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Tomorrow 「原題:DEMAIN(2015)」

青山のイメージフォーラムでやっているドキュメンタリー映画「Tommorw パーマネントライフを探して」を見てきました。
フィンランドの教育についてのアンテナをはっていたらひっかかったので。

映画は、ドキュメンタリーになっていて、スタートは、スタンフォード大学の教授へのインタビューから。
エリザベス・ハドリー(生物学者)、とそのパートナーのアンソニー・バルノスキー(生物学者)「Explosive Population Growth Fueling Inevitable Crash of Human Species」この発表を2012年に聞いたフランスの女優・監督の方が、「このままのライフスタイルを続けると、遅かれ早かれ滅亡する」という内容に驚き、自分の子供世代のために何ができるのかと世界の権威や都市、団体を訪ねて行きます。

1章「食」AGLICULTURE
3つの都市とその取り組みについて。
デトロイト(米)自動車産業の衰退により人口が激減。空いた土地を活用し野菜を育て自給自足を行っているというもの(URban Farm)
トランプ大統領になって、自国でまた自動車産業を!となった時どうなるのか気になりました。
空いたスペースの活用 トッドモーデン(英)花壇や道路の脇、空いたところにハーブやら実のなるものをどんどん植えていく(Incredible Edible)。始めた頃は、許可は?など疑いの目で見ていた町の人たちも、全員参加。菜園することで、コミュニケーションも生まれ、活気付いているようです。
警察官とおばちゃんの会話が印象的で「警察署の野菜、勝手に持ってっちゃっていいのよ!(笑)」と楽しそうです。
ル・ベック・エルアン(仏) 農薬不使用、一種類だけ植えない、機械も使わない。で豊かな農園を作り上げる(PermaCulture)。葡萄棚で適度な日陰を作り、その下にトマト。さらに虫除けにバジルも一緒に。多様性を保つことで土地に活力も与えるようです。とても綺麗で豊かな農園でした。

2章「エネルギー」ENERGY
再生可能でクリーンなエネルギーでの生活について、4つの都市を。
コペンハーゲン(丹)は、風力、地熱を活用し、企業もバイオマスに切り替え。(Carbon neutral)2025年までに 100%のカーボンニュートラルを目指すと。
レイキャビック(氷)こちら、火山国家を生かしての地熱利用。1970年のオイルショックを機にエネルギー政策を転換したと。
レユニオン島(仏領)、温室の屋根にソーラーパネルを取り付けることで島内の35%のエネルギーをまかなう。「太陽から請求書はこないからね!」と農地の利用ということでアグリ・エネルギーというそうです。
サンフランシスコ(米) ゴミの80%をリサイクル。将来的はゼロにすると(ZeroWaste)。リサイクルに協力する企業には優遇措置も取られるということで、割と積極的なもよう。最後生ゴミは、堆肥となり畑にまかれていたけれど、あれ葡萄畑っぽいな。

3章「経済」(ECONOMY)
環境に配慮する努力をすれば、コスト削減にもつながり雇用を生む。というのはリール(仏)の封筒制作の会社。段ボール箱に製品を詰めていた時は、何個も段ボールを使っていたのを、封筒を輪っかのように連ねて筒みたいにすることで、使わなくて済むようになったと。(イメージ浮かない場合は、映画を見て!)これをエコロノミーというそうです。エコロジーとエコノミーの合わせ。
地域通貨については、ブリストル(英)、バーゼル(瑞)、トットネス(英)から。
ブリストルはでは、町で使えるブリストル・ポンドを発行。輸送時間の短縮が図れること、地域の企業に収入が入ることで地産地消のサイクルになっていると(Green Economy)
バーゼルは、無利子の貸付ができるWIR通貨(補完通貨)が存在。恐慌で銀行が貸せなくなった状態でも、助け合えるようにとつくられたそうです。
トットネスは、トランジッション・ネットワークの町。土地や農地を持ってない人に貸し、共有。脱石油を目指すコミュニティとなっているようです。最近では、トッドネス・ポンドという地域通貨(ブリストルの成功例)の導入にまで至っているようです。
オークランド(米)は、起業家のネットワークについて。地域✖️起業家により雇用を生み出すことと資金調達を達成することに取り組んでいると。

4章「民主主義」DEMOCRACY
レイキャビックでは、2008年の大恐慌に国に騙された!という過ちから監視をするという組織を作ったと。対象は政治家、銀行、大企業。市民により憲法が作られ(公明正大に)、国会に提出。保守派による反対にあったようで、今はどういう状況なのかな?
カザンバッカム(印)教科書にある通り、印度にはカースト制があります。ですが、このカザンバッカムという村では、すべての階層から選出された人による議論する場=ブラムサバがあります。村長は、不可触民の出身の村長。
村民の提案→村長計画→計画を村民が承認 という合意形成の元で組織が成り立っていると。他の村からも手法を学びにたくさんの人が来ているそうです。

5章「教育」EDUCATION
ヘルシンキ(分)OECDの学力調査でもトップを飾る国。教えるという方針の学校から、学び方を学ぶ という学校に。少人数の教室に先生が2名。床に寝っ転がったり、自由な雰囲気(最低限のルールはあるようですけど、あれるような児童はなし)。テストはそんなになく、詰め込みの教育システムとはだいぶ違うなと。学び方って重要ですね。大人になったら誰も教えてくれないし、答えが落ちてるわけでもない。

2時間とちょっと長いですが、おしゃれな音楽と映像(さすがフランス?)
テーマがいくつもあり、DVDやレンタルになったら、みんなで見てワイワイ話し合うのも楽しそうな内容です。
東京は、渋谷の劇場ですが全国にも展開するようですのでスケジュールチェックしてみてくださいませ。
(日本でも取り組みをしていない人はいないと思うけど、ドキュメンタリーにどこもでて来ないってのは、やっぱりマイナスイメージを持たれてるのかなぁと思いました。)

http://www.cetera.co.jp/tomorrow/




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