アタック25の話(5)

筆記試験は通過したものの、合格通知は届かない。それが何度か続いた。やがて、クイズに対する情熱も薄れ始め、気づけば予選に参加することすらなくなっていた。

月日はさらに流れ2021年。「パネルクイズアタック25」は9月26日、46年の歴史に幕を下ろした。残念な気持ちは当然あったが、参加できなかったことを悔しがることもなくなっていた。「あの場所は自分が立つ場所ではない」という思いがあったからなのかもしれない。


しかし、夢は終わりではなかった。そう、BSJapanextに舞台を移し、アタックは復活した。予選開催の告知もあり、久しぶりに応募…といきたかったが、私の住んでいる名古屋では予選がない。東京か大阪へ行く必要があった。だが、予選落ちすれば時間もお金も無駄になるのではないか。即決はできなかった。

そんな私の背中を押してくれたのは母だった。
「落ちてもいいから受けてみればいいじゃない。日帰り旅行に行ったと思えばいいし。」
こうして予選に再び応募したところ、一次選考を通過し、予選会参加が決まった。2022年4月10日、私は大阪へ向かった。

つづく


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