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皆さんは期限管理をどのようにしていますか?(知財)

今回は、知財業界における期限管理のお話をしたいと思います。

皆さんは期限管理をどのようにしていますか?
ToDo管理はどのようにされていますか?
スケジュール管理はどう行っていますか?

Excel?
Googleカレンダー?
Trello?
Chatworkのタスク機能?
Salesforce?

いろいろあると思います。
ここでは、我々のやり方について触りたいと思います。

(1)期限管理が全て!

私は、
弁理士の仕事って、期限管理が命だと思います。
全ての弁理士の仕事には、必ず、期限が付きます。

弁理士の仕事って、大きく分けて、
①お客様から頂く仕事
②特許庁から頂く仕事
があります。

例えば、新規特許出願業務など、
①お客様から頂く仕事
の場合、法律で決まった期限はありませんが、お客様と約束した期限があります。

また、拒絶対応の仕事など、
②特許庁から頂く仕事
の場合、特許庁が決めた期限があります。
何れにせよ、何時まで、何をすべきか、と言うような、デットラインが必ずあります。

これ以外にも、
リマインダーメールを送るために管理される期限もあります。
この期限も非常に重要で、これがきちんとできる事務所だと、新しい仕事の受注に繋がり、しかも、お客様の信頼を得ることができます。

例えば、優先権主張期限がこれに当りますが、
法律上、最初の出願から1年以内に、優先権主張しながら再度特許出願することができますので、
例えば、この期限の到達3ヶ月前とかに、お客様にしっかりとリマインダーメールを送ることができると、優先権主張しながら中国への特許出願など、のような、新しい仕事を受注することができます。

このように、
既に進行中の仕事はもちろん、ペンディング状態の案件でも期限管理が必要です。

特許出願を1回しますと、これから、その特許とは20年間付き合う訳ですので、常に、期限を管理して置く必要があります。

(2)優先順位によって主に4つの期限がある

知財の仕事には、優先順位によって主に4つの期限があります。
詳しくは、
① 法律で決められた期限と、
② お客様と約束した期限と、
③ 社内の運用ルールで決めた期限と、
④ 個人の期限、
になります。

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これらの4つの期限の中で、
前の3種類は、新しいタスクを立ち上げる際に入力する期限です。

この社内期限に対し、個人的に更に自分の完了予定日を入れてスケジュール管理したい場合、個人期限と言う項目を使うことができます。
この場合、

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このように、社内期限に対し、具体的な仕事を担当した方が、自分の個人期限を定めることができます。
このように、4種類の期限を入れて置いた上に、1つの仕事を管理します。
ToDoのリストをみると、

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このように、4つの期限がリストアップされます。

弁理士の仕事って、このように、いつも期限を意識しながら仕事を遂行する必要があります。

(3)法定期限にも優先順位がある

法律で決められた期限には、法定期限と指定期限の2種類があります。

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法律で決められた期限として、上記のように、20種類近くの期限がありますが、
ここで、特に重要なのは、
優先権主張期限
審査請求期限
国内移行期限
などになります。

これらの期限が重要な理由は、
出願日から1年後や、3年後など、かなり後になりますので、
その間、担当者が変わったりすると、忘れる可能性があります。

なので、これらの期限は、担当者レベルの特定の人物に限らないように、
期限が近付いたら、お客様、事務部門リーダー(個人ではなく、ポジション)、実務部門リーダーなどに、多重にリマインドできるように、管理する仕組みが必要です。

これに対し、例えば、1ヶ月~4ヶ月ぐらいの期限である
優先権証明書提出期限
拒絶応答期限
審判請求期限
は、担当者にメールするぐらいの管理で十分です。
極端に言えば、メモ帳にメモするレベルでも忘れる可能性が低いと思います。

(4)期限が近付いたら、如何に注意喚起させるか

システムに期限をインプットさせるだけでは、足りません。
その期限が近付いたら、システムにより、特定の方に、プッシュ通知を、自動的にするような仕組みが必要です。

その具体的な方法としては、
① APIを使った、Chatwork、LINE、Slackなどのコミュニケーションツールとの連動、
② 自動メール送信機能を使った、Emailによるプッシュ通知、
などが考えられます。

コミュニケーションツールとの連動については、

ここで紹介したように、Mattermostとの連動をお勧めします。

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このように連動させると、
出社する電車の中でも、スマホを使って、自分の期限を把握することができます。

メール自動化についての考え方は、ここの記事で述べています。

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このように、
どのタイミングで、どのような頻度で、誰に送るかについて、詳細に決めることで、
必要な時期に、必要な方に、通知メールを送ることができます。

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お客様へのリマインダーメールについても、
このように、一定の条件にあったら、決められたメアドに、決められた時間に、システムが自動的に発送します。

(5)まとめ

ご覧のように、
特許事務所の運営において、
期限管理は非常に重要です。
期限管理ができないと、お客様の信頼を失うことになります。
逆に言うと、期限管理がしっかりできると、お客様の信頼を得ることができます。

ただし、期限管理を、人海戦術で、アナログ方式でやると、非常にコストがかかり、しかも、一定の割合で必ずミスが発生しますので、
如何に人的資源を掛けずに、システムにより自動化させるかは、永遠のテーマです。
これができて始めて、大手企業とかが安心して付き合ってくれるのではないか、と個人的には思っております。

私のシステムに対する思い込みは下記記事をご参照ください。
「知財×財務×経営者目線の管理システムがほしかった!」

以上

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