[将棋]ソフトと終盤の基礎知識

終盤での評価値

将棋ソフトが評価値1000点を示すというのは、
同じ棋力同士なら勝率84%ぐらいの優勢ということになっているが、
中盤と終盤では大きく性質が異なる。
中盤では複数の候補手のどれを指しても優勢ということがありえるが、
終盤では正解手以外は評価値が一気に落ちるということが多い。
終盤は細い断崖絶壁の道を歩くようなもの。
ミスは即負けに直結するのだ。
逆に終盤で何指しても良さそうなら3000点ぐらいをつけることが多い。

mateとは

mateの概念は将棋ソフトを知らない人には誤解されがちだ。
厳密な定義は……

相手の全ての手に対して自分が勝ちになる手順が存在して
そのうち最も長い手数がXであるとき、mate Xという。

自分の指し手は王手でなくてもいいし、勝ちは宣言勝ちであってもいい。

例えばこの局面は先手は詰めろすらかけることができないが、mate 11
放っておけば5手の命だが▲2三と△3四角……として11手まで伸ばせる。

入玉と宣言法

終盤がソフトにとって難しい理由の一つに
勝利条件が相手玉を詰ます以外にも存在することにある。
一般的には入玉して敵陣に10枚以上駒を置いて点数が規定以上であれば
勝ち、もしくは引き分けにできるというもの。
入玉将棋では駒の価値がまるっきり変わってくるので別ゲーになる。
定跡研究などの場合で「これにて勝ち」と言うには
31点以上を確保できることを証明するのがスマートだ。
(勝敗を必ずつけなければならないという2値より引き分けを含んだ3値の方が滑らかなので入玉の学習もおそらく24点法がよい)

ソフトの入玉技術の進歩

昔のソフトの入玉力が散々だったことはPuella α塚田戦で見せつけられた。
2015年頃になると入玉直前の中段玉の扱いが上手くなった。
しかしどう見ても不利な所を強引に入玉して
勝ちまたは引き分けに持ち込むソフトはelmoの登場を待たねばならない。

大きく駒損してもと金を量産してしまえば寄せられることはないし、
逆に相手を寄せることができるかもしれない。
さらに相手の宣言勝ちはソフト特有の256手引き分けルールで阻止される。
elmoの入玉優先戦術はレーティング上は理に適っている。

手数制限、宣言なしで相入玉戦をやるとどうなるか

数百局のテスト対局では最長でも600手程度で、
どちらかが詰まして終わった。
点数の多い方がじわじわと相手の戦力を削っていって
最終的にほぼ全駒になる感じだ。
なのである程度戦力差がつくと勝敗が決まる宣言法は妥当でもある。

相入玉戦の解

先手は4段目の5点分がカウントされないので、
物理的に26点しか確保できない。
後手は引き分けには1点と3枚足りない。
この局面は先手勝てるのだろうか。
こういうのを考え出すと面白い。

まだまだ書き足りないけど今日はここまで。

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