分もある。よきです。
なお表紙がめちゃくちゃ美しい。このデザインした人、本当にありがとうございます。


89、山中ヒコ『エンドゲーム』全2巻

どう考えても大好き、愛するしかできなくなる作品。
終わり方、最後のコマの最後の最後まで全てが最高なのだが、「もしこれがBLではなかったら、私はこの話をどう読んだだろうか」とは考えた。
「もう父親じゃない」の描写を許せたかどうか。その差異をどう処理するかは、読者である私/私たちの仕事なのだろうけど。


90、四宮しの『川果町よろづ奇縁譚』

ふしぎでかわいい話だった〜!
自分を隠し、他者の像を重ねられながら生きてきた子が、自分を自分で取り戻す話。テーマに骨太さはあるが、とてもゆる〜〜〜い雰囲気である。いいね!
独特の雰囲気もあり、とてもよかった。この作者さんの、別の話もまた読んでみたい。


91、イシノアヤ『僕と君のミドリとドリル』

私なんでこれずっと読んでなかったんでしょうね?!?!
ほのぼのとして、たんたんとして、しみじみとよかった……。ラスト、なんだか嬉しくって、読んでる私までしあわせで泣いちゃった。多幸感。おしあわせにな*^^*!!!!


92、ymz『ヒゲと鈴としゃぼん玉』

何度も読んでいるのですが、いつ読んでもよい!
攻めが公式クズです。クズ、と書かれているので。しかし、これはよいクズです。いやちょっとだらしないかもだけど、クズというほどクズではなくない?
かわいい!!!! かわいい!!!!  この作品のクズは光です。圧倒的、光!!!! 
季節がぐるりとひと巡りして、これからも続いていくのね〜! という構成も見事。そしてめちゃくちゃ好みです。
はぁーーー好き*^^*!!!!

(なお、あとがきでこの作品が生まれた発想の発端を知ってひぃっとなりました。それはあまりにもしんどい)


93、山中ヒコ『ギブズ』

どーーーしようもない人たちのどーーーーーーーしようもない話なんだけど、好きです……。
関心外だから、自覚すらなくほいほいギブしてた受けの彼より、与えること受け取ることを意識しすぎてたクズ攻めの彼の方が、人生への向き合い方が生真面目だなと思う。
で、そっちのが生きにくそうな様はしんどいな……となる。
でも893なることを選んだ身なのだし、生き難いのくらい受け入れろよともなるからいいや。
せいぜい尻にしかれまくって、死ぬまであたふたしていてほしい。





































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