後悔のないように

夢をみた。

淡雪のような儚い夢を。

「もしかして……」「万が一……」があるかもしれない。

そう思ってしまったのだ。

その隙をつかれた。気づいたら根こそぎ、エネルギーとお金を吸い取られていた。先日やっと綺麗なエネルギーと入れ替わったばかりだったのに。全てもっていかれた。お金は、日常生活での支出が増える形で強制的に手放さざるを得なくなった。

その影響か、依頼や問い合わせがぱたりと止まった。

本当に死活問題。

しかし、それを悪気なくするのがエナジーバンパイアというやつだ。

今回は単なるエナジーバンパイアではなく、エナジーバンパイアばかりが集まっているSNSアプリに飛び込んでしまった。

淡雪のような夢をみた代償は、死活問題に発展するまで大きかった。

人間の想いの集合体というのは本当に大きな力をもつ。

10日。

たった10日で死活問題までに吸い取られていた。

夢をみたのが悪かったのか？

いや、人間なのだ、淡い夢くらい見る。淡い期待を寄せることもある。人間は、私はそれほど強い存在ではない。

だが、そこにつけいるのがエナジーバンパイアなのだ。今回は特定の個人ではなく、エナジーバンパイアばかりが集まってアプリ自体がエナジーバンパイアになってしまっていたので、私は気づくのが遅くなった。

過去に残した少しの後悔。

それが、夢をみた原因。

あの時ああしていればまた違う結果だったのでは？

その後悔が判断を曇らせた。

あの時、仮に違う選択をしていても結果は変わらなかった。なぜなら、当時の私の器量ではその結果以外なかったからだ。

それでも。

ああしていれば違ったんじゃないか、という後悔が私の目を曇らせた。

やりきった上での結果ではなかったから。後悔が残った。

だからこそ。今は、いや、あの時から、何に対しても後悔するような生半可な選択はしていない。それだけは断言できる。

残った後悔は少しずつ昇華していくしかない。

あの時から20年近くたった今でも昇華できていなかったことに、我ながら驚いている。

死ぬまで昇華できないかもしれない。

それでも、判断を誤らないように、目を曇らせないように。夢に縋らないように。生きていくしかないのだろう。

なんと因果な人生だろう。

それでも進まなければ。

過去の選択が現在を形にしている。現在の選択が笑顔溢れるものに繋がるように、後悔なき選択をしていこう。