49.スラムダンク創作山王でわちゃわちゃする話(一之倉聡)

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※スピンオフ
※48話の続き
※大人の表現ありなので、未成年の閲覧ご遠慮ください。

完全自己満、創作なので苦手な方はご遠慮ください。誤字脱字あり。すみません。


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この日の事は、今も忘れられない。

先に、一之倉が私を見つけた。

東京駅で待ち合わせしたけど、
話しかけた一之倉は
少し困った顔をしてたよね。

私が振り切るように明るく話しかけるから
眉毛を下げて安心したように返事をしてくれた。
待ち合わせをした時に話した
一言一言をまだ覚えてる。

初めて2人で乗る新幹線の中で、
大阪に着くまではしゃぐ私の話を
ずっと大好きな表情で聞いてくれた。

USJについてからは、
どうしようか。と言う私に
「ミニオン行こうよ。」そう言って手を握ってくれた。

思わず顔が緩んで、一之倉はニコニコしながら
はしゃぐ私に付き添う。

私ばかりはしゃいでいる気がして
一之倉の顔色を伺うと、列に並ぶ人が付けてる
カチューシャを目で追ってるのに気づいた。

「…カチューシャ買う?」
顔をのぞいて、恐る恐るそう聞いた。

「じゃあ、お揃いでなんかつける?」
少し考えた後、思ってもいない提案を受けて
また顔が緩む。
「うん。ミニオン乗ってから見に行こう。」
一之倉って、本当嬉しい事
言ってくれるんだよね。





「ねぇすごい怖いやつでしょ?これ」
「いや、怖いっていうか、グロい?」
段々と人が増えてきて
自然と、一之倉が近くに引き寄せる。

アトラクションの前で押し問答しながら
私は一之倉を朝より意識する。
「俺も初めてだからわかんない。」
口角を上げて、悪戯っぽく笑う。
手に持ってたチュリトスを私はギュッと握りしめた。

気づいたら一之倉が屈んで、
私が持ってるチュリトスをかじった。
少し上に持ってあげながら、顔が近くなってドキドキする。

「うん。うまいね。」
ドキドキしてるのに気づかれたくなくて
甘いの好きだもんね。と節目がちに言う。
「ねぇ、口についてるよ。」
目を逸らして教えてあげた。

そう言ったら繋いでない方の手で口を拭く。
舌でぺろっとするのを見て、
こないだのキスを思い出した。

一之倉って、あんな強引にキスするんだ…。
今日も、あんな風に求められたら。
そう考えただけで心臓がでそうになる。
そんな浮かれた気持ちと、

バイバイする日が近づく。そう冷静に考える気持ちが2つ絡み合って、私をざわつかせる。
この気持ちが
少し収まっていけばいいのにな。
そう願った。そう思わないと辛くなるから。

待ちに待っていた今日は
はしゃぎすぎた新幹線から、
好きなアトラクションに乗るまで
あっという間に時間が過ぎていく。

「チャッキー好きなの?」
「えっ。好きだよ。絵とかかっこいいじゃん。」
そう言って指差すポスターのビジュアルは
どちらかというとコミカルだった。

「イチノって、結構アメコミも詳しいね。」
「好きだからね。映画も結構見てるよ。」
思ったより一緒にはしゃいでくれる姿が嬉しかった。

「疲れてない?大丈夫?」
列に並んで順番待ちしながら
手を繋ぎながら、指を触ってそう聞いてくる。
「うん!大丈夫。」
触ってくる指を、触り返しながらそう言った。

順番待ちもあっという間な位
話したい事がたくさんあった。

「ねぇイチノ。」
「聡でいいよ本当に。」
そう言って眉を下げて笑う。
「その呼び方、高校思い出すからさ。」

「…じゃあ、聡。」
私も高校生の時を思い出した。

4個上って聞いた時すごく大人だって感じた事を思い返す。あれから、名前を呼ぶ関係性になるなんて、考えなかったな。
そう考えると、目の前にいる一之倉に急にドキドキしてくる。

「面倒見いいよね。もしかして兄弟いる?」
「いるよ。弟2人。歳離れてるから、実家に帰ったらよく車でどっか連れてってあげたりするよ。」
「想像できるね。」
だから面倒見いいんだ。なんだか腑に落ちた。

「私、末っ子だからな。」
「え、兄弟いるんだ。」
「歳離れてるけどね?お兄ちゃんいるよ?」
「お兄ちゃんかぁ。俺怒られそうだな。」
「怒られないよっ!」
目を細めて言うから、面白くなって目を合わせて笑った。

列が動くたびに、叫び声が聞こえるからビクッとする。

そんな私を見てニヤニヤする一之倉。
視線に気づいて目を逸らした。

さっきからドキドキしてるのが
バレたくなくて平常心を装う。
怖がってるんじゃなくて、
一之倉にドキドキしてるんだよ。
そう思ってたまに顔を覗いた。

辺りを見ると、日が落ち始めている。
「もう、暗くなっちゃったな。」
自然と、言葉が出た。
あ、私寂しくなってきてる…。
一之倉が心配そうに私を見た。
その視線に気づいて、話題を変える。

「あっ今日撮った写真みして?」

「写真?いいよ。」そう言って
携帯を取り出して私に画面を傾けて見せる。

スクロールする写真を見て、
ある事に気づいて顔が赤くなる。
「え…私ばっかりじゃん。」
一緒にのぞき込んでいた顔をあげて
一之倉を見つめる。
「いいじゃん。寂しくなったらミレイの事みたいし。」
目を合わせず、データフォルダをスクロールし続ける。

「もっと可愛い顔しておけばよかった…。」
なんて言ったらいいかわからなくなって
データフォルダに並ぶ子供みたいにはしゃぐ自分を見つめた。
一之倉をチラチラ見る。
表情を変えないで
「え、可愛いじゃん。」
そう言って最後の写真までスクロールして携帯をしまった。

照れて喋らなくなる私を見つめて
手を握り直した。
「終わったら、ご飯食べてホテル帰る?」
「うん。外で食べて帰ろうか。」
私が顔を見上げて目を合わせるから、
一之倉がにっこり笑った。
その笑顔にほだされて、顔がくしゃくしゃになる。
気づいたら一之倉がもうホテルを予約してくれていた。
USJ近くのオフィシャルのホテルに泊まる。
パークに入る前に、チェックインしに行った。
フロントにでっかいミニオンがいて、はしゃぐ私を見て満足そうに写真を撮っていた。
荷物預けただけですぐ、USJに来ちゃったから
ベッドの数が何個かとかもわからない。
ミニオン好きって言ったの、覚えててくれたのが嬉しかった。

今日、一緒に寝たいよ。
想像してドキドキしながら
笑う一之倉を見つめた。

甘い妄想をしていると、
アトラクションが始まって
私は最初から最後まで叫ぶ事になった。



「そっか。ホラーナイトか。」
9月でも、始まってたんだ。
パレードするゾンビの仮装を横目に見ながら帰りのゲートに向かった。
腰が引けてる私に気づいて
歩いてる場所を変えてくれる。
「…ありがと。」
「ミレイの叫び声でかかったなー。」
急に思い出し笑いをして
私の腰に手を回してはぐれないようにする。

「だって、怖かったんだもん。」
距離の近さにドキドキしながら、まわされた手を意識した。
「あ。」
一之倉が急に立ち止まって、声を出す。
「どうしたの?」
そういうと腰に手を回したまま、携帯を構える。

「2人で撮ってない。」
そう言って携帯のカメラで撮ろうとするから
「ちょっとまって。」
そう言って顔を近づけて前髪を直した。

「ゾンビの人とスリーショットになっちゃったね。」
撮り終わった写真を見て、写り込んだゾンビを見て笑った。

「その写真ちょうだい…?」
「俺、ミレイのLINE知らないのか。」
写真から目を離してキョトンとして言う。
なんて言っていいかわからなくて、
恐る恐るうなづいた。

「後でおしえて。送るから。」
「うん。」
当たり前のやり取りなのに
こういう時、私達は出会ったばっかりなんだ。と認識する。
1年前から知ってたのにね。
始まったばかりの私たちが
10月に終わってしまうかは
まだ誰にもわからない。

急に切なくなって
「あ、もう一枚一緒に撮ろう?」大きな声で言った。
寂しそうな私を見て「うん。撮ろ。」
一之倉が前を指差す。

「地球儀のところで撮ろうか?」
夜は地球儀を囲む噴水が綺麗で
ロマンチックに見えた。
2人で地球儀の前に立つ。
少し風が強い。
噴水から飛んでくる水飛沫で顔が濡れた。

並んで見ると、意外と身長差があって
カメラを持つ手を一生懸命上にかざした。
「俺、持ってあげるよ。」
一之倉が私が持つ携帯に手を伸ばす。
「ありがとう。逆光だね。」
水飛沫で思わず目を瞑った。
そう言いながら一之倉の方を見た時
一之倉がカメラを手に取って動くから
唇が頬につく。

きょとんとしてこっちを振り返るから
「え、ごめ。」
顔を真っ赤にして謝った。
私の顔を見て、一之倉が眉尻を下げて口が緩む。
ちゅっと私の頬にキスをした。

「全然、謝らなくていいよ。」
そう言って笑って手を握る。

恥ずかしくて写真を撮るのを中断して
ご飯の場所に向かった。



「部屋、可愛い。」
ミニオンだらけのロビーで散々写真を撮った後
部屋に入ると、雑踏からの急な静けさで少し寂しい。
でも、それが一層一之倉を意識した。

「楽しかったねー」
そう言って、一之倉が部屋についているソファーに腰掛ける。
ベットは広めのツインだった。
なんだ、1つのベットじゃないんだ?
一緒に寝たくてがっかりする反面
何かあって欲しくて期待する。

「お風呂先に入っていい?」
荷物をほどきながらソファーで携帯を
いじっている一之倉に話しかける。
「いいよ。俺お風呂すぐだし。」
上着を脱ぐ姿に見惚れる。

内心ドキドキして、お風呂場に向かった。
一之倉、全然意識してなさそう…!
そう思って1人だけ緊張してるのが恥ずかしくなった。
まぁ、一緒に泊まるのはこれが初めてじゃないしな…。

こないだ、一之倉から急にされたキスを思い出す。
動揺する気持ちを抑えたくてシャワーの蛇口を一気に開けた。


備え付けのワンピースパジャマを着て
お風呂場から出てくると
一之倉がしばらく私を見つめた。

「俺も風呂入る」
そう言って立ち上がるから
平常心を装って見送る。

「え。」
声がしたので振り返った。
「ねぇ、何泊するの?」
お風呂場を指差して笑う。
「え?なに?」
私がお風呂場を一緒に覗くと
出しっぱなしの大量のコスメとコテが散らかっていて
やばい。私気合い入りすぎ?そう思って
中に入って片付ける。
「下着も、しまったら?」
「…ごめん。忘れてた。」

恥ずかしくて、顔を見れなくてそのまま
パタパタとお風呂場を後にする。

「やば。超ミレイのにおいする。」
お風呂場に1人残された
一之倉がそうつぶやいて
頭を掻きむしった。


お風呂をでたらソファーに座って
2人で仲良くテレビを見て
あたりさわりのない事を言って笑い合う。
一緒に住んだらこんな感じなのかな。と想像した。

「明日、はやいから寝る?」
ソファーに頬杖をつきながらそう言われて
「そうだね。」と内心寂しくなりながら
立ち上がる一之倉を見上げる。

「聡の髪、セットしてないの初めて見た。」
え?そうだっけ?、そう言って一之倉が少し恥ずかしそうに前髪をわしゃわしゃする。

「なんか…自然に聡って呼ばれると照れるね。」
立ち上がったまま、目を細めて顔を赤らめた。
絶妙な間があって、
一之倉は目を逸らして、口を手で覆ってベッドに向かう。
その様子を見て、今日も何もしてくれないんだ。とかたをおとす。

目で追ってると横になって
「ミレイ、おやすみ。」
ベッドまで歩いてきた私を見上げて言った。

後、何回この声を直接聞けるんだろう。

いつも電話で聞いていた声を
目の前で顔を見ながら
聞けた事が嬉しくて
思わず一之倉に近づく。

一之倉のベッドに腰掛けた。
私を目を丸くして見上げる。

手を伸ばして、ベッドの横にある
電気のスイッチを消す。

「まだ、寝たくない。」
座ったまま、目を見て言った。

暗くなった部屋に声だけが響く。
電気の音だけが聞こえて
返事のない時間がこそばゆい。

私の行動は、言葉とは矛盾してた。

一之倉は相変わらず、横になったままで
私の手を触りだす。
「俺、怖いんだ。」
ドキッとした。
「怖い?」

触られた手を、触り返して手を繋いだ。
「初めてミレイを見た時から、ずっと怖いよ。」
「なにそれ、オバケみたいだよ。」

急におかしくなってふふッと笑った。
「違くて。」そう言って恥ずかしそうにする。

「一回しか言わないから、聞いて。」
そう言う一之倉の目を見る。
いつもの目で私を見つめる。
会った時から、私も。ずっと怖いよ。
一之倉が手を離して、手の甲で目を隠した。

「好きなんだよ。」
そう言った後、手を外して私を細い目で見つめる。
「遠くに行って、ミレイに忘れられたくない。本当は。」

なんだか、幸せで泣きたくなった。
私もわからないよ。
起きてない未来はどうなるのか。

「…私、忘れちゃうかも。」そう小さく言った。

はぁ?という顔をする一之倉を見て
眉毛を下げて口角を上げた。
一之倉ってこういうところあるよね。

「だから、私に革命を起こしてよ。」
離された手を手繰り寄せる。

「誰と何してても、思い出しちゃう位の。」
何度でも、見つけるから一之倉を。
また、離れても。
だから、私を一之倉でいっぱいにしてほしい。

「何それ…。超ハードルあげるじゃん。」
一之倉がゆっくり体を起き上がらせる。

困ったように笑った後、私の頬を触った。
ビクッとする私を見て
最初より優しく触れて、髪を耳にかけた。

閉じ忘れたカーテンの隙間から月明かりがさして
一之倉の右目だけ線になって照らす。
待てないように、黒目が揺れる。

「言ってよ。俺の聞きたい事。」
そう言って、目を伏せたあと
頬を撫でてた指が私の顎を掴んだ。
また、あの目で見つめられる。
もう、何も怖くないよ。

「本当わかってないよ。こんなに聡の事、ずっと大好きなのに。」

知らない内に一筋涙が流れた。
心の中でたくさん伝えてたから。
一之倉が顔を傾けて、私の唇を包み込んだ。
右手にさしていた線はきっと
私の頬にもさして、
月明かりは私たちを一緒にした。

深く深くキスをして、段々頭がボーッとしてきた私の唇を吸いながら舌が入ってきて
ドキドキが止まらない。

一之倉の手が下に降りて、ボタンを1つずつ外す。
肩からパジャマが滑り落ちて
下着になる私を、暗がりの中で一度
上から下まで見つめる。

私が手を伸ばして一之倉のパジャマのボタンを外しだすのを何も言わずに一之倉が、
襟から引っ張ってパジャマを脱ぐ。

初めて近くで見る上半身に目が逸せなくなる。
自分とは体の作りが違すぎて、
一気に緊張した。

固まる私の顔に両手で手を回す。
優しくキスされて、目を見ながら
優しく押し倒される。

行き場のない手をお腹に伸ばした。
「聡って、お腹割れてるよね」
緊張して話しだす。
シックスパックのお腹を撫でた。
「高校の時も…家で見た。」
「俺が着替えるとこ見てたの?スケベじゃん。」
そう言って少し笑う一之倉の顔を見ながら
上目遣いで呟く。
「触りたかったよ。ずっと。」
そう言った後、恥ずかしそうにする私を見て
一瞬固まる。

「…俺も。ずっとこうしたかった。」
私の顔がくしゃくしゃになるのを見て
一之倉も顔を赤くして眉間に皺を寄せた。

唇を押し当てて、一之倉がそれに答える。
息が漏れて舌が入ってきて、散々絡ませた後
一之倉が首筋に舌を這わせた。

背中に手をまわされてホックを外される。
本当に裸見られちゃう…。
ドキドキして急に恥ずかしくなって
「私、多分上手じゃない。」と口走っていた。

私がそう言ったのを耳元で聞いて
一之倉が首筋から胸に移動して、
何度も舐める。
ビクビクする私の反応を見て
「初めてじゃないの、嫉妬するなぁ。」
「えっ?」
胸の1番気持ちいい所を甘噛みされて、吸われる。
大きめな声が出て、口を抑えた。
その反応を見て片方の手で胸を揉まれる。

「あれから、会った?吉原君と。」
意地悪く聞かれる。
初体験の男の子の名前出さないでほしい…。

余裕がなくて、首を横に振る。
その間胸を触っていた手がお腹に伸びて
撫でるから、次にされる事を妄想して
声が止まらない。

「こういう事された?」耳元で囁きながら
手が下着に入ってきて、指が下半身を撫でる。
反応して、大きな声がでる。

その様子を見て人差し指でずっと気持ちいい所を撫でられる。
「…好きなのは聡だよ。」
やっとそう言うと、顔を一瞥してキスをして、下唇から吸われて舌が入ってくる。
なんだか嬉しそうな一之倉を見て安心する。

その間もずっと人差し指は今まで感じた事ない部分を撫でていて、キスしてると、もっと声が出た。
喘いでる私を満足そうに見て、また胸を舐めるから
思わず頭に手をまわした。
その時履いていた下着を下におろされて
一気にまた緊張する。
心臓がバクバクうるさい。

「嫌な事あったら教えて?」
少し不安そうに見る目が私を安心させた。
「なにも嫌じゃないよ。」

一之倉がなんとも言えない顔をして眉を下げるから
なんだか幸せな気分になる。

「嫌われないと、いいな。」
そう言って足元まで下着をおろして
私の太ももを掴んだ。
「あ、えっ。」言ったそばからちょっと動揺する。
舐められた所がないところを舐められて
恥ずかしくて声が出た。
私の反応を見て、同時に指が入ってくる。
優しいけど、ゆっくり舌が上下するから
変な気持ちになる。
私、どうかしちゃうかもしれない。

「あっ…」体がのけぞって
私の手を一之倉が手を伸ばして握る。
少し舌が激しくなって、指がもっと入ってきて
息が荒くなる。
急に思いっきり吸われるから、腰が痙攣する。
その様子を見て、一之倉がまたゆっくり愛撫する。
しばらく繰り返して、私はクラクラして
痙攣の感覚が短くなるのを感じた。
「ねぇ…もう恥ずかしくて無理。」
「もうちょっと…。」
舌を出したまま上目遣いでそう言うからゾクゾクした。
顔を横に倒しながら悶える。

「舐めすぎ…」息が切れながらやっと伝える。

「俺、舐めるの好きなんだよね。」
そう言われて、また波がくる。
こんなに気持ちいいって知らなかった。

「もう…おかしくなりそう。」
私の声がうるさく響いて一之倉は満足そうに指を抜いた。
「ごめん。可愛くて。」
そう言って起き上がる。
手を私の顔の横について
片方の手で太ももを持たれる。
久しぶりに顔を見て、首に手を回した。
「キスして」そうねだると
またキスをしてくれた。
「好き…」
急にそう言われて、
「私も。」目を見開いて言ったけど
一之倉が少しずつ入ってきて声にならない声がでる。
一之倉の息が漏れるのを感じて、
見た事ない表情に嬉しくなって、
もっと気持ちよくなる。
セックスが痛くないって事知らなかった。
そう思っていると腰が近付いて
「痛い?」そう聞かれて首を振った。

私、一之倉とセックスしてるんだ。

改めてそう思ったら
思いっきりドキドキして
幸せで怖くなった。
奥まで受け入れたら
一つになった気がして、思いっきり密着し合う肌を楽しむ。
しばらく抱きしめ合って、目が合うと
腰を打ちつけられて
さっきとは違う快感に、また波がきて
どうしていいかわからなくなる。

「やっば。」
困っていると一之倉が私の腰に手を回して
もっと引き寄せて激しく動かれるから
今までより大きな声が出る。

私の顔色を伺うと
オデコにチューをして
繋がった状態で体を引っ張り起こされる。
私の頭が一之倉より高くなって
手を伸ばして頭を撫でられた。
そのままキスをされて腰を擦り合わせられて
波が来た後で、ガクガクする体を支えられて
体を密着させられる。

息が切れている私を抱えて
散々甘ったるいキスをする。
こんなに、滅茶苦茶になるセックスは初めてだった。
「あっ、もう変…」
「またいく?」
髪の毛に手をまわして、何度もキスしながら
顔が傾けて言った。
そう聞かれて私、いってるんだ。と気づく。
一呼吸おいてうなづいた。

舌を絡めながら、胸の真ん中を親指で擦られる。
ビクッとすると、そのままゆっくり倒されて
片足を持たれて寝ながら腰を動かされる。
前から手をまわされて、同時に指で下半身を触られる。

「俺…遅いから、痛かったら言って。」
聞かれた事をあまり、汲み取れなかったけど
喘ぎながらうなづく。
少し眉間に皺を寄せて、男らしい顔を見て
さらにドキドキする。全然息切れしてないな。
「気持ちいいから、大丈夫」
なんとも言えない顔をして、キスをされた。

「…じゃあ、もっと喘がしたい。」

ゾクゾクして何も言えなくなってると
うつ伏せにされて、一之倉が寝たまま
密着して後ろから突いてくる。

思ったより太い腕が顔の横に置かれて
顔を後ろに向かせてキスをする。
そのまま満足するまでストロークされて
ずっと抱かれ続けた。



私の頭をずっと撫でるから
「ねぇ…そんなに見られたら恥ずかしいよ。」
そう言って一之倉の手をとった。
立ち肘をして私の顔を見ながら「そうなの?」と言って抱きしめる。

「いや、ちょっとやり過ぎたかなって。」
「…なんか全身筋肉痛になりそう。」

そう言って上目遣いで反省する一之倉をみる。
申し訳なさそうに、また頭を撫でるから
おかしくなって笑う。
ブランケットから出した足を見る。
一之倉の足と見比べた。
足の大きさが全然違う。
「足、大きい。何センチ?」
「ん?28」
「えっ大きいね。」
足をパタパタさせながら驚いた。
並んだ足を見てたら寂しさが湧き上がった。

「なんで…アメリカ行かないって言ったの?」
「…いや。」立ち肘を解いて、私の方を向く。
「文化祭で会った時、もう逃げられないって思ったから。自分の気持ちから。」

怖い。そう言う一之倉を思い返す。
「でも、嬉しかったよ。行かないって言ってくれて…。」

「なんで…ミレイは行ってきてって言ってくれるの?」

「聡の、試合見たから。」

私が言ったことを考えてから遅れて反応する。
「え?きてくれたの?」
うん。とうなづく。
言ってくれればいいのに。
そう呟く一之倉に微笑む。
少し恥ずかしそうだった。

「文化祭の私見たら、話しかけれなかったって聡言ったでしょ。私も気持ちわかった。」

手を握って、寂しい気持ちが溢れるから無理に笑った。

「バスケしてる聡、凄い格好よかったよ。
あそこが聡のいる場所なんだなって思った。」

頭の中でメンバーに声がけして
プレーする一之倉の真剣な眼差しを思い出す。
あの真剣さに、見に覚えがあった。
私もそうだから。
真剣さを試したくなる。
刺激を受けてもまた形を変えて、きっとまた元に戻れるから。
一之倉の一生懸命さが私の心を動かした。

今の私達は一緒にいたら、絆されてしまう。
惹かれ合ってこのままでもいいって
思っちゃうんだ。

黒目が動く一之倉の顔を見た。
だから精一杯格好つける。

「アメリカ、行ってきなよ。」
「…格好いいなぁ、本当に。」

眉尻を下げて困ったように笑う。
きっと強がりに気づいてるよね。
一之倉と手を繋いで、裸で見つめ合う。

「まとまらないうちに、正直に伝えてくる所好きだよ。」
「え…それ褒めてる?」
褒めてる褒めてる。と目を細めて笑う。
笑う一之倉が愛しくて愛しくて
胸が苦しくなった。
私の散らかった気持ちをいつも上手に拾い集めてくれる。

「挑戦して夢中になって、失敗しても自分がいいと思えればいいんだよ!」
そう伝えて、何故か泣けてくる。

「アメリカに行っても、聡の目に届くようなデザイナーになるよ私。」
「どこに行っても、届くよ。」
弾けるように笑うから、切なくなる。

心臓の音がうるさくて意味もないのに
ブランケットを手繰り寄せて隠す。
視線がずらせない。
頭を撫でる大きな手。
大好きなニオイがした。
私は一之倉にずっと恋をしている。

時間は巻き戻せなくて
この瞬間の完璧さだけが
私をまだ、ときめかせてる。



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