心理系大学院に行くまでの勉強

高齢者の心理学は障害発達という発達心理学の一領域でもあり長期間にわたる変化の過程がさまざまな角度から研究されている。
加齢とともに身体の機能には衰えが生じる。またたとえば聴覚などの感覚器官も加齢に伴って聞こえづらい音域が生じたりし、知覚に影響が出る。さらに身体の変化だけでなく会社を定年退職するなど社会的立場や役割も変化する。こうした加齢の過程にうまく適応していくことを「サクセスフル・エイジング」という。これは1987年にアメリカの老年学者のジョン・ローと社会科学者のロバート・カーンが発表した。
老化という言葉はネガティブな印象を受けやすい。しかし幸福で豊かに老いていくためには健康であることや自立、社会への貢献といったQRLが大切だと言われている。
さらに老年期は誰かの死(三人称の死)や親しい人々の死(二人称の死)を経験しながら自らの(一人称の死)を想像する時期でもある。エリクソンのいう老年期の課題「統合」には死の受容もある。これは死を恐れなくなるということではなく、死を恐れる自分自身を直視できるという意味である。

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