♬座席に見る本心ーT高校管弦楽部同期6人の場合ー♬
私はこう見えて、【謙虚】な人間だ。
(「謙虚な人間がそんなことを言うのか?」という議論は今無視してください)
謙虚な人間に特徴的なのは
【1・約束の時間前には必ず行く】ということで、
嵐の日に行われた「T高校管弦楽部同期6人会」の40分前に私は店の前に到着し、大雨が降っていたのでお店の方にお願いし、30分前に入店させてもらった。
謙虚な人間にありがちなのは
【2・早めに行き過ぎるから会場に誰もいない】ということ。
そして、【3・席のチョイスは下座、末席の一択】ということになる。
そして、その6人掛けテーブルの末席で一人スマホをいじって時間を潰していたが、約束の15分前までに誰も来ないと
【4・この嵐で今日は中止になったんじゃないか】と思い始め、
その後
【5・幹事は俺に全く違う会場と日程を伝えたんじゃないか】と勘繰り、
挙句
【6・幹事は俺にだけ中止の連絡を忘れたんじゃないか】
と思い始める。
そして、開始10分前まで誰も来ないともう、
【7・今日の会費6人分42000円はすべて俺の支払いか?】
と、被害妄想のピークに陥る。そこまできた時。
後ろから幹事の「下妻さん(仮名)」がやってきて
「わー!町野君!久しぶり~!」
と声をかけられると私の第一声は
「よかった!下妻さん(仮名)!!来たっっ!」
と、訳の分からないものになる。
それからは、コロナで会えなかった時間を埋めるよう、お互いに喜び、私は立ちあがって世間話をし始める。
そしてその1分後「伊藤君(本名)」が来て更に立ち話は盛り上がる。3人がお互いに満面の笑みだ。時を忘れて話し出す。
そんな時、謙虚な人間は必ず
【8・「立ち話もなんだし、座らない?」】と一番に声をかける。
そしてそれぞれが席に座る訳だが、男女3人ずつ6人の同期会。
3人がテーブルに向かい合って座る場合。
まず、謙虚な私が下座の末席に座っているのだから、「下妻さん(仮名)」は私の正面、そして「伊藤君(本名)」は私の隣に座るべきだと思う。
要は、
「来た順に、末席から詰めていく」
というのが自然な流れだと思うのだが、この時どういう訳だか、二人は満面の笑みで、私から一番遠く、私から一つ席を空けた上座に堂々と腰を下ろした。
「な・・・・ナニ???なんでわざわざ俺を避けて、そんな遠い席に座る??」
この、謙虚な人間を奈落の底に叩き落とす暴挙。
「き・・・き・・・嫌いか?お前らは俺のことがそんなに嫌いか?」
高校の3年間。お互い一生懸命になって楽器を練習し、切磋琢磨してきた間柄。
それが今、35年越しで明らかになる『本心』
「いつからだ?え?いったい、いつから俺のことが嫌いなんだ?
俺はお前らのことが本当に好きだけど、お前らは俺のことがそんなに嫌いか?
ひょっとして高校の時から、ずっと嫌いだったのか?!」
それから「井之頭さん(仮名)」「美坂君(本名)」「長池さん(仮名)」が開始数秒前までに、駆け込むようにして空いている席に座ったが、最初の二人がそんな感じに「とっても自然な距離感」を演出してきたもんだから、色々な昔話で大いに盛り上がったものの、私としてはちょっと寂しい同期会となりました。
上記はほぼ事実ですが、相変わらず過大な脚色に満ちておりますのでご了承ください。
※
みんな元気でよかったー!
大好きな仲間だよー!
まあ、お前らは俺のこと嫌いなんだろうけどな!
ふんっ!
ぷぷぷっ。
写真:同期会は嵐の中行われました。
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