2023年5月ごろの日記

・ずいぶん間が空いてしまった。
 書いていない間にもいろいろなことがあり、ある程度の量の下書きがこの裏にひっそり保管されているけども、もう出す時期を過ぎてしまったのでそのままお蔵入りだと思う。
 下書き。今の暮らしが、ずっと何かの下書きであるような気がしてきている。そうして下書きのまま、完成されずに終わっていくような気もする。

・ともあれまずは先日の文学フリマ東京について軽く。
 今回は新作も何もないどころか、ブース申し込みを忘れたまま申込期限が過ぎ去るという始末だったのだけど、ありがたいことに現代文化研究会と、鴨川エッチ研究会からお声がけいただいて売り子と委託販売をさせていただいたおかげで、むしろ普段より盛りだくさんな感があった。我ながら幅広い研究範囲である。
 前者はスズキロクさんら学芸大の千田宏幸ゼミの方々が中心となって年2冊ペースで『F』という批評同人誌を発行しているサークル。前にオカルト特集号で「まさおくん」という妙な短編を載せてもらったこともある。

 後者は暴力と破滅の運び手さんやバゴプラの井上彼方さんらが主催した「エッチな小説を読ませてもらいま賞」の、受賞作をまとめた冊子を頒布するブース。


 ハイライトは暴破運さんとフマノヒトさんと「エッチな小説を読ませてもらいま賞アンソロジーです!113作から選ばれたエッチな小説が詰まってまーす!」などの口上を朗々と述べながらハートのホログラム加工をなされた冊子をウィンウィン揺らして売ったことと、Fの方々と行った打ち上げの店選びが勢いで選んだにしては当たりを引いてスズキロクさんから「ノーベル妻店選び賞」を授与されたことです。みなさんありがとうございました。

・そろそろ久しぶりに告知することがあるので、もう少し気持ちをアゲていかんとならんのですが、ずっとぼんやりしています。バーンアウト気味。

・毎日インスタで服ばかり見て休日は古着屋を延々掘る、という熱狂がようやく少しおさまってきたのは夏になって服のバリエーションに制約が出てきたからだろうか。
 なんのためにファッションを追究するのかは、「その服を持っている/着ることでアガるかどうか」に尽きるというか、完全に自分の心にバフをかけるためにやってるのが明白なんだけど、夏場はそれ以前に暑すぎて着たい服をろくに着られない……。
 服のことをもっと考えたいのだけど、最近考えてることを言語化しなさすぎてうまくまとまらない。いっそのことインスタで買った服をアップしつつブツブツつぶやくのもありだと思い始めているけど、なにしろ家の生活感が強すぎて物撮りができるようなスペースが皆無。オシャレピープルはなんであんなに部屋に物が少ないわけ?

・古着を少し見るようになって、物の価値については前より考えるようになった。古着を買う時おれは何を買っているんだろうか。タグなどのディテールから読み解けるようなスペック、そこから推測されるけれども決して明かされることはない物語、買う決断を下すに至るまでのシチュエーションと経験。古着には、新品の服よりそういった情報が山ほど追加でのっかっている。それは理解できるし確かに面白い。
 でも、「古い服の方が品質が良い」という側面についてはいまだに実感が湧かない。それを知るためには本当に質の良い服を実際に身につけて暮らしてみるしかないのだろうけど、そこに踏み込むにはまだ自分の軸があまりに定まっていない気もする。バカ舌の人間がいきなりフレンチの高級店に乗り込んで訳がわからないまま「牛丼の方がうめえな」って感想に落ち着くような事態が目に見えている。
 服の質に対する解像度はどうやったら高められるのだろう。素材、縫製、パターン。これらが服を着た者の感覚にもたらすもの、その因果関係がまださっぱりわからない。高い服買って着まくればわかるものなんですかね?

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