自分の底の浅さにびっくりした。中身丸ごとが透けて見えている。隠されているものはない。浅い浅いはじまりのところ、陸と海の曖昧な部分、それくらいの深さしかない。浅瀬。
深みがない、奥まで覗き込みたくなるようなものがない、頑張らなくても力まなくても背伸びしなくても到達してしまう。
非常に単純。得体の知れないような深みを感じる人間に出会ったときの、溺れていく感覚、息が出来なくなる感覚を、自分の内側にも感じていたいのに。溺れるどころか、泳ぐことさえままならない程度の水深でつまらない。つまらないね、でも、ほんとうにつまらないのか?

浅瀬。波が遊びに来て揺れる砂。筋張った足の甲を彩る赤いペディキュアを少し覆い隠し、その主張を和らげる。また鮮明になる、朧げになる。その様がはっきりと見える。美しいと思った。ここは浅瀬。透明が辺りを満たしている。私の中にあるものが綺麗な水で良かった。浅い場所で、透明な水だから、こんなにはっきりと砂の戯れが見える。きっとどちらかが欠けていればダメだったね。丸見えだけれど、美しいと思えるならつまらないなんてことはないのかもしれないと思った。

これが私なりのプラス思考です。

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