心理系大学院に行くまでの勉強

集団の中の人々は共通の目標に向かって団結する。しかし、複数の集団が存在すると、とくに原因がなくても集団間に敵意が生まれる傾向がある。それを示す「ロバース・ケーブ実験」が1954年にアメリカの心理学者ムザファシェリフによって行われた。
この実験で2つのグループには対立が生じた。
集団間で激しい争いが生じる理由は、いくつかの理論から説明できる。たとえば「現実的集団葛藤理論」では集団間で乏しい資源を巡って避けられない競争が生じ、資源を奪い合うことで争いが生じると考える。
一方、乏しい資源を奪い合うような状況を設定しなくとも、集団への強い所属意識(仲間意識)が自分の集団へのひいきと、相手集団への否定的態度に繋がり、集団間では争いが生まれやすいも考える理論もある(社会的アイデンティティ理論)
ロバース・ケーブ実験では両グループに共通の目的を持たせることで最終的に対立を解消させることができた。立ち往生したトラックを一緒にロープで引っ張って助かる作業など、強力して行う作業が成功していくたびに集団間の対立がなくなり、友好関係が築かれるようになった。

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