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2.スラムダンク創作山王でわちゃわちゃする話(沢北栄治、深津一成)

主人公アキちゃん、2年生設定
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完全自己満、大人な内容ですので苦手な方はご遠慮ください。あまりバスケに触れず健全な高校生として書いてます。誤字脱字あり。すみません。
前回の続きです。
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一ノ倉は考えていた。
部活の2年生のシュート練中、沢北がずっと深津にバツが悪そうな様子が後押しして、一ノ倉は考え込んだ。
実は自分も目撃していたからだ。
「沢北は…馬鹿なのか?」
思わず言葉が漏れた。
深津とアキちゃんがいい感じになればいいなぁ。という軽い気持ちであの会を開いてみた。
沢北が手出してるならそんな事しなかったのに。
あんなの目撃したら深津はどう思ってたとしても引くに決まってるじゃないか。

というかもし、アキちゃんと沢北がいい感じなら自分は余計なことをしてしまったのではないか…?
チラッと深津を見たが深津はいつも通りだった。
「まぁでも沢北には時間がないしな。」
と大きくため息をついた。


深津先輩のビブスいつ渡そう。
洗って持ってきたものの、こないだの集まりではまさか会えると思ってなかったから完全に渡すタイミングを逃していた。
沢北に渡してもらう事も考えたけど、経緯を聞かれたらなんて説明していいかわからなかった。
3年生の教室に恐る恐る向かう。
何組かとかわからないしなぁ….。
階段の曲がり角から顔を出して誰か知ってる人がいるか観察する。
「アキちゃん何してるの?」
知ってる声が後ろからした。
一ノ倉先輩だった。
「こんにちは!あー、ちょっと深津先輩探してて…」 
一ノ倉は少し静止した。
「深津…?深津ならすぐそこのクラスだよ。」
一ノ倉が手招きしてクラスまで引率して行く。
「深津!ちょっときて!」
代わりに呼んでくれた。優しい一ノ倉先輩。
深津先輩は河田先輩とクラスにいた。
前屈みで腰に手を置いて近づいてくる深津先輩におもわず怖気づく。
呼んでないのに河田先輩もついてきた。
教室の入り口に手を置いてジッと一ノ倉先輩を見つめる深津先輩。視線を落として私にやっと気づいた。
「あ、ビブスぴょん?」
紙袋を見てすごく当たり前のように自然に受け取ったので、一ノ倉先輩も河田先輩は何も言わなかった。むしろ、突っ込むなよの圧がすごかった。
「こないだはありがとうございました!」
「アキちゃんLINE教えてよ」
河田先輩が話の腰を折るように割ってはいってきた。深津先輩は紙袋をガサガサ漁っている。
「え?いいですよっ」
交換すると3年生メンバーのLINEグループに追加された。
シュッシュッとこないだ沢北の家で撮った写真と動画が送られてきた。
「ピュレグミすきぴょん」
紙袋にビブスと一緒に入れておいたピュレグミを持って深津先輩が私の目を見て言った。
こないだくれたグミ、きっと深津先輩自分の分をくれたんだよね。
「これで写真ぜんぶ」
先輩達の自由なやり取りが続く。
いい加減周りの視線が痛くなってきて私は苦笑いをする。わーい。と写真を確認するとふにゃふにゃした顔の私の隣りで、深津先輩が上目遣いでカメラを見ているツーショットがあった。
思わず、ジッと見つめる。
その時時限のチャイムが鳴ったのでハッとした。
「あっ私そろそろ戻ります!ありがとうございましたー!」
後ろにジリジリ下がりながら逃げるように去った。

もっとお礼言いたかったな。と思い、グループLINEの深津先輩のアカウントを見てみる。
かずなりと書いてあって一瞬躊躇したけど
メッセージを送ってみることにした。
授業中、時間をかけて文章を考えて何度も打って消す。
えいっとやっとの思いでメッセージを送った。
「あきです。こないだはビブス貸してくれてとっても助かりました!ありがとうございます!」
思いの外すぐ返信はきた。
「グミありがと」
河田先輩が机に突っ伏して爆睡してる写真付きで送られてきた。
ふふっ。と笑みが溢れた。
もっと深津先輩と話してみたいな。とふと思った。

体育の授業の為体育着に着替えていると誰かからLINEがきた。

かずなり「いまから2年生の横で体育」
「アキちゃんのクラス?」

「えっ」と思わず声が漏れる。

「そうですっ!隣でバスケですw」
「😏」
深津先輩見れるんだ。しかも普通にメッセージくれるとか…なんか嬉しい。
なんでだろう。こんな気持ちは初めてだった。
そわそわしながら体育館に移動すると、周りに気づかれないようにチラチラネット越しに隣を見ていた。
河田先輩も近くに立っててかなり目立っていた。
こうやってみると本当に背が高いなぁ。
ぼーっとネット越しに視線を送っているといきなりバスケのボールが飛んできた。
肩に直撃する。シュートから外れたボールだった。
「いたっ!」
右肩があがらなくなる。こんな事ってあるの…。
よりによってすぐ退場なんて…。
後ろ髪をひかれながら保健室に行った。
「失礼しまーす。あれー先生いない。」
右肩を押さえて保健室に行くと保健室はガラリと空いていた。
どうしよう。普通に痛いんだけど。
ガックリ肩を落として振り向くと、誰かにぶつかった。
「ごめんなさいっ…え?深津先輩?」
上を見上げると深津先輩が立っていた。
「バスケうまかったぴょん」
きょとんとしたけど
ちょっと意地悪くからかわれた。と後から気づく。
えへへ…と顔を赤くして右肩を抑える。
「こっちくるぴょん」
「えっ」
私の背中に手を回して保健室の椅子に腰掛けさせる。慣れた様子でアイシングしてくれた。
「湿布とかの場所はわからないけど、とりあえず冷やすぴょん」
「うわ、ありがとうございます。。やっぱ慣れてますね。」
しばらくアイシングを当てながら深津先輩が肩の赤みを確認する。深津先輩が外を見ながらふいにつぶやいた。
「アキちゃん隙ありすぎだぴょん」
「そうですよね…ちゃんと前むいてればよかった」
「…今だけじゃないぴょん」
え?と言ったけど何も答えてもらえなかった。
深津先輩、私が保健室きたから来てくれた…?そんな都合のいいことを考えて
なんだか嬉しくなってきてむずむずした。
なんだろうこの気持ち。
アイシング越しだけど触れられてるのが恥ずかしくて顔を見れなかった。
「深津先輩…」
目は合わせられなかったけどほんとに自然と言葉が出た。
「ん?」
「私…もっと深津先輩と話したいです。」

私何言ってるんだろう。
すぐ返答がかえってこない間カーっと顔が赤くなるのがわかった。
「話す…?話す…。」
深津先輩が考えながら繰り返した。
うーん。と
何かを考えたあと私のほっぺを摘んでこちらを向かせた。
「寮についたら話せるぴょん」
寮?じゃあ練習終わりってこと…?
とほっぺを摘まれながら考えを巡らす。
「アキちゃん、待てる?」
「は、はいっ!」
摘まれたほっぺが解放されて言葉の意味がジワジワと理解できた。
「肩は多分もう大丈夫だぴょん」
キンキンに冷やされてた肩からアイシングが外れて自由に動けるようになる。
「ほんとだ…痛くない」
深津先輩が私の寄れた体操着を整える。
深津先輩って面倒みいいなぁ…
本当キャプテンって感じ。
「ありがとうございます。」
そう言った私の頭をポンポンと撫でた。
「一緒に戻ったらあれだから、ゆっくりしてるぴょん」
深津先輩はそう言って腰に手を当てて体育館に戻っていった。
私は体育の時間中ずっとぼーっと何が起きたのか考えていた。
教室に戻って次の授業を受けていると
深津先輩からメッセージが届いていた。

かずなり「夜電話する」
私は机につっぷした。


「アキちゃんにもっと話したいって言われたぴょん」
お昼の時間、焼きそばパンを食べながら深津が一ノ倉にさらりと言った。
「え!」
一ノ倉は読んでいた雑誌を一旦机に置く。
「話したいって…。」ハテナマークがでる。
そしてこないだの沢北の事が頭をよぎる。
ん?と後から違和感が残る。
もしかして…深津、喜んでる?
深津は一ノ倉を見ながらずっとパンをもぐもぐしていた。
「アキちゃんいい子そうだよな。。
うん。深津、仲良くなれそうだよ。」
「だから…」
一ノ倉が何かを言いかけたのを察して
深津が少し慎重に言葉を切り出す。
「沢北にはないしょぴょん」
「!!…わかった。」
「沢北なんとなく、面倒くさそうだぴょん」
驚いた。
深津ももしかして目撃してたのかな。と色んな事を考えつつ、そんな事を切り出した深津が意外だった。


お風呂も入ったし、布団の中で携帯とにらめっこをした。
バスケ部って何時まで練習してるんだろう…。
時計を見たら22時だった。
深津先輩練習熱心だなぁ…。
「アキちゃん、待てる?」と言われた時を思い返して、ドキドキする。
ほっぺを触って、摘まれたなぁ…と思い返す。
同じ男の子なのに沢北の触り方と違う。なんか、逆に私が触りたくなるような誘導されてる感じ。
ふいに携帯のLINE電話が鳴ってびくっとする。
「もっもしもし」
がたっがたと玄関に入るような音が聞こえた。
「帰ってきたぴょん」
「うわー。本当に深津先輩の声だ。」
LINE電話は音質が良くて、近くにいるみたいですっごくドキドキした。
何言ってるぴょん。とふふっという声が聞こえて恥ずかしくなる。
いつも自主練をするとこの時間になること。
3年生メンバーの話、明日の授業は何があるか。

意外と深津先輩は途切れずずっと話続けた。
取り留めのないことだけどすごく嬉しい。
自分が何をしたか、一日の終わりに男の子に報告するのはすごく新鮮な感覚だった。
気づいたら2時間たっていた…。
「深津先輩絶対眠いですよね」
ハッと気づいて慌てる。
「アキちゃん面白いから大丈夫だぴょん」
思わずニヤッと笑ってしまったけど
もう寝ましょう!と言っておやすなさい。と言った。
深津先輩からのおやすみ。がとても不思議だった。


深津先輩との電話が日課になった。
毎日じゃないけど、夜電話をした。
次の日の授業がわかるから
移動時間に深津先輩を見つけられるようになった。
なんとなく、練習が遅くまである日がわかるようになってきた。金曜日は絶対電話はこない。
ある日の金曜日、今日は授業の移動もかぶらなくて、深津先輩を見てない。
その日の放課後は委員会があって、少し終わるのが遅くなった。仲良しの子もいたので無駄話をしていたら外も暗くなってきた。
ふと、時計を見て
今日は金曜日だから練習してるところが見れるかも…とそんな考えが頭をよぎった。
でも、それってちょっとストーカーみたい…。
鞄に物をしまいながら、迷ったけど
私は誘惑に勝てなかった。

おそるおそる体育館が見える、隣の校舎まで足を伸ばす。もう生徒はバスケ部以外いないはずなのでいるところが見られたらかなり目立つ…。
あまり音をたてないように近づくと、深津先輩の声が聞こえた。
「リョーコ。」
え?リョーコ…?
体育館の入り口にすらっと背の高い人が見えて、深津先輩だと気づく。
深津先輩の横には背が高い女の人が立っていた。
何を話してるかは見えないけど真剣な話をしていた。
隣の商業高校の制服だった。
なんだか、ここにいちゃ行けない気がした。
私はその綺麗な女の人を見つめて少し経ってから体育館を後にした。

「…だから、金曜日は電話来ないのかなぁ。」
自分の気分がどんどん沈んでいくのがわかる。
私、何を期待してたんだろ。
別に深津先輩が女の人と話してただけなのに。。

深津先輩との電話はそれからも続いた。
共通の話題もできたし、毎回楽しく話した。
でも金曜日だけは電話はかかってこなかった。


「沢北って、女の子に電話とかする?」
悲しいことに相談できるのは沢北しかいなかった。
「は?」
沢北が急になんだよという顔をして、その後少し返答に困っていた。
「用事があったらするだろ。」
「用事かぁ…」
そういうことが聞きたいんじゃないんだよなぁ。と顔を俯く。
「用事があったら、かぁ。うーん。夜とか?かける?」
質問が下手なことはわかっている。。
「俺?夜?無理無理」
「なんで?」
「お前なぁ、、バスケ練がきつすぎて夜なんて秒で寝てる。携帯見る暇ない。」

沢北の言葉を聞いて拍子抜けした。
深津先輩それなのにいっつも夜中まで話してくれていたんだ。
「深津さんはその鬼練習終わった後、走って帰ってるけどな。」あれは真似できないわ。。という沢北の言葉に私はどこかまた期待していた。
私は何を期待してるんだろう。
このまま、リョーコさんのことも聞いてしまいたかったけど、体育館まで会いに行ってるって事は沢北も関わりがありそうなので、なんとなくやめた。
沢北がふと私の前髪に目をとめた。
ん?と私が沢北を見ると、沢北が私の前髪についた何かをとって捨てた。
「なんかついてた。」
教室の机ごしで向き合っていたけど、あまりに自然すぎて返事もしなかった。
あまりよくないけど、こないだの件で正直自然と沢北との距離が更に縮まった気がした。
「アキって」
「ん?」
「髪綺麗だな」

たまに、前はどのぐらいの距離感で話していたのかわからなくなる。
不自然なリアクションをしてしまいそうで
今度から気をつけよう。と思った。
沢北がジッと私を見るので、少し赤くなってそんな事ないよといった。
「沢北も…綺麗だね」
「は?髪ねーよ。笑」
と頭を掴まれた。思わず笑った。
廊下を通り過ぎた3年生がその様子を見ていた事に私は気が付かなかった。


「沢北とアキちゃんていい感じなのか?」
急に一ノ倉、深津、河田に野辺がきてぽつりとつぶやいた。
一ノ倉は飲んでいた紙パックのジュースを吹きそうになる。
河田がなんで?と興味津々で聞いた。
一ノ倉が心の中で願う。頼むから深津の前で余計な事言わないでくれ。
「俺はあんな距離で女子と話したりしない。さっきは前髪触ってるの見たぞ。」
「それだけかよ。」河田が笑う。
「幼馴染だからじゃない?」
と一ノ倉が自然にフォローする。
深津はただ表情を変えず焼きそばパンを食べていた。
「前髪くらい触るだろ」河田が言ったので誰のを触ってるんだろうとみんなが思った。
「でもいい感じならなんで、アキちゃんが深津の事好きとかいうんだ?」
河田が不思議そうに言った。
深津が焼きそばパンを食べるのが一瞬ぴたっと止まる。
みんななんとなく深津の方を見た。
「深津の事好きそうに見えないけどな。俺には沢北の事が好きそうに見える。」野辺が笑いながら行った。
お願いだから変な事言わないでくれ。と一ノ倉が懇願するように野辺を見た。
深津は何も答えなかった。


その日、いつもよりはやく深津先輩から電話が来た。
「はいはい!今日も深津先輩おつかれさまでしたー!」
なんとなく沢北の言葉を受けて、いつもより労いの言葉に力が入る。
「…」
あれ?私はしゃぎすぎたかな。と少し不安になる。
「アキちゃん今日元気だぴょん」
ははは…と恥ずかしく笑う。
「よかったぴょん」
「え?何がですか?」
「月曜日からずっと元気なかったぴょん。」
「あ…。」
先週金曜日にリョーコさんを見かけてから私が落ち込んでいたの、気づかれてたんだ。
「はは…今日元気になりました。ちょっとだけ。」
いつも通り電話越しからカバンを置いたり、どこかに座る音がする。
部屋かなぁ…。深津先輩の部屋ってどんな感じなんだろう。
と静かに妄想する。
取り留めない話しながら、今日は木曜日だという事に気づいて心の奥でもやもやする。
明日は金曜日だ。電話が来ない日…
深津先輩が多分リョーコさんと会う日。
また私の声が曇り始めたのを察してか、
深津先輩が珍しく明るく話を切り出した。

「アキちゃんに言いたいことあるぴょん」
「え?私にですか?」
「アキちゃんがずっと好きなドラマの話してたから、俺もNetflix契約したぴょん」
「えー!いいなぁ」
深津先輩はずっとHuluしか契約しないって言ってたのに。
「あれ?Netflix辞めたぴょん?」
「そうなんですよー。私家族シェアしてたから、お父さんが契約辞めちゃって。。あのドラマの最終章だけ見れてないんです。。自分のクレジットカード無いし。。友達に見せてもらうにも、あのドラマ2時間位あるから難しくて」
「俺は寮費引き落とすのに銀行カードにクレジットついてるのもってるぴょん」
俺のアカウントシェアしようか?と深津先輩は提案してくれたけど、流石にそれは悪すぎて遠慮した。
あー。と深津先輩が何かを言いかけて何度もやめる。
「え?なんですか?」
「んー。いや、アキちゃん土曜日見にくる?」
へ?と少し考えた後、恐る恐る見たいです。と口にした。
「土曜日、練習午前中だけだからタイミングで連絡するぴょん」
その場はそこで話が終わってしまったけど、いつも通りおやすみと言って切った後、言葉の意味を改めて考えた。
「私が…深津先輩の部屋に行くって事?」
言い終わった後枕に顔を押し当てて声にならない声を出した。


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