ついている誰も知らない男の面白くも悲しい話 森 浩昭 / Hiroaki MORI 2024年9月25日 15:01 あなたを覚醒させてみせましょうThe Beatles “A Day In The Life”I read the news today, oh boyAbout a lucky man who made the gradeAnd though the news was rather sadWell I just had to laughI saw the photographHe blew his mind out in a carHe didn’t notice that the red lights had changedA crowd of people stood and staredThey’d seen his face beforeNobody was really sureIf he was from the House of Lords新聞のニュースを読んだあるついている男の やっちゃったお話さむしろ悲しい出来事なんだけど笑わずにはいられなかったよ記事の写真を見たらね運転中に意識がとんで、信号が変わったことに気づかずに野次馬が集まって彼の顔を見たけど、誰も彼が貴族院議員だって気づかなかったよ多忙を極めるビートルズがツアーを中止します。同時にスタジオワークを中心とした活動によりその作品のクオリティを向上させています。彼らが置かれていた当時を想像すると…。月を目指す大きな夢の一方で毎日の色々な出来事が起きています。社会全体が人間性と向き合っている気分を味わいながら、ちっぽけなお話がむしろ興味の対象です。今よりも限られた情報環境ではありますが、歴史的にはとてつもないくらい開かれた情報の洪水の中にビートルズのメンバーだけではなく多くの人が飲み込まれはじめています。I’d love to turn you on—あなたを覚醒させたいーそんな時代のキーワードをこの歌詞の中に見ることができます。Woke up, fell out of bed,Dragged a comb across my headFound my way downstairs and drank a cup,And looking up I noticed I was lateFound my coat and grabbed my hatMade the bus in seconds flatFound my way upstairs and had a smoke,Somebody spoke and I went into a dream朝起きて、ベッドから転がるように飛び出して櫛を無造作につかんで髪をとかす階段を慌てて降りてコーヒーを飲み込んですでに遅れていたことに気づくとコートを探して帽子を手にする間一髪でバスに飛び乗り2階に上がって一服する誰かが話しかけてきたけど退屈でウトウトと夢心地変わり映えしない毎日を実感するためのそれぞれのルーティン。オーケストラの演奏によってつながるジョンとポールのパートは対照的です。四つの全く異なる個性が束ねられたビートルズの全てがここにあります。買ってもらったステレオでレコードに針を落としてこの曲を初めて聞いた時に感じたなんとも言えない高揚感と焦燥感は今どこに行ってしまったのか?と歌詞を眺めながら考えています。実感のない開かれた世界となんでもない日常の間に存在する私。そんなものだと思えば、矛盾すら感じないでしょう。最後のピアノの音に向かってこの楽曲に仕掛けられたたくさんのイタズラを想像するとそんなふうに思えてなりません。さぁ、今日も自分の人生をいきましょう。楽曲紹介:”A Day In The Life” 1967年に発売された8作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に収録されています。レノン=マッカートニーの作品ですが、曲の大部分は1967年1月中旬にジョン・レノンが書いたものとされています。中間部分のみポール・マッカートニーが書いており、印象的なオーケストレーションが二つの個性をつないでいます。https://x.gd/9AJzc よろしければサポートをよろしくお願いいたします! みなさまのお役に立てるようにこれからも活動を続けます! 今後ともどうぞご贔屓に! サポート