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「あつまれる場所がたくさんある」から「たくさんあった」になりゆく彦根で。

ドラえもんのいるマチっていいなぁって思うようになりました。
土管のある空き地にみんなが集まって、ひみつ道具で冒険を楽しめるって。空き地に行けば誰かに会えて、何かができる。

藤子F不二雄さんはある番組で「昔はこんな広場がどこのまちにも必ずあってね。子どもたちが元気に遊んでいたんだよ。」と過去形で言ってます。自分が生まれる前の話です。

先日、彦根市の地域福祉に関するアンケート調査結果が送られてきました。
それによると、「彦根のいいところは集まれる場所がたくさんある」点だそうです。

あそび家は彦根市城東小学区にあります。実際県社協さんHPによるとこの地域では既に子ども食堂が数ヶ所ありました。
あそび家に批判が集まった際、「これ以上この学区に子ども食堂はいらない。別の場所でやってくれ。」「参加費とって自分たちでやってくれ」と言った人がいました。

しかし基本僕は子どもさんからお金を取らないスタイルをとっていたのと、臨時休校中につながった子がいたため、そのままその形で始めました。(臨時休校中に来てた子+連携していたビハーラ食堂さんからの子+元々村田やスタッフが個人的に知ってた子)というスタートでしたが、じわりじわりと近くの子どもさんが新規登録されるようになりました。

実はこの地域は公民館などは近くにないみたいです。気軽に寄れる場所は公園のみのようでした。そのため遊びに行く場所を探し回ってるんだとか。
うち一つの選択肢にあそび家があるらしいです。

・・・
あそび家にニンテンドースイッチを導入するか悩んでいます。(そんな予算はないが(笑))個人的にはみんなでコミュニケーションをとるきっかけとして遊べるツールになるので、テレビゲームもいいなって。
でも家では静かにゲームしてるという子が、ここでワイワイボードゲームをしているので、ちょっともう少し後に待ってみようと思ってます。

ある日、それまであまり合わなかった小学生の女の子とあるスタッフがいました。でもこの日はひょんなことで何やら楽しそうに話しています。その後も、社会に対するグチなどいろんな所へ話しがとんでいきます(笑)最後、その子は「あのおばさんおもしろい!」(≧▽≦)と帰っていきました。それをそのスタッフに伝えたらとても喜んでいただけました。

あそび家をやってよかったことはと聞かれると難しいですが、なんとなくこのあたりかもしれません。

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終わりにスタッフでいつまでこんなことできるかなって話してました。
なんとか今はご協力いただいてる方の御好意でやれてるけど。その方々も私たちも限界があります。
中学生の学習支援事業をしていた時、一見学習が得意そうに見えた子が、経済的な事情で進路の困りごとを教えてくれたことがありました。自分も同じような経験があったので、それ以降参加費はとらずにやろうと決めました。
しかしそれができるのも、地元の方のご好意や、市外からの助成があるからです。

取材でいろんな分野で地方コミュニティのことを聞きますが。なかなか地域で寄れる場所を守っていくのはどんなことでも難しい時代だなって思ってます。

藤子不二雄さんのコメントを見ていると、ドラえもんの空き地はどうやら過去のものになりつつあるようです。

「集まれる場所がたくさんある」という彦根も
「集まれる場所をたくさんつくろう」か「集まれる場所がたくさんある」か「集まれる場所がたくさんあった」といった岐路に来ているのかもしれません。

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