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菊地裕司くん2020.11.8 Live Streaming at福山Cable「inori」ライブレポート

個人的な見解だけど、ライブは観客に「音」ではなく「アーティスト自身の温度」を感じさせることができたら勝ちだと思ってる。
わたしがそういうライブを勝手に好きというだけなんだけど。

アーティストの技巧とか、ビジュアルの美しさとか、非日常感、売れていたり大御所のアーティストを見れる贅沢感とか。
もちろんそういうポイントをしっかり押さえたライブも最高なんだけど、
アーティスト自身の人生がパフォーマンスに根付いていて、どういう気持ちで生きてきたのか感じれる時間を過ごせるとしたらそれはすごく貴重なことだと思う。

菊地くんの今回のライブは、まさにそういうやつだった。
菊地裕司という1人の人間の温度をめちゃくちゃ感じた。
シンガーソングライターのライブってまあ大体が考えていることとか気持ちが伝わりやすいものではあると思うけど、菊地くんのライブは演奏が始まった瞬間から「この人めちゃくちゃ素敵な人だ…!」ってことが、じんわり温かい優しさと若い男の子らしい(誰視点?)パッションがあるってことが、
ちゃんと伝わってきた。

実は菊地くんとわたしはライブでちょろっと会ったくらいの仲なんだけど、お互いに多分気になる部分があったから、しばらく何年も会っていないけど未だにこうしてやり取りしたりする関係にいるから人生不思議よね。
文章書いてください!って言われたの恥ずかしながら初めてなのですごく嬉しくなってるので張り切っている。

すでに観て余韻に浸ってる人も、気になってるけどまだ観てない人も菊地くんの魅力が最大限に伝わるように頑張ってライブレポート書こうと思う。

今回のライブのサポートメンバーは
keybordとコーラスとしてさいとういずみさん、
ドラムが槇井龍二さんのお2人。

いやあこのお2人凄かった。
どこが凄かったかは後の曲ごとの説明でたっぷりするとして、
まずキーボードとコーラスご担当のさいとういずみさんが、
とにかく!ものすごく!美しい方だった。

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大人の女性の色気・美しさってこういうことをいうのだなあ包み込んでくれそうなあたたかさを感じるなあ。見習います。(突然どうした?)
とにかく美しくて、キーボードもすごく安定感のある繊細で綺麗な演奏をされていて、同じく鍵盤を引いている身としては鳥肌が立った。

ドラムのマッキーさんも良いお顔立ちをされていた。
マッキーさんと菊地くんの間に信頼関係が築かれているというか、
2人がすごく仲良いことが伝わってきた。
この2人のMC中の掛け合い心癒されること間違いなしなので、曲の部分だけ観てMC飛ばすやつはわたしが許さないよ。
マッキーさんのドラムソロがとにかくクッソカッコ良かった。
ドラムの音に透明感があって菊地くんの曲にマッチしていたのが印象に残ってる。詳しいことは個別の曲のときに。

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さて、ライブレポートと言えばまずセットリストかな。
菊地くんの曲は本当にどれもお世辞抜きに名曲揃い。
こう言われるのを本人がどう思うかわからないんだけど、最近弊社原作の月9ドラマ「監察医朝顔」の主題歌を担当している折坂悠太が書くような曲が好きなら絶対に好きだと思う。(しっかり自分の会社も宣伝。「監察医朝顔」原作の漫画もすごく面白いので買ってください。)

素朴なんだけどしっかり伝わってくる。
下のセットリストは菊地くんのspotifyのページに飛べるようにリンクを曲名に貼ってるので飛んでみて。

1.タガタメノヒカリ
2.ドレイクの方程式
3.Your Body Is a Wonderland (John Mayerのカバー)
〜今夜はブギーバックver〜
4.Don’t know why (Norah Jonesのカバー)
5.ドラムスティックホームレス
6.inori
7.父へ、母へ
8.一葉の舟

1.タガタメノヒカリ
まず1曲目。
音源とは違ってアカペラからのスタートだった。
気づいたんだけどドラムとキーボードとギターだけの構成でベースがいないから物足りないんじゃないかと思いきや、
聴きごたえが抜群。
音源のギターアレンジがそもそもすごいんだよね。
無駄に動いてるわけではないのに、節目節目で奏でる弾むようなメロディーとか飾りがすごくお洒落で物足りなさを感じさせない。
菊地くんの魅力・アーティストとしての凄さとしてギターがすごくうまいしちゃんとどんな音楽に影響されているのかがわかるのに真似ではなくてちゃんとオリジナルのギターとして完成できているところだと思っている。
「僕は僕でいられる」っていう一番伝えたいであろうメッセージを綺麗な高い声で繰り返すのうまいわあ嫉妬するわあ。

2.ドレイクの方程式
わたし菊地くんの曲が全部好きだけど、一番好きなのがこれ。
この曲本当に名曲で、何かのドラマの主題歌になってないのがおかしいくらいのクオリティなのよね。最近売れ筋の路線を全く追ってないんだけど、どの世代にもちゃんと「良い曲だなあ」と刺さるまじで良い曲だと思う。
イントロのギター良すぎ。
ライブでは、菊地くんが1人でイントロのちょいアレンジ効いたギターソロを弾いて始まったんだけど、
いやーこれは完全にトム・ミッシュ(笑)
3曲目でジョンメイヤーをカバーしてるからもしかしてジョンメイヤーかもしれないんだけど、恥ずかしながらジョン・メイヤーをそんなに詳しく聴いたことがないのでトム・ミッシュをダイレクトに感じてた。
この入り方あざとすぎるなあ。
そしてピアノとドラムが一緒に入ってくると、そのあまりにも上手で繊細な入り方に脱帽する。このドレイクの方程式は万人受けすると断言できるし、演奏が最高だったのでまだ観てない人はこの曲を観るためだけのために今からチケット買っても無駄じゃないと自信を持って言えるよ。
Aメロのピアノも音源とは一味違う、ジャズを感じられる大人な雰囲気で素敵だったなあ。ドラムのハイハットもなんかすっごい綺麗。シャンシャンしてて雰囲気的にはクリスマスソングアレンジバージョンも聴きたくなるようなドラム。わたしドラムに「透明感」とか「綺麗」とか形容したことそんなにないんだけど、マッキーさんのドラム本当に人生で初めて思うくらい綺麗。いつか生で聴きたい。
ドレイクの方程式まじで最高です。

3.Your Body Is a Wonderland 〜今夜はブギーバックver.〜
いわゆるマッシュアップというやつですね。
これはねえいずみさんのハーモニカがすごく活きていたという印象があるなあ。マッシュアップで言語も英語と日本語が混ざるのってなかなか難しかったと思うけど違和感全くなく、クオリティ高く。凄かった。

4.Don't know why
これはリクエストをもらって演奏したそう。リクエストされたというより自発的に選んだかのように思われるほどマッチしてた。
一旦マッキーさんはお休みして、いずみさんのセンスありすぎるエレピと菊地くんの歌声だけが響く。ノラ本人の音源のアレンジは、菊地くんの色んな曲や今回のライブでのアレンジと共通点を見出せるポイントが多いなあとパッと聴いて思った。ドラムの音や聴いている人に与える安心感、程よいエロティックさを感じるピアノ、抜群の音楽センス、全体的に物凄いレベルの演奏力。ノラを最近あんまり聴いてなかったからこそ呼応する感じがしたんだけど、そうかあこれリクエストでやったやつなのかあ。

5.ドラムスティックホームレス
マッキーさんの魅せどころ。まじカッコ良かった。
ドラムをカッコ良く叩ける男はそれだけで惚れてまうので何回もリピート再生した。本番一発とは違って何回もリピートできるのがライブストリーミングの良いところ。福山Cableさんありがとうございます。
これが一番シンガーソングライターっぽくないバンドっぽいサウンド・メロディーだった。
てか菊地くん、歌もギターも色んなジャンルできるのがすごい。色んなジャンルを全部魅力的にパフォーマンスできる。
いつかガチガチのバンドサウンドにも挑戦してみてほしい。
心の葛藤を感じる曲なんだけど、綺麗めな曲が多いからどのくらいざらついた雰囲気が出せるのかなあと正直面白がってみていた部分があったけど見事にギャフン言わされた。
音楽性の幅広さも、彼の強みだ。

6.inori
この曲のジャケ写の女の子すごい可愛いですよねえ。
歌詞に出てくるおでこもめっちゃ可愛い
これは全曲弾き語り。
今までなんでこんな編成なのに物足りなくないんだろうと不思議だったのが全て解消された。
弾き語りでギターと歌声だけでも厚みがあるんだ。
この歌詞すごいイケメンだしこんな歌恋人に歌われたらえへへって笑っちゃうんだけど、それをわざわざ弾き語りにしたのは戦略を感じる。
その戦略は正解。
とても良かった。
月が頭の中に浮かんできたもの。

7.父へ、母へ
一番本人としての強い意志を感じたのはこの曲。
このライブが彼自身の温度を感じられるライブだと申し上げたのはこの曲があるからだと言っても過言ではない。
曲はさだまさしっぽいの。
結構懐かしい香りをさせるメロディーね。
歌い方一番熱を感じたのはこれだなあ。
最初のピアノソロは音源化しないと本当にもったいないと思うくらい本当に美しかった。リバーブのかかり方ってバラードを頻繁に聴く人は分かると思うんだけど、胡散臭いやつあるんですよ。
ああ、これバラードのちょい泣ける感じを押し付けてくるなあみたいな。
それがない。冷静に仕込まれた大人のリバーブのかかり方だった。
もうこのピアノだけで一億点です
まあある程度大人になると両親にまだ恩返しできてない自己嫌悪が渦巻いて夜眠れなくなるなんてことがよくあるんですが、
この曲は「いつか絶対するから」となんかちょっと泣けてくる切実な思いが伝わってきてすごく本人の素の気持ちが伝わってきた。
アーティストとしてというよりも1人の人間としての心の熱量がドワーーーーーッてきてすごく良かった。こういうのあると、ライブみて良かったなあって思う。

8.一葉の舟
最後の曲。
菊地くんは聴くひとを楽にさせるような曲を歌いたいんやね。
菊地くんのメッセージの後に
結構長い楽器だけで演奏する時間があるんだけど
めっちゃエモかった。
3人でないと出せない音があるのだなあと思った。
これはいつか絶対に生でみたい!

以上、菊地くんのライブレポートでした。
ライブレビュー的なのを書いたことがないし、
正直大丈夫かなという感じなんだけど、
一瞬出会っただけの人とこうして繋がることのできる
不思議なご縁を感じて、
また彼の書く曲のファンとして
今回書きました。

彼の音楽がもっと色んな人に届きますように。

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