両方やれや(7日目)

一週間毎日書くのを続けてみて、そのネタの思いつき方によってこれは別のタイプの精神的筋トレになるようだ、とわかってきた。

事前に書くテーマのもとをメモる形と、ぶっうけでイチからワンテーマ書く形とで、使う脳みその場所というか、使い方が違う。

まず、思いついた時にメモを取って、後からそれを完成させる形にすると、当然だけどメモする習慣が鍛えられる。

頭の中にぽこっと浮かんだ泡を逃さず、割れないままでキープするのは、慣れてないと案外難しいものだ。
たった一言でもきっかけになりそうなことを思いついた瞬間に、早撃ちのようにメモを取る。
メモが取れない時には頭の中にメモしておく。
これがめちゃくちゃ下手くそだということに、実際やってみて気づいた。

まずメモするのがめんどくさい、というささいな気持ちにことごとく足をすくわれる。
そのめんどくささは本当に大したことないハードルなのだが、メモの内容もあまりにささいなものであるせいで、意識しないとそのめんどくささすらもなかなか超えてきてくれないのである。
「上司のネクタイの柄よく見ると柴犬」みたいな事柄を、何かやってる最中にデバイス取り出してメモしてまたしまってまた戻る、という工程を経てまでメモりたいのか。
そう考えると死ぬほどめんどくさくなるのだが、そこを超えるからこその筋トレなのである。

ぶっつけでいきなり書く、という方が自分は得意らしい。
これは思考の瞬発力みたいなものが要求される。
日頃のメモとりが長距離走だとすれば、こっちは短距離だ。
今からやるぞ、30分以内、と頭の中でスイッチを入れると、不意に思考のモードが「活性化」される。
書く、書く、とにかく書く、書きながら考え考えながら書く。
途中で壁が見えるのを、アクセル踏みっぱなしでハンドルをぶん回して避け、方向を走りながら変える。
それを繰り返すうちに、気がつくとなんかそれっぽい文章ができている。
その精度、反射速度を上げていくにはこのやり方がいい。

ただ問題がひとつある。終わったらスイッチが切れることだ。
ドラゴンボールで言うと界王拳である。
やってる最中は普段の数倍の力を出してるが、終わると脳も終わり、アーやったったやったった、と気の抜けてあとは寝るだけのおじさんが残る。
この毎日書くやつを書くことだけが目的ならそれでいいんだが、おれは他のものを書くトレーニングのためにこれを始めたんではなかったか。
そういう本末転倒感も含めて筋トレ感はあるが。

というあたりでいい具合の分量になったので、本日の「両方やれや」のコーナー、この辺で失礼させていただきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?