月がきれいですね 第一話 シナリオ案
高校生諸君
君たちは朝のニュースなど見ないのだろうから
言っても無駄だと思うけど
世界のルールが変わったんだよ
[つまらない授業風景]
少女(浅川梨奈)「はあ」
(遠くで選挙カーの声が聞こえる)
きーんこーん
少女「(気分が重い)」
「あのさ」
「今度の選挙」
(クラスメイトが離れていく)
少女「(そうだよね)」
「(人は他人に啓蒙などされたくないのだ)」
「(それが正義であったとしても)」
はあ
ちろり
(視線の先には少年)
(すがるように)
少女「… あのさ裕介」
裕介と呼ばれた少年「おう 帰りどっか寄ろうぜ!」
…
[ハンバーガー屋]
もぐもぐ
少女「(このハンバーガー屋は好きだ)」
「(そして この男も)」
「(この時間だけは 私は自由)」
「(神様ありがとう)」
(選挙カーの絶叫)
選挙カー「○○政治を打倒し」
「市民のための 隙の無い政治を実現する」
裕介「親父さん 頑張ってるな」
少女「(台無しだよ)」
「…どーせまた落ちるよ」
「普通の家に生まれたかったな」
(頬杖)
…
少女「じゃあ また明日ね」
裕介「芽亜[メア]」
芽亜と呼ばれた少女「な 何」
裕介「俺 彼女出来た」
…
[一人取り残された少女]
芽亜「ああああああああああああああああああ」
「絶望的」
「やっぱ神様何て居ないんじゃん」
「もし神が実在するなら」
「今ここで私を助けてみろ」
「どうだ 出来ないだろう」
神様「お安い御用だ」
芽亜「○ルクスばんざーい って あれ?」
「あんた何?」
神様「助けるっていうか」
「願いを3つ 叶えてあげるよ」
芽亜「本当?」
「じゃあさ…」
「食パンをくわえて角で男子とぶつかりたい!!」
「駄目かな」
神様「お安い御用だ」
きらきらりーん
芽亜「何も変わってませんけど」
神様「明日になれば判る」
…
[明日の朝]
芽亜「うあああああああああっ」
「ねぼうしたー」
ばたん
「行って来まーす!」
(食パンをくわえて走り出す)
ざくり
芽亜「あれ」
ぼたぼたぼた(血が垂れる音)
芽亜「ゆ…裕介」
「どうして」
(裕介と呼ばれた少年が
少女の頭部から生えた角で串刺しにされている)
芽亜「あああああっ」
「こんなの恥ずかしいよ」
神様「願いは叶えられた」
「食パン咥えて角[ツノ]で男子と以下略」
芽亜「いや だってこいつ彼女出来たって」
裕介「そこかよ」
…
[夜]
芽亜「今日もさんざんだったな」
神様「あと2つの願いはどうする?」
芽亜「そうだなあ…」
はあ
とんとん(ドアノックの音)
芽亜の父親「入るよ」
「あのさ今度の週末」
「選挙のボランティア」
芽亜「いい加減にして!!」
「もう嫌なの」
「あんたのせいで 学校でもシカトされて」
「人生滅茶苦茶だよ」
「大体 パパって」
「他人の悪口しか言ってないじゃん」
「そんなので一生終わっていいの?」
「おかしいよ」
「無様だよ」
「私を巻き込まないでよ」
(どたどたどた)
…
[電気の消えた居間]
芽亜「うえっうえっ(泣き声)」
ばたん
父親「芽亜」
「気苦労かけて済まないとは思ってる」
「だけど これは誰かがやらないと」
「いけない事何だ」
「弱い人々の声を 届けないといけないんだ」
「きっといつかは 批判だけでなくて」
「自分達で政治を行えるって 信じてる」
…
[次の日]
選挙カー「○○政治を打倒し 市民のための 隙の無い政治を」
芽亜の父親「お願いします!」
神様「 … 」
「その願い 叶えてやる」
…
[数日後]
(新聞見出し)
(『△△党 大躍進 第1党・政権掌握へ』)
△△党党首「憲法即時停止」
「市民のための 隙の無い政治 実現のため」
「『スキ』という言葉を使った者の殺害を」
「△△党員に許可し 義務づける」
「よろしく」
………
高校生諸君
君たちは朝のニュースなど見ないのだろうから
言っても無駄だと思うけど
世界のルールが変わったんだよ
[銃声]
裕介「あああ ○○ちゃん!」
後輩の少女「せんぱい…すき」
[銃声]
(吹き飛ぶ血液)
芽亜「ルールが変わったんだよ」
(返り血を舐める少女)
「きちんと守れよ」
「高校生諸君」
(第一話終わり)
(以下のテーマ記事を採用しました。)
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