【営業マンの自己心理改革】を読んでみた

はじめに-本書を読んだ所感-

普段自分はWeb広告のコンサルタントとして勤めていて、

新規営業は畑が違うもの。自分自分の役割を全うするためにスキルを磨こう。と考えていました。

ただ、最近営業の方と新規営業に同行しに行ったり、一緒にキックオフMTGを重ねるうちに、このクライアントとの関係性の作り方を自分も学ばなければ、自社のファンを作っていく事は難しいなと感じました。

そんな中で試しに、近所の本屋で営業向けの本で人気のものを手に取ってみると、全然畑違いの内容ではなく、コンサルワークに通ずるものがとても沢山あってとても驚きました。

なので、今回のnoteでは営業のビジネス本を読んで学ぶべきところ、改善しなければいけないと感じたところなどをまとめていきます!

■書籍の紹介
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商談が楽しくなる!モノが売れる!営業マンの自己心理改革

出版社:アルフォポリス

著者:大岩俊之

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「コミュ力」より「約束を守る」

営業=コミュ力

という先入観がありましたが、本書ではコミュ力以上に約束を守る事を徹底するべきと書いてあります。※最低限のコミュニケーション能力は必須です。

その違いが生まれるのは寛大効果を使えるか否かであると本書では述べられています。

著者の部下に下記のような2人がいたそうです。

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Aさん:コミュニケーション抜群、営業トークもズバ抜けていて受注数も多い。ただ発注書はスケジュールの管理などが苦手で納期遅れがたまにある。

Bさん:口下手で受注数がほとんどない。ただ管理はしっかりしてて約束の期日はちゃんと守る。

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当然この2名ではAさんの方が売上が高かったそうです。

ただ5年後どうなっていたかというと、Bさんの方が売り上げが高くなっていたそう。理由はBさんは寛大効果が発揮される条件を持っていたから。

なぜ売上に差が出たかというと、大きな仕事を任せるときに、ちょくちょくミスをする人と、滅多にミスをしない人どちらに仕事を任せようと思えるか?というところで差が出ていたそうです。

当然Bさんが一切ミスをしないというわけではありません。ただBさんはベースとして管理がしっかりしている人という認識があるので、何かミスをしても「今回ミスしてしまったけどBさんは普段しっかりしてるから大丈夫。」とお客さんが寛大に見てくれる傾向にあったとの事。なので継続的に受注があり、徐々にその受注規模も大きくなっていたそうです。

一方Aさんは、毎月受注をたくさん獲ってきますが、それと同じだけのクレームをうけ、対応に追われて疲弊していたそうです。


業種は違えどコンサルタントも同じことが言えると思います。

普段しっかりとしている人がたまにミスっていても、「珍しいな。最近忙しいのかな?」と思われる程度ですが、普段からミスが多い人に対しては「またか…。どうやったら直るの?」というような指摘が入ります。

そうなったらその対応に追われて自分の首を絞めていく事になるので、自分の首を絞めない為にも約束はしっかりと守るという事を実施して行く事が大切です。

両面提示をする

これは営業テクニックですが、良いとこだけ見せても、相手に怪しまれるので、メリット・デメリットを両方提示した上で、相手に自分のオススメの選択を提示するというものになります。

一言でいえば親身に接するというところですが、それができていない営業マン・コンサルタントの人が世の中には沢山いるそうです。

最近印象的だった出来事があります。

それは新規で取引させていただく事になったクライアントと初回挨拶のMTGをしていた時の事。

クライアント様が営業のKさんに対して、

「Kさんにコンペ先のもう一社の事を聞いた際に、あそこはLPが強いので~と話してくれたじゃないですか。もう一社に御社の事聞いてみたら、御社の事何も分からなかったんです。その時点で市場をちゃんと理解されてるKさんのところにお願いしようと思いました。」

と話ていました。

普段営業の最前線に出ていない自分からしたら衝撃でした。そういうところでお客さんは意思決定をしているのかと。

有形の商品であればスペックを見て判断できるけど、広告代理店は無形の商品を売る事になります。そうなるとやはり購入の判断軸はそういう無形のところになってくるんだなと。

この話も、自社とコンペ先の会社それぞれのメリットを伝えた両面提示の方法だと思いました。

そして両面提示をする為には、先ず前提としてそれぞれのメリット・デメリットを理解していないとできないんだとという学びがありました。

普段お客さんの商品に対して市場リサーチをしていますが、最低限自社の商品自体にもリサーチを行って行かないとお客さんとの関係性を作り込むことはできないと感じた出来事でした。

ハロー効果を常に意識する

ハロー効果は有名な心理学の効果の話ですが、その中にはポジティブハロー効果とネガティブハロー効果があります。

意味合いは言葉のままです。

ポジティブは、○○さんなら大丈夫だろうというハロー効果。ネガティブは、○○さんだから、また何か手違いがあったんだろうというハロー効果

ポジティブを意図的に作るのは難しいところがあります。ただしネガティブをなくすための対策はできるはずです。

それこそ先述した約束を守る。という事はその最たる例だと思います。他にもありがちな「言った言わないの問題」を起こさないように、大切なことはエビデンスとして文面に残すようにするであったり、定期的にお客さんに連絡を取って状況の確認をするであったり。

そういうネガティブなレッテルを貼られないように対策を取っていく事で、マメな人。しっかりしている人。親身になってくれる人。というようなポジティブなハロー効果が生まれてくるはずです。

関係性を構築するためには、いかにネガティブな印象を与えないかを徹底的に考えて取り組むべきだなと感じました。

「なにかお返ししないと…!」と思わせたら勝ち

これが関係性構築の先にある究極の姿のようです。

親身になってくれる人には何かでお返ししなければと思うものです。

「返報性の原理」なんて言われているやつですね。

自分もそれは凄く感じるところです。

私事ですが会社や上司に対して何かお返ししないとと強く思っている節があります。だいたい売上で返してくれと言われますが…笑

自分が与えられているのであれば、それ以上のものを自分が他の人に与えていくべきだと思っています。※これは本書に書いてあることでなく持論です。

そしてその先にきっと、お客さんとの関係性構築ができてくるんだと考えています。自分はこれまで良い商品(広告運用)を提供できれば満足度は上がると思っていましたが、最近はそれだけじゃ足りないなと感じています。

市場の状況次第ではお客さんに協力してもらわないと、結果を出せないという状況も多々あるので、そういったときにお客さんと二人三脚で施策を回せる関係性が築けているかが非常に重要です。

それができるようになるためにも、運用スキルだけでなく、営業的な能力を勉強していこうと思います。

最後に印象に残ったもの「5:25の法則」

顧客離れを5%改善すれば、利益が最低でも25%改善される。

これはアメリカの大手コンサルタント会社、ベイン・アンド・カンパニーの名誉ディレクターが調査して発見した法則です。

広告代理店などもこれに当てはまると思います。いわゆるストックビジネスなので解約を抑えれば新規を取り続ける限り利益は増加していくはずです。

ここで考えるべきは、広告代理店の場合この顧客離れを抑える役割が、営業だけでなく、担当コンサルタントにもあるという事。

他者からのリプレイスで取引させていただく事になったお客さまに、「何でリプレイスしたんですか?」と聞くと、回答の9割は「コミュニケーションが上手くとれなくて。」というものです。

コンサルタントがお客さんとコミュニケーションをとって関係性構築をしっかりと行わないと、会社に対する損失が馬鹿にならないなと感じた内容でした。

特に、世間はいまコロナで騒がれており、経営状態が苦しいクライアントも沢山います。そんなクライアントにどうれだけ寄り添って、この波を乗り越え、そこから前進するかを一緒に考えるコンサルタントにならなければと強く思った内容でした。

一部評論家の間では、コロナが収束した後には、リーマンショックレベルの不況が来るのではなんて話が上がっています。

そうなったときにしっかりとクライアントのビジネスの支えになって、一緒に戦い抜ける人になるために、クライアントとの関係性を築き、クライアントを守って、自社を守る。そういう人間にアップデートして行こう強く感じました。

やるしかない。頑張ります!!

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