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S.C.Switch [YAMAHA TF-RACK / Dante 検証編]

先日、YAMAHA様にお借りしたTF-RACKにもFoot Switch端子がありましたので、マニピュレーターを想定したシステムの中でDanteとDVSを使い、S.C.Switchの検証をさせて頂きました。

TF-RACKのシステムは、以前投稿したnoteに記載した物を流用しています。

まず、S.C.SwitchのSW OUTをTF-RACKのFOOT SW端子に接続、KEY信号をアサインしたTF-RACKのOMNI OUTをS.C.SwitchのKEY INに接続します。今回は、1chをAUX1に送りOMNI OUT1にアサインして出力しました。

次にTF-RACKの設定をします。FOOT SWにサブシステムの回線をONにするシーンをリコール出来るようにアサインします。

メインシステムの回線がONになるシーンをリコールし、S.C.Switchの調整をします。シーケンス素材の内容や調整方法は、RME MADIface XT / ARC USBと同じですのでそちらを参考にしてください。

設定は以上になります。

それでは、実際にメインとサブが切り替わる状況を確認してみます。

0:08くらいのところでメインシステムを意図的にストップしています。一瞬音が途切れますが、自動的にサブシステムに切替られたため持続して音が出ています。

それでは、システムの状況をTF-RACKのUSB TypeB端子をオーディオインターフェイスとして別Macに接続、DigitalPerformerを使用して録音したデータを見て途切れた時の状況を見ていきます。

上のトラックから順に、
・メインシステム INSTトラック
・メインシステム Click/Countトラック
・サブシステム INSTトラック
・サブシステム Click/Countトラック
・切替状況が録音された検証用トラック(INST/Click/Countのミックス)

となっています。

ちなみにサブシステムのトラックが途中から再生されているのは、DigitalPerformerの「Wait for note」機能を使って3小節目から同期させているからです。3小節目からは完全に同期して再生されています。

メインシステムからの音が止まっても、検証用トラックには音が流れ続けているのがわかります。

では、どれくらいの音の隙間が出来たのか波形を拡大して見てみます。

1拍が見られる拡大率にしてみると、これくらいの隙間が空いています。RMEのシステムの時と同様にバンドの中に混ざっていると、そこまで気にならないかなというレベルに思いますが、シーケンスだけで聞いていると一瞬の間がわかるくらいです。

波形で見て分かるように、この隙間はメインシステムの音が止まった状況やメインとサブの音を実際に切り替えるミキサーによってばらつきがあります。

S.C.Switchは完全にアナログのシステムなので、KEY信号が途切れてFootSwitchが稼働するまでのレイテンシーはほぼ無いと考えて良いと思います。やはり、切替の速度はミキサーのスペックに依存してしまうという結果になりました。


今回の検証は以上になります。

RME ARC USBやTF-RACK以外にも、FootSwitch端子が有りSnapshot/Scene/ProgramChange等が可能な機材であればそのまま使うことが出来るかと思います。

例えば、FootSwitchが作動するとMIDI Program Changeを送信出来る機材、「MIDI Solutions Footswitch Controller」や「MOTU micro express」を使えば、YAMAHA 01V96シリーズ等でも切替が出来るかと思います。

ただ、こちらの切替のレイテンシーに関しては、ARC USBやTF-RACKよりも遅くなってしまう可能性が高いかなと思います。


重複してしまいますが、切替時に発生する隙間はミキサーのスペックに依存してしまうので完全に隙間無く切替が出来るという製品では無いです。ただ、アナログ・MADI・Dante等に関わらず使用でき、自動切り替えが出来ない既存のシステムの中に導入出来るという点は今までに無かった機材かなと思います。


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