『サブスク彼氏』前編 シナリオ案
男ナレーション「俺は都内の大学に通う」
「普通の大学生だ」
「金が無いので『サブスク彼氏』に登録した」
男「俺でいいんですか?」
先輩「就活で忙しくてさ」
「お前なら バージョンアップで交代出来そうだ」
男「先輩の代わりなんて 務まりませんよ」
先輩「お前は俺よりイケメンだろ」
……
男「このマンションの203号室だな」
2 0 3
ピンポーン
男「…サブスク彼氏です」
インターホンの声「…」
(自動ドアが開く)
男「(どんな女だろう)」
…
[203号室]
がちゃ
女「…」
男「バージョンアップで 俺が貴女の彼氏になりました」
女「…言ってる意味がわかりませんが」
(肩までの黒髪 地味メガネ女)
(目を逸らす)
男「ええと」
[回想]
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先輩「あの女には強引でOK」
「適当に『好きだ』言っとけ」
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[回想終わり]
男「(わかった)」
ぐい
ちう
女「!」
「あ…」
「そんな」
「初めてだったのに」
「警察呼びますよ」
男「うるさい」
「好きだ」
「好きだ」
「好きだ」
「君を愛してる」
ぎう
ちう
(女は泣き出した)
男「おい」
女(涙目)「…」
(女は蹴りを繰り出した)
ごす
(男は倒れた)
女「親以外にそう言われたの初めてです」
ずりずりずり
女「バレンタインの神様が」
「私の孤独を見かねたのでしょうか」
ぎう
(男を抱きしめる)
女「とても愛おしいです」
派手女「ちょっと待ちなさい」
女「…またですか」
派手女「サブスク彼氏が 何時まで待っても来ないので」
「案の定」
「203号室と302号室を間違えたのね」
「でもこの新しい男は好みじゃないし」
「サポセンに電話して」
「バージョンダウンをお願いするわ」
女「じゃあ この人は貰っていいんですか?」
派手女「駄目よ」
「個人契約は営業妨害」
「罰金1000万円よ」
「貴女と この男の将来に大きな傷を残すわ」
女「じゃあ私が」
「その『スク水彼氏』に登録すれば良いんですね」
派手女「その通りよ」
……
[次の日]
ぴろりろりー
女「…」(TVゲームをしている)
男「(何話せば良いか判んねえ)」
女「今日は…どうやって」
「私を愛してくれるんですか」
(目を合わせない)
男「(…えっと)」
(男は女の手を奪い)
(押し倒そうとするが)
女「やめて下さい」
「敵にやられてしまいます」
(ちゅどーん)
男「これじゃ 彼氏の意味ないだろ」
女「あなたは」
「ただそこにいてくれれば良いのです」
ピンポーン
配達員「配達でーす」
[カップヌードル味噌 1箱]
男「(働いてる様には見えない)」
「生活費とか…どうなってるんだ」
女「親の仕送りです」
「妹達がユーチューバーやっているのです」
「そこそこ人気あります」
「元々は…私も出演していたのです」
「でも案の定 学校で苛められて」
「それに 子供じゃない 可愛くない」
「面白い事も言えない」
「そんな私に価値などありません」
「私は 必要とされなくなりました」
「結構稼いだ筈なのですが」
「贈与税やら相続税やら よくわからないので」
「細々と仕送りで生きている訳です」
(女は立ち上がる)
よた よた
女「…君を買うだけのお金は貰ってるつもりだよ」
ぷし
ごきゅごきゅごきゅ
飲みますか?
(続く)
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