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38.スラムダンク創作山王でわちゃわちゃする話(深津一成•仙道彰)

主人公:佐藤アキちゃん、山王工高出身、大手雑誌編集部で働いている。

沢北:アキの幼なじみ 山王工高出身 アメリカ在住


深津:東京のプロチーム所属 沢北の先輩 山王工高出身 

リョーコ:深津の幼馴染 東京プロチームのマネージャー

水原さん:アキの上司、大手雑誌編集部で働いている。

仙道: 東京のプロチーム所属

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※成人指定※

※直接的な表現ありなので、苦手な人はご遠慮ください


完全自己満、結構大人な内容ですので苦手な方はご遠慮ください。あまりバスケに触れず健全な男女として書いてます。誤字脱字あり。すみません。前回の続きです。


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「かず君、どうしたの?」
深津先輩が仕事中に電話をしてくるのは珍しい。

「あ…いや、今休憩中で」
電話の向こうから聞こえてくる声は
いつもと違う声色だった。

「そうなんだ!お疲れ様。」
でも、電話かけてくれるの嬉しい…。と思いながら
まだ居心地が悪いオフィスにいると気が重いので気持ちが楽になる。

「声、聞けて嬉しい。」
そう伝えると、いつもより歯切れが悪い返答を深津先輩に気づく。
「…何か、あった?」

「今日会えない?」

一瞬、言葉に詰まる。
平日は会えても1日なのに、そう言ってくる深津先輩に驚く。

「えっ会えるよ?」
嬉しくてつい早口で答えたあと、仙道さんとの約束を思い出す。

「ちょっと…夜遅くなっちゃうかもしれないけど大丈夫?」
私の言葉に、間があく。

「…何時位ぴょん?」
「んー。終わり次第だから、終わったら連絡するね?」

少し心が痛む。でもどうしても仙道さんと話さないといけない。と思う…。
全部言えたらいいけど、水原さんのプライベートな事だしな…。
葛藤しながら明るく伝えた。

「わかった。ずっと待ってるぴょん。」
「うん?楽しみにしてるね?」

深津先輩がそう言って電話を切った。
どうしたんだろう。と思いながら
共有廊下からオフィスへ戻ろうとする。

「いいよね。顔がちょっといいとさ。新入社員でそれってどうなの?」
「ねぇ、聞こえるって。」

すれ違う時、営業部の女性2人の会話が聞こえてくる。

え?もしかして私に言ってる…?
営業部まで話いってるんだ?
ドキドキして、もやもやする気持ち。
今日の夜、深津先輩と会えるから
それまで頑張ろう…。
今日も水原さんはお休みだった。



ボールを持ってしゃがんで項垂れる。
夜遅くなる。かぁ…。

こういう時、普通ならどうするんだ。
周りをみる。
三井と流川が目に入った。
流川は一旦置いておこう。

「三井」
「あ?」
ボールを両手で持って見つめながら
三井に話しかける。
三井にしか言えないなんて世も末だ。と思いながら人差し指を指して、しゃがんだまま近づく。

「たとえばぴょん。」
「おお。」
真剣な自分の様子に三井は前のめりになる。
「リョーコが、浮気したらどうするぴょん」
「浮気ぃ?」
一旦、宙を見る。

「ねーだろ。リョーコは俺とオメーしか男しらねーし。」
「…。」
なんてきまづい事を普通に言ってくるんだこいつは。
と思いながら、言葉を変える。

「たとえばぴょん。今日浮気相手とリョーコが会うとしたらどうするぴょん。」
「そんなの、乗り込んで行ってそいつ、ボッコボコだろ?」
即答だった。
「…。」

遠くでランニングシュートを決める、爽やかな仙道を見つめる。
俺が仙道をボッコボコ…。
と想像してみるけど、出来そうにない。
あいつはいい奴だ。

沢北ならともかく。と
頭の中で沢北をボッコボコにする。
それなら出来そうだ…。

「ボッコボコかぁ…」
そう呟くので、三井が「おめーなんか変だぞ。」と言った。

「…素手ぴょん?」
「もってった事あるのはモップだな。」
あっけらかんと答える。
「その時は女絡みじゃねーけど宮城をボッコボコよ。あと、あいつも。」
そう言って流川を指差す。

「…三井、お前よくプロになれたぴょん。」
深津は引いていた。



時間になっても仙道さんが来ない。
遅くなると深津先輩待たせちゃうしな…。

窓際の席に座ってるので、私がどこにいるか
すぐわかるはず。
そう思って外をキョロキョロする。
深津先輩と沢北で見慣れてるけど
更に大きい身長の男の人を見つけて
仙道さんだと気づく。
目立ってるけど、大丈夫かな。
幸い、夜なので人は少なかった。

「あっ、どうも。」
「遅れてごめんなさい。」
ヘラヘラした様子の仙道さんに挨拶する。

「えーっと。」そう言って私の顔を改めて見つめる。
「佐藤さんですよね?」
仙道さんは、きまづそうに頭を掻いた。
「そうです!取材ではお世話になってます。」
2人で話すのは初めてだな。と思い返せば水原さんが仙道さんによく話しかけてたなぁ。
と今やっと気づいた。
買っておいた、コーヒーを渡す。
あ、すんません。とお辞儀する仙道さん。
想像してるより、緩い雰囲気の仙道さんに拍子抜けする。
水原さん…こういう人がタイプなんだ。

「あのー、水原さんの事、なんですけど…。あの時、聞いてたよね?」
「はい。聞こえちゃって…」
思いにふけっていた所に話を振られて、慌てて答える。

少し考えて、話し始める仙道さん。
「自惚れかもしれないけど、何かあったのかなって思って…」
そう自信がない様子で私の顔色を伺う。

何から話せばいいのか。と私が口どもる。
「俺が、振られただけならいいんだけど。」
そう付け加えて仙道さんが笑った。

「…仙道さんは、水原さんの事まだ好きですよね?」
「うん。好きだよ。」
そう優しく笑ったので、切なくなる。

「私もどうしたらいいかわからないんですけど…」

深津先輩とすれ違った時は辛かった。
水原さんも同じ気持ちだって思うと涙目になる。
水原さんと仙道さんは好き同士なのに…。

「水原さんは仙道さんの事好きですよ。」
そう思い切って伝える。
絶対にこのままじゃ、いけない気がする。
2人が終わっちゃうなんて悲しすぎるよ。

そう聞いて仙道さんが、目を丸くする。
どこか自信がなかった顔で「そうかぁ。」と独り言みたいにつぶやいてため息をつく。

「多分、何かあったんだよね。でも」

そう言って外を見ながら、悲しそうな顔をする。
「俺のこと頼ってくれなかったんだなーってショックだなぁ。」

違う…違うよ。すぐに言葉が出る。
「仙道さんに…迷惑かけたくないって言ってました。」
泣いちゃだめだ。
ちゃんと伝えなきゃ。
そう思った時、タリーズの窓が急に暗くなる。
なんだろう?そう思って窓を見た。

深津先輩が窓に両手をついて、私と仙道さんを怖い顔で見下ろしている。

「あれ?深津?」
仙道さんはキョトンとしていた。
え、なんでここにいるの知ってるの?

と考えながら、今日残業で遅くなると伝えていた事を改めて思い出す。
深津先輩に悪い事しちゃった…。

しばらく目が合う。
拳で軽く窓をゴツン。とした後、私の目を見ながら店内に入ってきた。

どうしよう。なんて説明しよう。
そう思っていたら、2人がけの席の隣にある椅子を私の横に持ってきて隣に座った。

ぴったりと私の横にくっつく。
手を組んで前のめりで私の顔を見た。

「見つけたぴょん。」
そう言った顔を見て察する。
あ、怒ってる。と。

「どういうことなの?」
私の目を見て真っ直ぐ聞いてくる。

その後、眉間に皺を寄せて仙道さんを見る。
「なんで、泣かせてんの?」 

語尾ないし、めちゃくちゃ怒ってる!!
私がフリーズしてるのをよそに
仙道さんが「えーっと。」と状況を飲み込もうとする。

空気が張り詰めた。
「仙道さんにちょっと話さないといけないことがあって…」

「俺に嘘ついてまで、話さないといけない事なの?」
やばい。深津先輩の真顔めちゃくちゃ怖い。
「…ごめん。心配させたくなくて…。」

オドオドする私とのやりとりを見て、仙道さんが
口を開く。

「あっ、深津。ごめん。俺の彼女の事話してたんだ。」

深津先輩がゆっくり仙道さんの顔を見る。
「仙道の彼女ぴょん?」
仙道の彼女‥と何回も言葉にする。

「なんでアキちゃんと?」
腕を組んだまま、私を顎でさす。

「俺、佐藤さんの上司と付き合ってたんだ。」
そう言われて、ハテナマークが浮かぶ深津先輩。
「あ、水原さんね。」私が弱々しく付け足す。

それを聞いて目だけ大きくする深津先輩。
「ちょっと色々あって振られたんだけど…」そう言って頭を掻く仙道さん。

それを聞いて、前のめりだった体を深く椅子に腰掛ける深津先輩。
私の方を見ずに、手を伸ばして私のアイスコーヒーを飲む。

深津先輩が落ち着いた様子を見て
私が仙道さんに説明し始める。

状況を把握したからか、
急に連れてこられた猫みたいに
おとなしくなる深津先輩。

「あの…それで噂が会社に回っちゃって。水原さんは、大事になる前に仙道さんと別れたんだと思います。」

深津先輩がガリガリ氷を噛んでるので、
気になってチラチラ見つめる。
深津先輩…急に興味なさそうだな。と思う。

「そっか…そういう事か。」
仙道さんが独り言のように呟く。

「うちのチームの広報と、できてるのは知ってて口説いてたからそれは別にいいんだけど。」
ニコッと困ったように笑って言った。
それを聞いて、驚いたような表情の私に
「そういう人に惚れたんだから仕方ないよな〜。」と付け加えた。

横を見ると深津先輩が何故かうなづいてて
なんで、共感してるの…?と思う。
「何か起きるかな。とは思ってたけど…。広報の人もそうきたかぁ。」
マイペースな様子で遠くを見る仙道さん。

「なんで」
深津先輩が急に口を開く。
「会社の人に意地悪されてる事、言ってくれなかったの?」
両手を膝の上で合わせながら
真顔で私を見て言った。
「え…」

ため息をつく深津先輩。

「まぁ水原さんの事がきっかけだったとしても、深津先輩と付き合う時点で、もっと行動とか気をつけるべきだな。って気づけたし…」

私が答えになってない事を、苦し紛れに答える。

深津先輩が頭を掻いた。

「え、付き合ってんの?」
仙道さんが指をさして聞く。
深津先輩が何も言わずに頷く。
その様子を見てなんだか恥ずかしくなる。

「あ、だからか。」
仙道さんが急に腑に落ちたように納得する。
へ〜っと深津先輩と私を物珍しく交互に見る仙道さん。

「深津って。女に興味あったんだな。」
仙道さんがそう言ってケラケラ笑った。
その様子を眉間に皺を寄せて見る深津先輩。

「悪かったよ深津。察しが悪くて。」

「別に…いいぴょん。」
いつも通り無表情で、答える深津先輩。


「仙道さんは…これからどうしたいですか?」
「電話しても出てくんないからなぁ。水原さん。」それを聞いて悲しくなる。

もう一回付き合ってほしいな。
水原さんにはたくさん気遣ってもらったし。

そう願った。

「でも、事情はわかったよ。ありがとう。深津に怒られる覚悟で俺と会ってくれて。」
そう言って仙道さんが笑った。

ごめんなさい。怒られる覚悟はできてませんでした。
横に座る深津先輩の顔が見れない。

「ちょっと考えてみるわ。」

そう言ってお金を置いていく仙道さん。

「俺行くね。」
あっいいですよ。そう言う私を横目に手を上げてお店を出て行った。

残される私と深津先輩。
どうしよう。軽率だった。
私の配慮が足りなかった。
深津先輩を怒らせて、かなり落ち込む私。

「アキちゃん、行こ。」
そう言って深津先輩が手を引いて席から立った。

「…うん。」

喋らず先を歩く深津先輩に話しかける。
「あの、かずくんごめんね?」
そう言う私を見て立ち止まる。
「もう…絶対嘘つかない。」
どうしたら許してもらえるんだろう…。

少し間があって、目を逸らした後もう一度私を見る。

「いいぴょん。」

そう言って頭に手をポンと置く。

「アキちゃんが可愛くて、どうでもよくなった。」

いつもの無表情でそう言われて、
顔が赤くなる。
「水原さんの為、だったんでしょ?」
そう私の目を見て優しく言う深津先輩を見て
黙ってコクンと頷く。

手を下ろした後、眉尻を下げてため息をつく深津先輩。

「よかった。浮気されてなくて。」
「浮気?!」
それだけ言って、前を歩くので必死に「浮気してると思ったの?」と私が後を追いかけるけど、深津先輩は何も答えなかった。

くるっと振り返って急に顔を覗きこまれる。
「今日、俺の機嫌とってほしいぴょん。」
そう言われてドキドキして黙る。

「俺のせいで誤解されるなら、外で会わなくてもいいけど…。」

少し落ち込んだ様子で話す深津先輩。
それを見て、心が痛む。
「アキちゃんと行きたい所たくさんあるのに…。」
腰に手を当てて、足が動く。

「ムカつくぴょん。」
そう言って口元を抑える。

『深津、頑張ってアキちゃんと行くお店選んでたから。たくさんデート行ってあげてよ。』
一之倉先輩が言っていた事が頭によぎる。

悔しそうな表情で、少し怒ってる深津先輩が
意外すぎて、可愛くてドキドキする。

「私何か言われても大丈夫…。」
心変わりするには充分だった。
深津先輩の服を掴む。
そのまま、深津先輩を抱きしめた。

「かず君がしたい事しよ。」
弱気になってた自分がバカみたいだ。
深津先輩は驚いた様子だったけど、私に手を回して「…ありがとう。」と言った。

「アキちゃん…会社で大変だったね。言って欲しかったぴょん」
そう言われて腕をさすられる。
頭に横顔をすり寄せられて、気持ちが軽くなる。
「これからはいうね?」そう伝える。
抱き合ったまま、話し続ける私たち。

「でも本当、俺と付き合ってアキちゃんが辛い思いするのは嫌ぴょん」
うーん。と心配そうに唸る深津先輩。

「悪口言ってくる奴はボッコボコぴょん。」
らしくないセリフに胸の中で吹き出した。
ぷんぷん怒ってくれるのが嬉しかった。
「ははは」我慢できず笑う。

深津先輩がいたら、なんでも耐えれる気がした。
弱くもして強くもする。
人目も気にしないで、ぎゅっと抱きしめた。




沢北とも来た、行きつけの小料理屋で人を待つ。
携帯がなるので、画面を覗いた。

アキ「今日は本当に残業です。かずくんのいい記事完成させるよ。」
そうメッセージが届いてて、ふふッと笑う。

何も高校生の時と自分は変わらないのに
周りの環境や、今回のような事が起きると
大人になったと実感する。
俺は俺のやり方で、大切な事を守るよ。

遅れてきた男を待つ。

「怖坊主」
そう言われて声の方を見る。
「なんやねん。お前から呼び出すなんて。」

南と話すのは癪だ。けどしょうがない。
何も言わずに日本酒をついだ。
それを見て、南が上着を抜いで
席に腰掛ける。

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