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「人の悪口を言わない」と言う人

知人に、自分の長所は他人の悪口を言わないことだ、と公言しているがいる。なるほど、他人の悪口を言わないというのは長所だなと、その話を聞いたとき、素直に思った。

私などは、週に1度は他人の悪口を言っているのではないだろうか。部下に責任を押し付ける上司についての愚痴、マナーを守らない隣人についての愚痴…。些細なことを含めたら、2,3日に一度は言っているかもしれない。落ち着いて考えると、自分も全然立派な人間じゃないのに、他人の欠点ばかり目について、心が狭いな、と反省した。

ところで、この「悪口を言わない」人なのだが、よく注意して聞いていると、彼は、他人の悪口をときどき言っていると思うのだ。

本人は気づいていないらしい。

自分は人の悪口を言わないなんて、なぜそんな、できもしないことを言うのだろう。まあ、人間ってそんなことばかりだよなあ、と思う。辻褄のあわないことだらけ。それが人間だよなあ。

どんなに辻褄が合わなくても、けろっと忘れることができる。だから生きていけるんだよなあ。

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