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#01【好き道楽】あるだけ気分上がるぜ。~ウェッジウッドフェスティビティ~

はじめまして。磯友といいます。
好きなものを語る訓練をしようと思い至ってnoteを始めてみました。
私が文章を書くとき、使う単語と表したい感情がちぐはぐというか、単語に対して感情が幼稚な傾向にあります。ともかく文量をこなすことで、その段差の合間のちょうどいい所を見つけられるんじゃないかと期待しています。よろしくお願いします。


ウェッジウッドへの憧憬

ブランド物の食器を暮らしに取り入れたい。
いよいよ一人暮らしが現実的になってきた段階でつよく感じた欲のひとつである。財布や手持ち鞄にそういう執着を抱いたことはなかったが、食器はいい物がいいものが欲しいと思った。どうしてだろう。服飾よりも自分の領分に近い感覚があるのか。気持ちの裏側に「ホンモノ」を持ちたい感覚はあったが、装飾品よりも食器のほうにそれを切に感じた。何とも見栄っ張りな欲望だが、とにかく、いい食器に囲まれた丁寧っぽい暮らしがしたくて躍起になっていたように思う。

ブランド食器として即座に思い浮かんだのがウェッジウッドだ。実家でケーキが出てくるようなとき、それは大体何か祝い事があるときだが、ケーキと一緒に卓に並んでいたのがウェッジウッドのワイルドストロベリーのカップに淹れられた紅茶である。母が購入したもので、ずっと家にあり、食器棚の奥の方にしまわれて、ハレの日だけ出てくる。そんなわけで、祝い事のイメージとウェッジウッドのイメージが、私の中では温かい空気と冷たい空気の境目が馴染むようにあいまいに、ぼんやりと結びついていた。ウェッジウッドが欲しいと思ったのは、その「めでたさ」の空気に惹かれたからなのかもしれない。

フェスティビティとの出会い

欲しい!と思ってからは、連日公式HPに張り付いて器を見ていた。まだ部屋も決まってなかったのに、自分の選んだ食器に囲まれ、白く明るい自然光に包まれたような生活の事しか頭になかった。見るだけでなく購入が決まっているから、選ぶ目にも緊張があった。今回の用途はハレの日用ではない。普段使いの器なのだから、飽きのこなそうななるべくどんな料理にも合うデザインがよかった。この時初めて知ったのだが、ウェッジウッドはワイルドストロベリーだけではないのだ。ワイルドストロベリーはあくまでブランドの中の「パターン」の一つであり、他にも名のあるパターンが沢山ある。その中の一つがフェスティビティだ。

フェスティビティの特徴的なところは、絵付けではなくエンボスのような凸で柄を表現している点だと思う。それで綱や果実などが模様的に表現されている。器に掛かっている釉薬は少し照りがあり、アイボリー、水色、変わりものではピンクがある。このエンボス(技法はエンボスじゃないかもしれないがそれしか言葉を知らないのでこのまま行かせていただきたい。)のおかげで、華やかさはありつつも、基本的に一色の釉薬で仕上げているため色彩的な混乱がない。厳密には、エンボスの境目の釉薬の掛かり方で色むらができるので色彩のブレはあるが、基本同じ色なので安心する。
ブランドなので価格が気になるところだが、このパターンは大丈夫だ。いわゆるカジュアルライン。普段使いしてほしいというメーカーの気概を感じる。使わない手はないよね! パターンを超えて商品ページを片っ端から読み漁った結果、フェスティビティの購入を決めた。カジュアルとはいえ背伸びしていることに変わりはないが、身の丈に合った安心感が決め手だったと思う。

使ってみてどうか

一人暮らし開始から、現時点で約1年半強が経過している。
その間で追加戦士(やはりどうしても手元に置きたいと戀願われて迎えられたワイルドストロベリーのカップ)も加わったが、開始当初から連れ添った器メンバーを紹介したい。全部フェスティビティだ。

  • プレート21㎝(アイボリー・ブルー)ペア

  • アイボリーホール22㎝(カレー皿だ)

カレー皿は実はあまり出番がない(汁物ご飯系を食べる機会が少ない)のだが、プレートの方は大活躍している。洋の食べ物はほぼなんにでも合うし、和のものも案外行ける。日本人の一人暮らしなのだから普段使いの皿は和ものに合うほうがよかったんじゃないのか…と使うまで少し不安に思っていたが、見事に杞憂だった。食器と乗せるものとのペアリングを楽しむような通の人に見せるには少し躊躇するが、私は、思ったより行けると思った。
ペアで色違いの皿を買ったのも正解だった。料理するとき、たいてい1人前以上は作るので均等にとりわけやすいし、他の器との色味の相性を考えて使い分けできるのがよい。一緒に使うと統一感が出るので、人が来たときの食事にも重宝する。というか、揃いで持っていると人が来たときにつよく輝く器だと思った。
不便を感じる点としては、21cmだとトーストのふちが皿をぐるっと巻いているエンボス模様に掛かってしまうことか。でもそれは皿のサイズ選びの問題であって、食器側の欠陥ではない。


カジキソテーを載せられているフェスティビティ。

紹介するなら、こんな感じだと思う。カジュアルラインの強みは、ガンガン使い倒すのに気兼ねがいらないところだ。ガンガンという言葉が呼び起こすほど乱暴に扱っていない(つもりだ)が、普通に1年半使っていて、染みがついたとか傷ついた様子はない。21㎝プレートは本当に使い勝手がよく、重出勤の皿なので、いつもキッチンの皿乾かしゾーンを陣取っている。出番がすぐ来るので仕舞われていない。そのまま立てておいても絵になるのがよい器だ。見目がよいので、購入を検討している人には、ぜひ縦に並べる乾燥・収納場所を作るのをお勧めする。

さいごに

普段使いの器に老舗食器メーカーの食器を抜擢するのは、ちょっとした楽しみだと思った。老舗の名盤商品にはメーカー自身の哲学とか精神が蓄積されて籠っているように感じ、暮らしの中でその一端に触れるような出来事があると、私は少し立ち止まって嘆息する。
そういう機会をくれたのが、ウェッジウッドのフェスティビティシリーズだ。豊かな時間をくれてありがとうフェスティビティ。これからもよろしく。(END)


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