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サンクコストという視点を取り入れてみたら。

初めてサンクコストという言葉を聞いた時は、サンクス・コストと思ってしまった。「ありがとう❤️」って言って支払う喜捨みたいなものかなっと。

で、よく読むと、Thanks costでなくてsunk cost(沈む sink )らしい。日本語では「埋没費用」と呼ぶ。

経済学ではお馴染みの用語だが、「サンクコスト」とは、すでに投資してしまって、戻ってこないお金や時間のこと。
そして「サンクコスト効果」とは、投資してしまったものに対し、費用や時間を投資し続けることが損失につながる可能性が高いのに、「もったいないから」と感じてやめられなくなってしまう現象のこと。

代表として、「コンコルド効果」があげられる。

株の損切りができない。
長年勤めた会社をやめられない。
買った本が面白くなくても最後まで読む。
つまらない映画だと分かっても、途中で映画館を出て行けない。

それ、みんな 私のことですやん。

と思うほど、サンクコストという切り口で自分の思考を見た時に、これに囚われてきた人間だと分かった。

店のポイントカードを忘れたり、「特売デー」に買い物をしなかったら、もんどり打つほど悔しい。

バイキングや飲み放題では、元を取らなければ気が済まない。


そして、実は次女が亡くなったことに私が抱く悔しさもサンクコストといえるんじゃないの?と気がついてしまった。

悔しさは、なぜ救ってあげられなかったのかというのもあるが、正直、これまでかけたコスト(時間と経費)を回収できないという悔しさがあるのを認める。


子供二人が標準の時代に、四人の子供を育てるのは並大抵ではなかった。
次女の誕生から1歳5か月して双子が生まれたのだから、三つ子と言ってもいいような状態だった。
どんな想いをして子育てをしたか。
小さい時は睡眠時間を削り、体力をふり絞り…
大きくなってからは、学費や結婚資金などを働きまくって用意した。
人の倍は働いた。そして合間を縫って沢山、勉強もした。

特に次女は四人の中で一番手のかかる子で、結婚してからも面倒を見まくった。それこそ、時間とお金をかけた。

なのに、なのに、娘はいなくなってしまった。
別に老後の面倒を見てもらおうと思ってたわけではないが、せめて年がいってから、頻繁に顔をみせてくれたり、通院などの手助けなどをしてくれるだろうと思っていたのに、この有様だ。

それを思うと悔しさの混じった悲しみが倍増するのだった。

だが、いつまでもそれに引きずられていては、サンクコストに囚われていると言える。
別れた彼女に掛けたコストを勿体ないと嘆くようなものだ。
もう返ってこないもののために心を使うのはやめよう。

子供たちは私に凄いパワーと時間術をくれた。
次女はどの子よりも深く私に関わって、母親であることを味わわせてくれた。

それでいい。
少しスッキリした。


サンクコスト効果は、企業側がうまく使えばビジネスチャンスにもなる。

そして私の長所である「粘り強いこと」は、サンクコストにこだわる事でもある。ここでやめたら勿体ないと諦めずに続けて、達成できたことも沢山ある。

一見、関係ないような「サンクコスト」という視点を取り入れるだけで、生き方まで変わるのは不思議なものだ。


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