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RAW動画撮影と圧縮動画撮影の違いとメリット・デメリット

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動画のフォーマットは、さまざまな種類があり、その中でもRAW動画と圧縮動画(mp4やmov)はよく使われる形式です。
写真ではRAW撮影JPG撮影が一般的でしたが、データ転送速度が速くなったこともあり動画でもRAW動画の撮れる機種が増えました。
これらのフォーマットには異なる特性があります。
この記事では、RAW動画と圧縮動画の違いを説明し、それぞれのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

同条件RAW動画撮影とmov動画撮影の画像キャプチャー

RAW動画の特徴とメリット・デメリット

RAW動画とは

RAW動画は、カメラやビデオカメラが映像データを収集する際に使用される未加工のデータ形式です。
この形式では、映像センサーからのデータがそのまま記録され、圧縮や処理がほとんど行われません。

RAW動画のメリット

  • 高品質: RAW動画は情報の損失がほとんどないため、非常に高い品質で映像を保存できます。色の表現範囲が広く、細かいディテールを保持します。

  • 柔軟性: RAWフォーマットは、撮影時の設定や編集後の調整において非常に柔軟です。露出や色調の調整、ホワイトバランスの変更など、多くのパラメータを細かく調整することができます。

  • レタッチ: RAW動画は編集に適しており、後から色調補正やノイズリダクションなどの処理を行う際に圧縮されていないためより良い画質を保ちやすいです。

RAW動画のデメリット

  • ファイルサイズ: RAW動画は未圧縮のため、ファイルサイズが非常に大きくなります。これにより、保存や転送に時間と容量が必要となります。筆者が使っているSIGMAfpの場合は1TbのSSDに40分程の収録になります。

  • 処理の負荷: RAW動画はデータ量が多いため、コンピュータの処理に高い要求をもたらします。編集や再生にはパワフルなハードウェアとソフトウェアが必要です。それを避けるためにはプロキシーと呼ばれる簡易の軽い動画データに置き換えて編集するなど余計な作業が必要な場合もあります。

  • 専門的な再生ソフト: RAW動画は一般向けの形式ではないため一般的なPCソフトでは再生できません。そのため他者と共有するためには現像をして一般的な圧縮フォーマットにする必要があります。

  • 高価な撮影機材: RAW動画撮影は元々プロフェッショナルのための撮影方法なためもあり、RAW動画撮影できるカメラは一般的に高価なものになります。最近は安価なカメラも出てきましたがそれでもRAW動画撮影できないカメラと比べると高価な機種になりやすいです。

圧縮動画の特徴とメリット・デメリット

圧縮動画とは

MP4やmovなどのコーデックが使用された動画です。圧縮されたマルチメディアフォーマットの一つであり、一般的に使用される動画フォーマットの一つです。映像・音声・メタデータなどの情報を効率的に圧縮し、ファイルサイズを小さくします。

圧縮動画のメリット

  • 圧縮率: 圧縮動画は効率的な圧縮アルゴリズムを使用しているため、比較的小さなファイルサイズで映像を保存できます。これにより、ストレージ容量の節約やネットワーク上での高速な転送が可能になります。

  • 一般的な再生対応: 圧縮動画は広くサポートされているフォーマットであり、多くのメディアプレーヤーやデバイスで再生が可能です。これにより、共有や再生の便利さが向上します。

  • ウェブ共有: 圧縮動画の中でも特にMP4フォーマットは、ウェブ上での共有に適しています。多くのオンラインプラットフォームやソーシャルメディアサイトでサポートされており、撮ったものがそのまま簡単にアップロードや共有ができます。

圧縮動画のデメリット

  • 品質の低下: mp4をはじめとした圧縮動画はデータを圧縮するため、一部の情報が失われる場合があります。圧縮率を高めると、映像の品質が低下する可能性があります。昔に比べ圧縮コーデックの性能が向上し劣化は少なくなっていますが、圧縮劣化は避けられていません。

  • 編集の制約: 圧縮動画は圧縮されているため、編集時には制約があります。例えば、一部の編集操作やフィルターの適用によって画質が低下することがあります。

  • 柔軟性の制限: 撮影時に色域などが圧縮されているため白飛び・黒潰れ・階調の減少などが発生しやすくなってしまっています。そのためRAW動画ほどの柔軟性はなく、色の破綻が起きやすくなってしまいます。ホワイトバランスや露出などの設定を撮影後に変更することが難しい場合があります。

同条件での比較

同条件でどの程度差が出るのか動画にしましたので、実際に見た目で確認したい方はこちらをどうぞ。

まとめ

RAW動画とMP4やmovなどの圧縮動画は、それぞれ異なる特性と利点を持っています。RAW動画は高品質であり、編集の柔軟性がありますが、ファイルサイズが大きく処理が負荷となります。一方、圧縮動画は効率的な圧縮と一般的な再生対応があり、ウェブ共有に適していますが、品質や編集の制約があります。
動画の用途や要件に応じて、適切なフォーマットを選択することが重要です。


筆者:哉司
1998年から3DCGをはじめ、ゲーム会社インターンを経て映像制作会社でTV番組、MV、CMなどを学ぶ。
2004年にフリーの映像ディレクター、グラフィッカーとなる。
街頭ビジョン、TV番組、自主映画、カメラマン、俳優、Youtubeなどで活動している。
監督出演作「殺し屋ジャスティスレッド」

運営Youtubeチャンネル「自主映画応援チャンネル」


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