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干し柿作業とデジタルデトックス(映画:ブラッド・ダイヤモンドの話もあるよ)

 秋といえば、柿。その中でも、渋くてそのままでは食べれたもんじゃない渋柿。これの皮を剥いて干すと、乾燥と同時に渋も抜けて、トロッと甘いデザートの完成。
 小さいころからちょこちょこ食卓に並んでいた記憶があるが、いかんせん食感が苦手で受け付けなかった。その記憶のせいか、今もほとんど口にしない。

 しかし、今年に限ってはなんだか美味しく食べられそうな気がしている。
 今年の春から本格的に田舎にUターンをし生活しているが、一年目にして存分に四季の移ろいを肌で感じている。そんな中の一つが"干し柿"であり、いろんなマインドの変化も踏まえて、そんな気持ちになっているのだろう。

<干し柿プロセス>
①山に渋柿を取りに行く(withおばあちゃん)
②柿のヘタについた枝はT字に残す
③取ってきた渋柿を保管する場合は、ヘタから水分が蒸散するため、保湿に気をつける
少量の場合は冷蔵庫
④ヘタの周りの葉っぱをむしって、皮を剥く
ピーラーを上手に使うと効率が良かった
⑤紐を結びつける
結びつける紐は、あらかじめカウボーイのロープのように引っ張ると閉まるような結び方にする
⑥熱湯に5秒ほど付ける
⑦雨と直射日光が当たらない、風通しの良いところに干す(意外と無い)
⑧雨の日は屋内にしまうか、焼酎をぶっかけるなどしてカビ対策を怠らない
⑨あとは好みのタイミングで引き上げ、すぐに食べない場合は冷凍保存

ざっとこんな感じだろうか。

 さて、余談だが、今そこそこフリーランスの方の仕事が立て込んでおり、うかうかしてられない状況にある。そのため、パソコン仕事に疲れたら柿剥き。柿剥きに疲れたらパソコン仕事の連続だった。これが一見ハードに見えて、実はとてもリフレッシュになってむしろ効率がよい気がしている。
 なんだか、今の働き方はとても充実している。実際問題、まだまだ収入は安定しないけども、理想型に近いて来ている気がする。もちろん頭と身体は疲れるが、心が満たされている感覚はある。

 そしてもう一つ、ビートたけしが自給自足をしている人に対して、「お前らは自分の事だけよければいいのか!納税しろ!」と言っていたらしい。確かになぁ、と思った。
 一方で、納税すると人の役に立てるのかとも思った。一方で、納税していれば人の役に立っているということでいいのか?とも思った。
 そんなことでグルグルしている時に、"ブラッド・ダイヤモンド"という映画を見た。アフリカにおける、ダイヤモンドを巡る利権争いの紛争を描いた映画である。
 その映画のエンディングで、「消費者が選ぶことで、戦争は止められる。」といったニュアンスの文言がテロップで表示された。つまり、莫大な富を得て、納税して多大な社会貢献した善人の気分になれるかも知れない。
 けれど、その富の源泉がアフリカのダイアモンドだったらどうだろうか。その得たお金の次に行きどころが、宝石店に並ぶアフリカのダイヤモンドだったらどうだろうか。

 もちろん、税金で救える命があるかも知れない。一方で、失われる命があるかもしれない。富の一極集中は、色濃い光と影を生むように思う。それより僕は、最低限の消費活動で、自分自身とその周りを間違いなく幸せに出来ている方が、よっぽど永続的だと感じる。そして、人間だけでなく、他の生命の小さな声にも耳を傾けられると感じる。

 大きな耳では聞こえない声がある。だけど、小さな耳が集まれば、ほんの小さな声にも耳を傾けられると思う。

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