子どもサポートに関する大学の課外活動への対応について質問・要望


龍谷大学へこちらの「子どもサポートに関する大学の課外活動への対応について質問・要望」を提出しました。

あらかじめいいます。あまり提出したくありませんでした。3月の小中学校休校から社会学部の先生をはじめ、有志の学生さんや教員・職員の方から協力をいただきました。その方々は今でも協力を続けていただいています。

しかし私が続けていた活動のうち、「栗東BBS」は栗東市BBS会とりっとうBBSというサークルの共催。そこへ4月には課外活動の中止、6月には再開許可が示されましたが、感染防止マニュアルの遵守を前提とされていました。しかしそこには3密の完全な回避、活動時間の制限、活動時間外の行動把握などが前提とされていました。

↓↓マニュアル

「手の届く範囲での会話」をベースにしている学習支援である以上、3密を完全に回避することは不可能です。しかし接触感染の対策などは栗東BBSでは十分にできています。しかし時間の制限があればそれも叶いません。また活動時間外の行動把握を執拗に要求することはプライバシーの侵害になります。(サークルの時間外は個人が自由に生活すべき時間です。)代表(村田ですが)としてはさすがにこれは承認できません。

担当部署に何度も話しましたが、「一律に対応しないといけない」と聞いてもらえませんでした。そのためこの書状を提出しました。

子どもさんや、地域住民の方が、学生が、大切にしてくれている居場所です。そこでのみ安心して学習できる子もいます。「授業ができないから」など大学の一方的な事情で、止められるものではありません。

大学事務局の方は「ニュースで見ていますし、わかるのです」と言われました。しかしこれらの活動には龍谷大学の学生や教員・職員も関わっている。なのにどこか他人事のように捉えられているように感じました。また龍谷大学は食支援PJの際「本学の連携協定自治体である「東近江市」から1トン分の米の供給をいただく」と発表しました。これが東近江市との事業の一貫なのかは知りませんが、これを見た時私個人としては「同じように包括連携協定を結んでいる栗東市については何も考えてくれないのか?」と置いてかれたような気持ちになりました。(栗東BBSは栗東市との包括連携協定の一環。)

龍谷大学には多種にわたる活動をする人がいます。まずはその人たちと対話して協働することが必要ではないか..?と思い提出しました。

大学には一律に決めるのではなく、これを期に、この状況の中で、今必要なことを、できることを、対話しながら考えて、協働してほしいです。

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龍谷大学                       令和2年7月20日
学長 入澤崇様                                                          龍谷大学社会学部
                              村田 大河
 
子どもサポートに関する大学の課外活動への対応について質問・要望
 
  盛夏の候、貴職にはますます御健勝のことお慶び申し上げます。
さて、新型コロナウイルス感染症が広がりをみせており、様々なところで影響がでております。私は大学入学時から中学生のお子さんを中心に学習や交流を通じたサポート活動を続けておりますが、3月から学校が休校になり、それが延長され、夏休みの短縮といった影響があり、ストレスを感じる子どもたちも多くなっています。
 この中で、普段慣れ親しんだ人との交流や学習のサポートがより一層必要となっています。本学ボランティア・NPO活動センターが6月3日にTwitterにて表明していますように、このような時こそこどもたちに普段慣れ親しんだ人から安心を届けることが必要となっています。私も滋賀県栗東市と彦根市において、住民の方や有志の学生、本学の教員、職員の方と取り組んできました。
しかし、龍谷大学では4月以降の課外活動はオンラインなどを除いて全て一律に中止とされ、その後も、一律に対策マニュアルを課すといった一方的な対応がありました。特にマニュアルに関しては、「三密を絶対に避ける」ことが前提となっていますが、子どもたちが集まる以上、三密を完全に避けることはできません。その分接触感染の対策をしっかり取る必要があります。ですがその時間も限りをつけられ、十分にできません。また「授業が対面でできないから課外活動はできない」といった理由もありましたが、大学の一方的な事情だけで、子どもたちへの生活に影響させることは極めて無責任な行為です。
私が活動する団体のうち、滋賀県栗東市の栗東BBSはサークル「りっとうBBS」と市民団体「栗東市BBS会」が共催している団体です。そのため活動停止には至りませんでしたが、子どもたちの安心を守りたいと活動している者としては今回の対応には非常に強い憤りを感じます。
新型コロナウイルス感染症が広がる中にあっても、子どもたちの安心を守りたいと活動する人はたくさんいます。その中には龍谷大学の学生や教員・職員も多くいます。そういった活動はなくてはならないものです。しかし大学の措置からは”「あったらよい」不要不急のもの”であったり、龍谷大学とは関係ないどこか他人事のように捉えられているように感じています。私たちと出会う場を子どもたちは「居場所」として大切にしてくれています。それは「あったらいいもの」ではなく、なくてはならないものなのです。
今回こういった大学の対応について、強い憤りをもって抗議させていただくとともに、下記の懸念事項と質問・要望をさせていただきます。

 
懸念される事項
①感染症の対策について
1.一律の感染症対策によって感染症のリスクがかえって増大する恐れがある
 →先述のように一律に感染症対策が一方的に定められ、それを遵守した上で、各サークルで対策をとるようにとのことでありましたが、各サークルで状況が全く異なるため、一律な感染症対策が取られた場合、かえって感染症のリスクを高める可能性があります。例えば活動時間を2時間以内と定められていますが、栗東BBSの場合、接触感染の対策を十分に取る必要があるため、物品や部屋の消毒などに十分な時間を取らなくてはなりません。規定通りの場合、消毒や確認の時間が十分に取れなくなります。(子どもたちがゆとりを持って過ごせる時間を考えると2時間より短い時間の短縮は不可能です。)
 このような対策方法を取られた場合、状況に応じた十分な感染症対策ができなくなります。
 
2.6月に実施された説明会から明らかに状況が変わっているが緩和に進んでいる
 →6月18日に課外活動の開催を緩和する方向で説明がありましたが、その後も一部の地域で新型コロナウイルス感染症に感染された方が増え、7月17日には、東京都内で293名の方の感染が確認されています。滋賀県・京都府でも感染された方の人数は増加傾向にあり、滋賀県は「警戒ステージ」、京都府は「警戒基準」を発表しています。感染症が再度広がりつつあることは明らかです。しかしながら龍谷大学の方針では、6月18日に発表された方針と変わりなく、緩和に進んでいます。状況に応じた感染症対策がなされているのか疑問を感じます。
 
3.3月の龍谷大学における対応について
 2月27日にも、新型コロナウイルス感染拡大防止への対応について(要請)が出されました。また3月12日には新入生勧誘活動を中止するよう要請がありました。しかし後日3月24日には深草学舎にて新入生勧誘活動の説明会があったようです。感染症が広がりつつある中で、当然こういった説明会も中止されるはずだと捉えておりましたが、後日「(京都市の同種団体)が参加していたので、参加できるはずだ」と説明がありました。しかしこの時点で新型コロナウイルス感染症の収束は見通せない状況であり、近畿各地から学生を集めておられた行為からは感染症の対策が十分にされていたとは考えられません。当然新入生勧誘活動の中止とともにそれらも中止すべきではないのでしょうか。(開催地の京都府から見て)他府県の子どもさんと接する団体に所属する者としてはそういった場に参加できません。他団体ができたから、本団体でもできるだとうといった発言からは、一律にしか対応されないことへの強い憤りを感じます。
 
 以上の理由から龍谷大学の示す感染症対策には不十分な点が多いと考えます。
 
②学生へのプライバシー配慮が欠けている
 サークルの活動再開を申請した際、サークルの時間外(移動時など)の感染症対策を明記するよう強く要請を受けました。しかしサークルの時間外はサークルが規定するべき時間ではありません。(「要請」まですることは可能ですが。)移動経路やその時の行動把握を求められたり、中には「トイレの便器を一つ空けて使用する。」といったこともありました。代表の立場からすると、そこまで個人の行動を管理しなければならないのか、強い抵抗を覚えます。サークルの時間外は、サークルから離れて個人が自由に生活するべき時間です。これを本人の同意がなかったり、強制力を働かせて、監視・規定・管理することは、個人情報保護法で保証されている、プライバシー権を侵害することになります。りっとうBBSや共催する栗東市BBS会ではこのようなことは決して認めていませんし、私個人としましても、是認できません。行政機関による新型コロナウイルス感染症に感染された方の行動履歴の調査は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条第1項及び第14 条第2項の法的根拠に基づく行為です。
 
 ③一律に感染症対策を定めたり中止するのではなく、状況を踏まえ対話をして、この状況で、最低限必要なこと守り協働していくことが必要
 
1.一律に感染症対策を定めることはやめてください
 りっとうBBSは子どもたちに、学習支援・交流を通じて他者と関わる楽しさやつながりのきっかけを目的の一つとして活動しています。感染症対策として提唱されている「三密」のうち、「手の届く範囲内での会話」が挙げられていますが、これがなければ私たちの活動は成立しません。栗東BBSに居場所を感じてくれている子どもたちは、人と会話や軽食を交えて交流することを求めてやってきます。再開した初日も「いつも通りやろう。これで意味ないやろう」と抱き合って訴える子もいました。取り巻く環境の変化が激しい中、これ以上子どもたちに過度なストレスを作る要因をつくりたくはありません。そのため飛沫感染の対策には限りがあるのが現状です。しかしそれを覚悟の上できる対策を取らなくてはなりません。それぞれ個人がおかれている状況はかなり違いますので、それぞれで取る対策は変わってきます。また栗東BBSに関しては接触感染の対策は十分可能です。状況に応じた対策は抜かりなくしなければなりません。そういった状況を勘案しながら感染症対策をとりつつ、子どもたちや一緒に活動する住民の方、学生が大切にしていることを守らなくてはなりません。その状況へマニュアルを一律に定め、遵守した上で対策をすることを一方的に必須とするのはやめてください。
 
2.「あったらいい」ではなく、なくてはならないもの
 →栗東BBSはたくさんの子どもたちが「居場所」にしてくれています。「ここだと一番笑顔になれる」と話してくれた子がいたり、なかなか安心して学習できる場が見つからなくても、栗東BBSでのみ安心してシャープペンシルを持つ子もいます。子どもたちにとって「あったらいい場所」ではありません。途絶えてはならない「なくてはならない場所」です。
 ただ場があればいいというわけではなく、安心して一緒に過ごせる、学べる大人がいるから成り立つことです。それが学生ということもあります。子どもたちはその人との交流を求めてやってきます。
 それらの機会が失われた場合、安心して過ごせる機会や学べる機会が保証できなくなったり、失われることもあります。こういった事態は決してあってはなりません。誰しもがどんな時でも「居場所」で過ごせる権利があります。「あったらいいもの」ではありません。なくてはならないものです。
 本学ボランティア・NPO活動センターが6月3日に発表しておりますように、今子どもたちを取り巻く環境が大きく変化する中で、様々な工夫をしながら活動を続けなければならないことがあります。私も休校中に地域の中で安心して過ごせる場所をつくったり、十分に栄養バランスが整った食事を提供したり、大人の人から学習を教えてもらえる機会をつくるといった活動をしていました。こういった活動には私を含め、龍谷大学の学生・教員・職員で参加・協力しようとする人もいます。決して他人事の活動ではありません。
 連携する大学としてすべきことは、それを止めたり、一方的な措置を加えることでなく、その「居場所」を一緒に守り、協働することではないのでしょうか。
    
 3.一律に一方的に定めたり措置を取るのではなく、十分に対話した上で、状況に応じた判断が必要ではないか
 →サークル活動再開を申請した際、三密の対策や飲食の禁止を前提とした感染症対策マニュアルを提示され、それに合わない部分は「修正」するように言われました。「一律に定めないといけないので、特別な事情は認められない」といった言葉もありました。これではとても十分な対話ができているとは言えません。
 りっとうBBSには上記のように、マニュアル通りの感染症対策が取れない事情があります。他のサークルでも、様々な事情があることを聞いています。龍谷大学には多種のサークルがあります。まずはそれぞれの状況を勘案し、「提案」と「対話」を重ねる必要があるのではないでしょうか。
 また栗東BBSはサークル「りっとうBBS」と栗東市の住民による任意団体「栗東市BBS会」が協働して取り組んでいるものです。地域住民の方と協働して取り組んでいます。したがって大学の方針を一方的に押し付けるのではなく、あくまで「提案」するべきではないのでしょうか。
 
 
質問内容
 
以上の内容から下記内容を質問します。
 
1.新型コロナウイルス感染症が広がる中で、龍谷大学における地域連携・協働やそれに係る責任についてどのように考えておられるのか
 
2.龍谷大学には多種多様なサークルが存在する。中には学生生活・関係する市民生活で「あったらいいもの」といった不要不急のものでない、なくてはならないものもある。その中で上記のような一律の対応をされたことについてどのように考えておられるのか。また状況も変わりつつある中で、今後はどのような対応をとられるのか。
 
3.多種多様なサークルがあり、学生生活や関係する市民生活において、なくてはならない課外活動がある以上、十分に対話した上で、状況に応じた判断が必要ではないのか。もしそうなら今後どのように対話されるつもりなのか。
 
4.新型コロナウイルス感染症が広がる中であっても、子どもたちにも居場所・学習・食のサポートを必要とする人がいる。そういった人に対して、今活動を続ける人たちに対して大学はどのように解釈し、または行動するつもりなのか。
また龍谷大学では以前からそれらの活動に参加・協力している学生や教員・職員がいる。この状況の中でも活動を続けようとする人に対して、大学はどのように解釈し、行動するつもりであるか。
 
 
また下記内容を要望させていただきます
 
要望内容
 

 1.栗東BBSは2017年に龍谷大学と栗東市が結んだ包括連携協定の一環とされる活動である。どのような状況にあっても、パートナーとして、できることから、必要とされていることにしっかり向き合い、協働をいただくこと。
 
 2.一律に措置を一方的に定めるのではなく、学生や当事者としっかり対話をされること。
 
 3. 多種多様なサークルがあり、学生生活や関係する市民生活において、なくてはならない課外活動がある以上、十分に対話した上で、それぞれに応じた対策とできることを提案していただくこと。
 
4. 様々な環境の変化が激しい中だからこそ、子どもたちは、普段慣れ親しんだ人との交流やそれを通じた学びが必要となっている。中にはそれが止まった場合、その後の生活に大きく影響する恐れがある子どもさんもいる。龍谷大学においてそれらを守ろうとする人や団体がある以上、子どもさんへのそういった活動が対話なく一方的に止められたり、影響させることなく、住民の方の生活が関わる以上、責任を持って恒常的に保証されること。
 
栗東BBSは、2017年に龍谷大学と栗東市が結んだ包括連携協定の一環とされています。私はこの協定により栗東市の住民の方々と一緒にパートナーとして歩むこと、対話と協働を重ねていくことを約束されたと捉えています。4月に学生への食生活支援を発表された際、「本学の連携協定自治体である「東近江市」から1トン分の米の供給をいただく」とありましたが、同じ滋賀県で同様に協定を結んだ栗東市においても、一緒に取り組めること、必要とされていることがあります。そこにきちんと向き合い、このような状況だからこそ、お互いができることを、対話と協働を重ねて、小さくても一つずつ取り組む。これが協定を締結したパートナーとして果たすべきことではないでしょうか。
 
 
以上の内容について質問・要望させていただきます。

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