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お喋りは続く。どこまでも。
文章を書くのが面倒くさい。書きたいことがないわけではないけれど、勢いで書くと支離滅裂になるし、あれこれ言葉を選んでいるとすぐに熱が冷めてゴミ箱に放り込んでしまう。
先日、久しぶりに会った友達とお喋りした。話したいことはたくさんあって、食事を平らげて紅茶を飲み、何度も水を注がれたコップが空になってもなお勢いは止まらずに喋り続けた。
お喋りは、言葉に加えて表情や身振りや口調で補えるし、すぐに言い直せるから気楽だ。後から喋りすぎたかなーと反省することもあるけど、たいてい数日後には忘れている。
そう、忘れてしまう。
楽しかったなーと思い出してほんわかした気持ちになれたら、それで十分な気もするけれど、もう少し具体的に思い出せたら、もっと楽しめるかもしれない。面倒くささをちょっと横によけて、お喋りしたあれこれの一片を記録しておこうと思った。
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年末、予定が真っ白な休日に『ウソ婚』というテレビドラマを一気見した。現役アイドルや元アイドルやモデルが並ぶメインキャストに「ウソから始まる甘酸っぱくてオトナなラブコメディー!」というキャッチコピー。私にとってそれほど引きのある情報ではなかったけれど、一話見てみたら、映像の綺麗さや人物描写の丁寧さにぐいっと引き込まれていった。
原作(レディコミ)とはかなりテイストが違っていて、ヒューマンドラマというほうがしっくりくる。人間はどういう時にウソをつくのか、何のためにウソをつくのか、ウソは何を生み出すのか…「ウソ」を色んな側面から描いていて、展開も見事でとても見応えある作品だった。
22分×12話と比較的短く、今はU-NEXTやFODで全話見れるので、よかったら見てみてほしい。オススメ。
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私のアンテナが拾いそうにない『ウソ婚』を知ったきっかけは『無限まやかし』というPodcastだ。芸人(他肩書き多数)の大島育宙さんと脚本家の高野水登さんが、映画やドラマや漫画や小説など様々な作品についてとめどなく話している。どちらも大量の作品を観てるけれど何を観てきたかは違っていて、それぞれの着眼点が面白い上に、とても丁寧に言葉を扱っているので心地よい。
作品について語る回のほかに、テーマトークの回も豊富にある。サイゼリアでのデート論争についてとか、創作論についてとか、あちこちで話し尽くされているだろう話題も多いけれど、その問い自体の切り口が新鮮で、約30分ほどのトークの中で片方が持ち寄った問いの真意を二人で認識合わせするのに10分くらいかかることもある。「ああそういうことか!」と問いを整理したら、怒涛の展開で思いもしないエンディングへ向かう。
テーマトークの回だけでも一度聴いてみてほしい。オススメ。
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『無限まやかし』はYouTubeでも配信されていて、たまたま観ていた作品の感想回が目に入って聴いたことはあったけれど、これをきっかけにドラマを観たのは今回が初だった。
昨秋に放送されていた『いちばんすきな花』というドラマだ。第一回の感想回を聴いてすぐにTverで観て、そのまま最終回まで浸り続けた。二人の感想回は一話終えるごとに約30分×5回の長尺で、それでもまだ語り足りなさそうな勢いは最終回まで萎むことがなかった。
自分がすごく面倒くさい性格で、他人にとってはどうでも良さそうなことを気にしすぎて生きづらくて、そんなこと分かっててもそのまま生きていくしかなくて……。グルグル繰り返す日常にドラマならではの偶然で物語が展開し、主人公たちの視点に入り込んだり、彼らの外側からの視点に誘導されたりして、後半は毎週リアタイ視聴を待ちわびるほどだった。
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オススメをシェアし合うお喋りは止まらない。面白かった本、イベント、番組、これから見ようと思ってる映画、ドラマ、行きたい場所、やりたいこと。零れ落ちるものもたくさんあるけれど、たった一つでも新しい扉が開けたら十分だと思っている。そしてまた次のお喋りに花を咲かせたらいい。
📌オススメリスト
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