2024年4月前半の日記

・ずいぶん久しぶりに、平均して7時くらいに会社を出られる暮らしに戻りつつあるかもしれないと、かすかな希望を抱いていますが、気分はうっすらと憂鬱にとらわれた日々を送っています。
 楽しいことはしばしばあるのになんだろうこの下塗りのようにキャンバス全体を曇らせる鬱屈は、と考えてたんですが、わりとシンプルに未来への希望とか目標を見失ってるからっぽいですね。
 世界の状況は絶望するに十二分に足るありさまで、昨日より今日が良い世界になるとはこれっぽっちも思えない。(そんな中で少しでも世界をマシにするべく抵抗し、声をあげ、手と足を動かしている方々は本当に尊敬します。自分にはそれができないのでいくばくかの署名と寄付くらいで罪悪感に覆いをかける日々です。)
 自分の人生でいうと、仕事は天職に近い適性を発揮しているもののそのせいで責任は重くなり、一方緩やかな低空飛行を続けていた業界環境がここ数年で激しい乱気流に巻き込まれ、体勢を立て直したいところなのに進行方向には別の嵐が見えている状況で、ひとつだけわかっているのは、このままいけばまだあと20年は続く会社員生活が今後もっとハードになるばかりということ。
 子供の成長は楽しみだけど、この子もこの日に日にほころんでいく世界で生きていかなきゃならない苦しみをいつか自覚せねばならないのか、と考えるとなかなかにツラい気分にもなるし、そのサバイバルスキルを身につけられるよう導く責任も感じるし。
 そんないろんなものが背中にのしかかってきている中で、それはもうびっくりするくらい創作意欲の湧く余地がないんですよね。防御機能としてそういう脳内物質の分泌が抑えられているんじゃないかと思うくらい。
 ここの目標が失われていることが、地味にかなり精神に影を落としている感覚があります。ひとつのペルソナが失われつつある怖さがずっと視界にチラついているというか。自分の社会的人格と伊藤人格の両立がだいぶうまくいかなくなってきている気がします。Twitter(現ペケ)がろくでもない場所になってしまったこともかなり影響してはいるはず。
 サバティカルみたいな、1年間くらいの充電期間を取りたいすね。そういう制度ないかな。

・4/13に渋谷のいろんなライブハウスで行われるサーキット型のフェス、SYNCHRONICITYに行きました。betcover!!とイースタンユースとKIRINJIがまとめて観られて大満足です。
 betcover!!は時間→卵→馬と矢継ぎ早に発表された傑作でどんどんスケールが広がり完全にフェーズが変わった感があったので早く観てみたかったんだけど、期待に違わぬ素晴らしいライブでした。柳瀬二郎から匂い立つ、昭和の刑事ドラマみたいなダンディズム。ワンマン行きたい。
 イースタンユースは、気づけば20年は聴いてるのに一回も生で観たことなくて、最近見られる時に見ておかないと後悔するなと思うことしきりなのでちょうどいい機会と思ってたんですよ。が、いきなり「夏の日の午後」→「砂塵の彼方へ」→「踵鳴る」→「青すぎる空」と畳みかけられて、そんな冷静に構えていられるわけがなかった。マジで泣きそうになりました。世代直撃のセットリストにぶち抜かれたのはもちろんなんですけど、吉野さん、本当に体を引き絞るように声を張り上げるんですよね。一度生死の境を彷徨った還暦近いおっちゃんが、活動開始から30年以上経った今もこんなに魂そのものをぶつけるようなステージをやってる。なんか、久しぶりに元気が湧き出てくるような感覚を思い出しました。この人がこんだけやってるんだからおれもがんばらないとな、と。
 KIRINJIも生で見るのは初めてだったんですが、全く危なげない横綱相撲ぶり。最後に「時間がない」やってくれたの嬉しかったな。そしてサポートメンバー含め演奏がうますぎる……中でもキーボード&ボーカルの小田朋美さんの存在感が印象的だったので調べてみたらCRCK/LCKSの方だったのか。名前しか知らなかったんでそちらも聴いてみたら好みのかなりど真ん中でした。
 渋谷だったのでフェス感はあまりなかったけど、そういやフェスそのものに子供産まれてからほぼ全く行ってない。フジロックはいつか子連れで行きたいと思っているけど、肝心の本人がそういう音楽に全く興味がない子供に育ってしまっているのですよね……。家族に居間で音楽をかけるのを禁じられた結果、その辺の刷り込み英才教育に失敗しました。歩くの嫌がるからステージ間連れ回しも絶対無理だし、行くなら自分の観たいアクト観られるのは1日1組、くらいの覚悟で行かないとなんですよね……そこまでして行かなくてもいいかな……。どこまで子供を親の趣味に連れ回すかはなかなか難しい問題なんですよね、なぜなら無理やり連れてった親の方がたいていめちゃくちゃ大変な目に遭うから……。

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