石垣島編-2020年コロナ禍での旅行が教えてくれたこと。
2020年12月。
我が家はgotoキャンペーンで石垣島へ行った。2月末にハワイに行ったのでこの年、二回目の旅行。コロナ禍の中をうまくすり抜けて旅行したことになる。
もともと、海はあまり好きではない。
ていうか、海を見るのは好きなんだけど、何か落ち着かない気がして、いままで旅行先には選ばなかった。
が、2月にハワイに行ってから海も良いなと思うようになった。
日本でありながら、非日本を味わえる沖縄で、マングローブの林やら水牛に引かれたりやら、亜熱帯の島々を堪能した。
ホテルもgotoキャンペーンのおかげで、ふだん泊まれないような最高級のところに宿泊できた。
その日、ホテルのディナーが終わってから、探検気分で地元のコンビニへ繰り出すことにした。
住んでいるように旅するのが好きだ。
コンビニの場所はスマホで確認をして出発したのだが、意外に分かりにくくて、遠かった。しかも出発時にポツポツだった雨がしっかりと降ってきた。私は引き返そうと提案したが、夫と三女はもう少しだから行こうと言う。
やっと辿り着き、缶ビールやらご当地のお菓子などをゲットして、帰る頃には本降りになっていた。
12月の夜のスコール。
バケツの水をひっくり返したような、経験したことのない量の雨。
それも一度ではなく、3回ぐらい、バケツの水を顔めがけてかけられたような雨だった。
コントみたいにずぶ濡れになった。
まったく亜熱帯の気候をなめていた。
冷たくはないが、頭の先から足元まで、絞れるぐらいビショぬれだ。
なんでこんな思いをしなければならないのか?
引き返そうって言ったのに!
ホテルの売店でも買えるものなのに!
と私は腹立たしさと情けなさで一杯になった。
翌日着る予定のパーカーも靴もびしょ濡れ。代わりはない。
打ちひしがれて、その夜は寝た。
旅行から帰ってからも、しばらくそのことは家族の話題に上った。
お母さん、真剣に怒りまくってたね、と。
が、事実だけはしっかりと覚えていても、今はあの時の雨に叩きつけられる感触やずぶ濡れの気持ち悪さは感じようとしてもできない。
むしろ、何だか懐かしく、愛おしくさえ思える。
びしょ濡れ事件も込みでの石垣島旅行かなと思った。
そして、きっと人生もこんなものだ、と悟った。
全てを含んでの旅。
いいことも悪いことも。
過ぎてしまえば、すべて思い出。
きっと死ぬときにそう思うんだろう。
「人生は旅に似ている」
よく使われるこの言葉は、こういう意味も含んでいるのかと今更ながら発見した。
過ぎてしまえば、すべて思い出。
走馬灯のように巡る、人生の愛おしいひとコマ。
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