一般会社員が【仕事の取り扱い説明書 あなたのショートケーキにイチゴはのっていますか?】読んでみた。
本書は仕事の取り組み方についてがまとめてあります。
ただし、取り扱い説明書といっても、いわゆるノウハウはほとんど載っていません。
仕事に対しての考え方、捉え方をイメージするための内容が記してあります。
一人の工場の作業者として雇われた荒木氏が、同社の代表取締役になるまでに培ってきた仕事に対する考え方が記してあるので、内容を読みながら「自分に置き換えたらこういう事か。」と考えながら読むと、きっと実りのある内容になると思います。
■書籍の紹介
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仕事の取り扱い説明書 あなたのショートケーキにイチゴはのっていますか?
出版社:公栄社
著者:荒木 秀文
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あなたのショートケーキにイチゴは乗っていますか?
目の前に一つのショートケーキがあったとします。そしてそのショートケーキには美味しいイチゴが乗っている。
あなたならこのショートケーキをどのように食べますか?
僕の場合はショートケーキの角から食べ始めてイチゴの部分に到達した時に、ショートケーキに乗っているイチゴを食べます。
でも中にはイチゴが好きで、乗っているイチゴを一番最初に食べる人がいます。ショートケーキの食べかたは人それぞれで正解・不正解はありません。
ただ、コレを仕事に置き換えて想像して見て頂きたい。
そしてショートケーキに乗っているイチゴを食べる事が、その仕事において最も重要なものだとしたら。
その前提条件があれば、きっと多くの人は一番最初にイチゴから食べ始めようとするはずです。
問題はこの前提条件を自身が捉えられているのか。
きっと僕が無意識的にショートケーキを食べていたら(仕事をしていたら)
いつも通り、角から徐々にショートケーキを食べて(仕事を着手して)
イチゴに到達した時点でようやくイチゴを口にする(重要な部分を完了する)
と思います。
そして重要でない余計なスポンジやクリームを食べているのでお腹がいっぱいになって、重要なイチゴの部分が沢山食べれなくなります。(オーバーワーク・タスクの飽和状態)
一方で要領の良い人は最初からイチゴを口にする(仕事の一番、重要なところから着手する)
そして、そういう容量の良い人は、大抵の場合イチゴを食べる事が目的でショートケーキを前にしています。(要点を掴んで仕事を進める)
その人にとって、イチゴが無くなったショートケーキはもう食べる価値が無くなるので、次のショートケーキに手を伸ばします。(次の仕事に手を伸ばしていく)
余計なものにまで手を出す人と、重要なところだけ抑えられる人では、当然生産性も成長スピードも大きく変わってきます。
またビジネスに置き換えて考えみると、中にはショートケーキを食べるときに、イチゴを食べ忘れてしまってお腹いっぱいになってしまっている人だっています。(重要なところが抜けている人)
これが仕事の現場で起きていないか?ってことです。
稚拙な文ですが、本書を読んでみて感じたことの大半は、お伝えしました。
ここからは、ショートケーキの上にのっているイチゴをめぐる話で感じたことをもう少し具体的に書き綴ります。
仕事には必ずイチゴ(大切なもの)がある
荒木氏は
ショートケーキ=与えられた仕事
イチゴ=自らつくるべき仕事
というように話しています。
これは、与えられる仕事には、はっきりとした目的があり、その目的は必ずしも明確に示されていない。だからこそ与えられた仕事の中から最も大切なものを抑えるべき。という事と解釈しています。
例えば上司から、売上進捗管理の更新を頼まれたとします。
今回のショートケーキは売上進捗管理表の更新です。その時、上司が求めているイチゴは何か。
この例における上司がやりたい事(イチゴ)は、おそらく管理表の更新でなく、売り上げ推移の把握⇒それに対するアクションプランを練る。という事のはずです。
進捗管理の更新が完了した時に、元の進捗管理との変動率を添えてあげるだけでも上司の反応はきっと変わります。そしてアクションプラン迄を一緒に提示出来たら、きっと「先回りして仕事を進めてくれてありがたい。」というような評価が付いてきます。
イチゴが何かを感じ取って、仕事ができるかが重要だと思います。
イチゴを残す人はイチゴが見えていない
確かにそのタスクは完了しているんだけど、「要点を得てない。」と言われてやり直しをする。
なんて経験した事はありますでしょうか?これは典型的なイチゴを残しちゃったパターンです。特に与えられた仕事だけをやる思考の人はこれが多いです。
なぜそのような人はイチゴを見つけられないのか。理由は大きく2つあります。
1つは、仕事に対する知識や経験がない事。
イチゴを食べるためにはショートケーキの全体像をみて、その上でイチゴがある部分に手を伸ばすというフローが発生します。
ただし、知識や経験がないと、仕事の全体像を想像する事が難しく、重要な部分がどこにあるのかも判断ができないです。
この場合には、当事者は上司に相談するという事しか対処法がないですし、相手のレベルに不相応な指示を飛ばした上司にも改善すべき点があります。
ただ上記の事例は現場ではそう多くないもので、大抵の場合はイチゴを食べる知識や経験があるのにも関わらず、イチゴを食べ損ねています。
では、イチゴを食べれない2つ目の理由は何か。
それは、待ちの姿勢になっているという事です。
与えられる仕事に中に、重要な部分が必ずある。という考え方が無いと、自らその仕事の重要なところはどこか?と探すことをしません。
そういう人が、どのような思考に至るかというと、仕事には与えられるしかない、与えられた仕事をやれば良い。というような思考になってしまいます。
重要な部分を抑えば、全体の仕事量が減るという事を知らないまま、ロボットのように、ただただ与えられた仕事をこなしていく受け身の人間になってしまいます。
こうした人は、やり直しなどの、本来発生する予定ではなかった仕事に終われ、ただただ年齢だけを重ねていく人になりがちです。
目の前のショートケーキを全力で食べきる事がスタート
自分が与えられた仕事をこなしてしまう人である。イチゴを見る事ができていない。と思うのであればまずはショートケーキを全力で皿の上何一つ残さず完食をするという事だけをやってみる事がスタートになります。
お皿の上の全部を食べつくせば必ずその中にイチゴが含まれているはずです。
正直それを仕事に置き換えて考えるとかなりのコストを払う事になりますし、どこまでできるかという点に関しては自分のスキルによって出来栄えに大きく差が出てしまいます。時間もかかります。
ただそれを一生懸命にやっている姿を見て評価をしない人はいないはず。そして一生懸命やっていれば周りには協力者が生まれてくるはずです。
そしてきっとイチゴが何なのかを教えてくれるはずです。あるいは周りの反応を見てどれがイチゴなのかを感じ取れるようになるはずです。
自分でイチゴが見えないのであれば、先ずは全力で完食を目指してやってみる事から始めるべきです。
できればイチゴだけ食べる
全力で完食を目指してショートケーキを食べたとしても、自分がお腹いっぱいになってしまったら、新しいショートケーキを食べられなくなります。
可能であれば重要なイチゴの部分だけを食べ続けたいものです。
イチゴだけであれば20粒とか30粒でも食べられる気がしますが、ショートケーキを30個食べるのは苦しいです。少なくとも僕には無理です。
ではどうすればイチゴを見つけて食べれるようになるのか。そのためには仕事の目的を考える事が大切です。
①目的を確認する
②目的を達成するための絶対条件を確認する
③定量的な達成基準を設定する
④相手が喜ぶ形で渡す
この4つを実施すれば大抵の場合、イチゴだけを食べて仕事を完了できます。
ただし、目的を確認しようにも時にはその目的を教えてくれない。あるいは目的を聞けない状況にある場合があります。
そんな時には、次の式を使って目的を洗い出します。
「目的=与えられた仕事×(理想-現状)」
与えられた仕事があればそれを完了する先に目的がある事は間違いありません。
ただそれだけでは不十分。何を追加しないといけないかというと、理想の姿と現状のギャップを埋めるものを追加する事で目的にに辿り着く事ができます。
話は遡って、売上進捗表の更新の話で考え見ます。
与えられた仕事は数値の更新です。ただその情報だけでは目的は見ててきません。
売上進捗表を利用しようとしている上司にとって「理想」の状態は「上司が進捗を把握していて、それに対するアクションプランを練れる状態にある。」という事だと思います。
それに対して、数値更新を依頼した時点では、きっと上司は最新の進捗状況が分かっていないという「現状」があります。
「理想-現状」をすると、「最新の売上進捗が分かるようにする。」という状態が、上司が求めている「目的」という事になります。
ここまでを、先述した①②③④に当てはめて考えると
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①目的を確認する : 最新の売上進捗が分かるようにする。
②目的を達成するための絶対条件を確認する : 進捗表の更新
③定量的な達成基準を設定する : 全案件の進捗管理表の更新完了
④相手が喜ぶ形で渡す : 売上進捗のサマリーかトピックスを添えて報告する。
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のような形が想定されます。なんだやる事多いじゃんと感じるかもしれませんが、この要点を抑えず、やり直しをくらったときの仕事量を想像すると、イチゴを抑えて仕事を行った方が断然楽です。
感覚的に上記の式を感じ取って仕事を進める人は容量が良い人です。自分は容量を得ない方の人間だと思うのであれば、容量が良い人が無意識的にやっているものを分解してロジカルに進めるしかありません。
愚直にやり続けてトレーニングしていく事で、このイチゴを見つける感覚も研がれていくと荒木氏は言っているので信じてやってみるのが吉だと思います。
まとめ
ショートケーキの上のイチゴを食べるお話し。
かなり基礎的な考え方の話ですが、それが「できる」「できない」で大きな差が生まれると思います。
ショートケーキの上のイチゴは、パレートの法則でいうところの重要な2割を刺すと認識しています。
またこの話はミクロなタスクでも当てはまりますし、もっとマクロなプロジェクトのような話でも当てはまると思います。
プロジェクト=ホールケーキと捉えれば、それを細分化すれば、カットされたショートケーキが生まれます。そしてカットしたショートケーキそれぞれに重要なイチゴがあるはずなので、あとはそれを効率的に食すというお話し。
自分の実作業の中で思い当たる節が非常に多く、自戒をしながらnoteを執筆しました。
上司の目的は何か?その視点を忘れずにイチゴを探して、日々の業務にあたっていきたいと思います。
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