2023年2月中旬の日記

・仕事。仕事仕事仕事。仕事のことばかり考えている。仕事してないときでも仕事のことばかり考えていることに気づく。余計なことをほとんど考えられないままだいぶ長い時間が過ぎた。KIRINJI「雑務」みたいな書き出しだがまったくもってエンターテインメントではない。
 業界が崩れていく時ほど仕事は増える。沈みかけの船と同じだ。水をどんどんバケツでかき出さなきゃならない。かき出してもかき出しても水は底の穴からどんどん入ってくる。体は疲れ、感覚はどんどん鈍くなっていき、そのくせいらいらはつのって怒りの感情だけは唯一鋭くなっていく。一日中、一週間、一ヶ月、延々それを続けて、でも船は結局少しも前に進まないままだ。
 たぶんこれは自分に限ったことではないんだろう。雑に言えばこの国のだいたいがそうなっているのかもしれないし。
 なんてことを考えながら職場の飲み会で人事の人と話してたら、おれの残業時間が社内トップ3に入るらしいことがわかった。ウケる。どうにかしてくれよ……。

・とか言ってたら来年度からさらに渦の中心に引きずりこまれて大変になりそうな予告を受けてますます足抜けできない流れになりつつある。物書きとしてどうすんの問題、だいぶ分が悪い展開です。5月に短編集出したいなとか思ってたが到底無理だなこりゃ。
 とか言うとただでさえ少ないお誘いがさらになくなりそうなので、人生に抵抗するためにもよければ皆さま軽率に執筆や酒などお声がけください。

・もう残業中には堂々と音楽を聴くようになってきたので、前よりは多少気になる音楽を追っかけられるようにはなってきました。よかったものをいくつか。

・入浴の最中、子供が体を洗った泡をお風呂遊び用のコップに溜めて、「これお風呂にいれちゃだめ?」と聞いた。
 だめだよ。お湯が汚れちゃうからね。
 そう言うと子供は「ちょっとだけでもだめ?」とさらに聞いた。
 少し迷った。なんでだめなんだろう? 汚れる、といえばまあ汚れる。でも健康被害が出るような不衛生ではまったくない。そもそも自分が風呂に入る方がお湯は汚れるだろう。
 でもそれはやっぱりやっちゃだめなのである。衛生的に、というよりは生理的に、もしくは倫理的に。やっぱりいやだからやめてね、と言ったら子供は無言でお湯遊びに戻った。
 こういう、「論理的には筋は通るけど生理的には相手が嫌がる、みたいなことをやらない倫理」とでも言うべきものをどうやって説得力をもって子供に伝えればいいのか、まだよくわからない。でもそれは、これからの世の中を生きていくのになおさら持っていてほしいものでもある。

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