Pre-PGP 2024 R3 作問後記

Pre-PGP 2024 R3 に作問その他で関わらせていただきました。しばらく取りまとめる側で関わる回が続き、私生活が忙しかったこともあって作問をやるのは久しぶりな感覚です。先日 HPL6 で作問や解説を担当させてもらったので、自分の問題を解いてもらう機会自体はありましたが。あちらは改めて記事にとかは考えていませんが、解説中にいろいろ喋った気がするのでよければ動画を見てもらえると嬉しいです。


Masyu

HPLでも出題したMasyu。いつもいい感じのループパズルを作るのが苦手と言っていますが、今回は易問枠をやりたかったので「自明でもいい」と自分に言い聞かせながらのチョイスとなりました。Masyuは早解きの中ではEasy Asみたいに前菜的なポジションを確立しているような印象ですね。極端に難しい展開はそうそう出ないし出す必要もないという感じ。
この問題は、白丸に線が伸びて決まる形だけは最初に思い浮かべつつその場その場で組んでいきました。結果として右上と左上で順々に小ループが2個できるという、ちょっと珍しくて落ち着かない展開になりました。一方ラストの小ループ回避はそれっぽさが出ていてなかなか気に入っています。

Orbits

こちらも難しくないものをという意識での選択。見た目はともかくルール要素自体は馴染み深いといえるこのパズルにおいて、0の挙動はパズルの特徴が出ているなと感じた手筋でした。そこで試しに5×5の盤面で初手として使ってみたところかなりさっくりと決まっていったので、非常にスムーズな作問だったと思います。どちらかというと作図に頭を悩ませていた時間の方が長い気がします。今回はPuzsq Meetsで無題症候群さんがやっていた作図を参考にさせていただきました。

Letter Pairs (4-Way, Full)

ワード系は作問側としてはいろいろできるということでわりと好きなので、今回最初に作問予約をしたのがこれでした。ただし、このパズルを作るとなるとワードリストにちょっと気を配る必要があります。まず、あまり問題サイズを大きくできない上に盤面サイズに近い長さの単語が多いと敷き詰め方が単調になってしまうので、短めの単語をある程度選べる必要があります。また、文字連続がある単語も多少は入れておきたいところ。本家が宇宙テーマなので最初は衛星とかもどうだろうかと思っていましたが、理科年表をパラパラめくった結果やはり星座がやりやすいだろうという結論になりました。テーマとしておあつらえ向きすぎるので、最終的にNurikabe Scrabbleと被ることになりましたね。私の方では地味ながら黄道十二星座を使わない縛りをしています。4文字が結構必要になったのでそこはマイナーなものが多いですが、意外とイメージの湧くものも多かったのは発見でした。お気に入りは、Sagittariusからの類推が効くSagitta(や座)とこいぬ座オーラを出しまくっておきながら全く違うPuppis(とも座)の文字連続コンビです。
パズルとしては、このサイズにしてはバラエティある展開にできたのではないかと満足しています。ワードパズルなのでどうしても軽さはあまりないかもしれませんが、個人的にはこれくらいの難易度から味わえるようになってくる面白さがあるんじゃないかなと思っています。

本家に宇宙というテーマがあったおかげで、Preでも作問時にいろいろ遊びを考えられたのはよかったですね。個人的には謎垢リターンズがアツいです。これまでにも謎垢さんの問題に苦しめられたという人は多いかもしれませんし、まあPre-PGPの趣旨を考えるとそれは良し悪しあるんでしょうが、その分だけ解いていて発見を与えてもくれるので個人的には捨てがたいとも思っています。その原液(?)を味わえるというのは実は運営側の特権だったり。気になる人は一緒に作問しましょう!

2. Star Battle: うーんこれはスター。発想に天晴れです。

5. Spiral Galaxies: なんかあるんだろうなと思いつつの破綻微調整で解きましたがやはり何かありました。やることが決まってるような印象のSpiral Galaxiesでも新展開を出せるんだなあと感心しました。

8. Tapa (Black Holes): バリアントルールを解き手にしっかり理解してもらえる作りが素晴らしいですね。展開も欲しいものが一通り詰め込まれています。

9. Tapa (Black Holes): これの初版は10×10の完全別問で私は25分かけたんですが、まあすごかったんですよ。ブラックホールルールを非常にうまく使いながらTapaらしさに溢れていて、最後まで薄氷のバランスで決まっていくような問題でした。どこかで公開しておいてもらえると助かります。

10. Moon or Sun: Puzsq MeetsのPGP振り返り会で本家の解き方を教えてもらっていたので、「あっこれかあ!」となることができました。

12. Binary Stars: カシオペア座は気付かなかったなあ。無理のない解き味が両立されていてテーマ問として芸術点が高いですね。

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