「ザ・コピーライティング 心の琴線にふれる言葉の法則」を読んでみた

はじめに

広告運用兼コンサルタントとして、コピーライティングの領域は切っても切り離せないものになります。

広告運用では小手先のテクニックが沢山あり、それを詰め合わせればある程度の数値改善は見込めます。

ただし消費者が「この商品を欲しい!」と思ってもらえるか?については、管理画面のロジックを勉強しても効果性がありません。

ライティング領域のスキルを付けない限りは、広告管理画面をどれだけ精工構築しても商品を売ることができないです。

僕はこれまで広告運用、とりわけロジックの解明に熱を持って運用を行ってきましたが、その結果として商品力ありきの運用を行う人間になってしまいました。そして、商品力が競合に劣っている商品では成果が伸び悩むという状態に。

商品力が競合に劣っているのであれば、商品の改良をすべきという提案は当然しますが、それが実現可能か否かについては、クライアントマターなところがあるので期待はできません。

その状況下でも、商品の魅力を最大限に引き上げるコピーライティングのスキルがあれば、少なくとも状況を打破する事ができるはずです。

15文字の見出しでなんと伝えるのか。LPでどんな内容を伝えるのか。メルマガ・LINEでどんなナーチャリングをするのか。身近なところにライティングスキルを必要とするシーンが溢れています。

今回はそんなライティングスキル向上のために、ライティング系の本で代表作ともいえる「ザ・コピーライティング」を読んでみました。

書籍のボリュームは非常に多く全てをご紹介はできないですが、目に留まった部分をまとめましたので、参考になれば幸いです。

■書籍の紹介
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ザ・コピーライティング 心の琴線にふれる言葉の法則

出版社:ダイヤモンド出版

著者:ジョン・ケープルズ

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ケープルズの3ステップ検証法


ケープルズは効果のある広告と効果の無い広告の違いについて、3段階のステップを踏んで検証をしています。

■広告作り
①見込み客の注意を引く:注目されなければ始まらない。
②見込み客の関心を保つ:ぶれない内容で客の関心を保ち続けること。
③見込み客に行動を起こして貰う:惹き付けた客にちゃんと購買行動を起こせられるか。

■広告テスト
①広告は「科学的」にテストをして効果を測定する。広告の効果を数値化出来る手段を持つ。
②テストして分かった事をベースに新たな仕組みや企画を立ち上げる。ただ広告を入れるのでは無く、広告の結果から学ぶ。
③全ての広告は、以前行った広告から得られた気づきをテストする場。上手くいったと思ったのに上手くいかなかった場合は自分が間違っている事を素直に認め、反省して次に活かす。

広告管理画面での検証テストをしているうちは至極当たり前のことのように感じますが、複数のABテストが難しくなってくる、メルマガのセールスメールなどでは、上記のステップがおざなりになってしまう傾向もあるかと思います。基本に忠実に先ずは検証できる環境を整える事が、ライティングの上でも重要なポイントになります。

広告の3W


広告を出す際には、最低限以下の3つのWを意識する必要があります。

①Where:どこに広告するか
②When:いつ広告するか
③What:何を広告で言うか

広告運用の上では、配信媒体は何を選ぶのか。広告の種別は何か。(検索、ディスプレイ、リマケなど)、訴求軸は何になるのか。などが該当するものになります。

広告コピーと消費者が接する瞬間のシーンを考えて、消費者の心理状態とそこに対してどのようなメッセージを送れば、相手にとって新しい気付きを与えられるかを考えながらライティングをする事が重要です。

効果的な見出しの3つの要素。広告は見出しが命。コピーと見出しは違う。


広告は見出しが命です。コピーと見出しは別です。見出しが良くなければコピーは読まれません。見出しがあってこそ人々に読まれるのが広告です。

LPでいうならFVのヘッドコピーが最も重要という事になります。最初でいかに見出しを人々の心を魅了できるか。

その為に、下記の要素を見出しに盛り込みます。

①「得になる事」:消費者のベネフィットを叶える要素です。一体この商品を使う事でどんな利益があるのか。もしくは他と比べて安くてお得なのかを示します。

②「新情報」:新機能や新発表の製品紹介、一般的に知られていない新常識等、消費者の知識の中にこれまでに無かった新たな情報を提供することです。

③「好奇心」:答えを全て提示せず、謎を残すような感じで直接言わず、この先に一体何が書いてあるのかを期待させることです。

この中で最も重要なものは「得になる」情報です。

消費者が求めるものを提供できる。と言う事を見出しではっきりと伝えられれば、必ずその見出しの先にあるコピーを読んで貰えます。消費者は自分に何かが不足しており、それに対して一種の緊張感、不安感を感じているからこそ商品を欲しいと考えています。それに対して分かりやすく単刀直入に相手に望みを叶えられるという事を伝えてあげる事が、最もインパクトのある見出しになります。

上記に、「手っ取り早く簡単な方法」を提供すると消費者の心に響きます。人間誰でも楽をしたい生き物なので。ただし、あまりにも美味しい話になると、何か裏があるのではないかとも思われてしまいます。

信憑性を補足するためには具体的な数字(満足度や臨床試験データ)を添えてあげる事で、相手の疑念を振り払ってあげることが重要です。

人の心を動かすための6つの方法

①広告から最大限の費用対効果を得るには、広告を絶えずテストする必要がある。

ライティングの世界に100点満点はありません。100人に広告を届けて100人が商品を購入する。なんてことが起きれば100点のコピーとしてもいいかもしれませんが、そんなことは現実的にあり得ません。

CVRが1%なら2%に引き上げる為検証を行う。2%なら3%に上げる為の検証を・・・と常に高みを目指して検証を行い続けるものになります。

また、これでもう大丈夫と思えるレベルまで検証を重ねても、広告を届ける対象の消費者も常に変化をし続けているので、それに合わせて広告も常に変化し続けないと、反応率が悪くなってきます。盛者必衰の理を忘れずにやり続けるべきものです。

②どう言うかより、何を言うかの方が重要。

僕が普段使っている言葉に置き換えると、プロダクトアウトよりもマーケットインのライティングをするという話です。

商品のスペックをどのように伝えるかという事を考える形でも十分成果はついてくると思いますが、3Wに則って、特定の顧客に対して広告を届けるのであれば、そのシーンや相手の気持ちを考えた言葉を届けた方が良いです。

③殆どの広告で見出しが一番重要。

LPだとヘッドが一番重要と言われていますが、それと同じことです。FVで如何に相手を引き付けるか、相手の望みを叶えられるという事が伝わるかにこだわってFVは改善をしていく事が重要です。

④一番効果的な見出しは「相手の得」になることか、「新情報」を伝えるもの。

FVの改善にあたって、大切なことは「相手の得」になる情報が記載されているかになります。

人間が求めている情報は基本的な欲に関連するものがほとんどです。

自分の欲求が満たされない時に不安を覚える。その不安を解消するためにお金を出して安心を得る。

その非常にシンプルな人間の感情変動を起こすためのトリガーになり得る見出しになっているかを考えながら実施するのが重要です。

⑤一般的な内容より、具体的な内容の方が信用される。

相手にとって新しい情報を提供できるかというところに繋がりますが、ライティングの中で一般的な内容は入れる意味はあまりないです。

人間はめんどくさがりな人間なので、わざわざ自分が既に知っている情報を読もうと思いません。

相手に興味を持って読み進んでもらいたいのであれば、一般的にはまだ認知されていない新しい情報を提供した方が良いですし、当然知らない情報なのでエビデンスも織り交ぜた情報の方が信憑性が増して良いです。

⑥短いコピーより長いコピーの方が説得力がある。

「短いコピー VS 長いコピー」どっちが売れるのか論争は、今でもまだ聞きますが、僕は長いコピーを指示しています。

長いコピーで売れない場合には単純にコピーに魅力がないだけ。消費者が求めているものを提供できるという事をはっきりと伝えれば、消費者は必ず続きを読んでくれます。

先述しましたが見出しは最初に相手を魅了できるかの非常に重要な役割を果たします。だからこそ相手にとって有益な情報が有るという事を伝える為に、長いコピーを書いた方が反応が良いです。※中身のあるコピーであることが大前提ですが。

書籍を読んだ所感

コピーライティングの本を読み始めようと思ったときにまずは、重鎮の書籍を読もうと思い、ザ・コピーライティングを手にしましたが、想像以上にノウハウのボリュームがあり驚きました。また読み進めるうちに、「そういえばこの内容、あの書籍に書いてあったな。」という物が多々ありました。さすが有名な書籍と言った感じです。

それ故に、基礎になる考え方をまとめてインプットできた感覚はありますが、この内容を自分のクライアントに対してどのように発揮していくか?というところについてはもう少し時間がかかりそうな印象を持っています。

こういう要素を入れれば良い。という事は沢山書いてありますが「自分のクライアントに置き換えたらこういうコピーになるな。」という具体的なアイディアまで落とし込む事は現時点では出来ていません。

きっとここから先は、自分でライティングしながら、書籍を何度も見返して、次はこの要素を入れてみよう。と検証を何度も繰り返して自分のスキルとして刷り込まないといけないのだと感じています。

やってみて成功を経験しない限り、ノウハウが見についたかどうかも知覚できないので、この大漁のノウハウを少しずつでも実行して検証していこうと思います。

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