何も変わりはしないと

一体
何を期待していたんだろう
何も変わりはしないと
知っていたはずなのに

 何かが来るというだけの
 安心感 心ときめかせ
 前から何が来るか
 見もせず
 わき見ばっかり

自分は不幸なんだと
本当ならもっと幸せなんだと
思いたがる
無口になり 殻を閉ざし
今の位置を確かめようとする
霧の中で 手探りする
自分の手が 何も掴めず
気が付くと 前より
ひどいところにいる
空を見上げても意味はない
それは とっくの昔に存在をなくしている

 わけがわからず 変化に怯え
 じっとしていようとするほど
 時に流されてゆく

変わることを恐れるな!
自分を失う事を!
その時 高らかに歌う 歌い声
生命ある事の素晴らしさ、愉しさを
鮮やかな音の噴水にして
歌う
歌を 僕たちは聞く

 夢は消えるさ
 あたりまえなんだ
 消える事を恐れている
 遠い昔 悪い夢ならバクが食べてくれると信じ
 良い夢だけを観ていた あの頃
 もしかすると“良い夢”が現実だったのかもしれない

誰も愛せない 誰とも話せない
誰とも心からわかり合えない
独りで居たい このままずっと
時間は 時間はそれでも止まらず
傍らを過ぎてゆく

 誰か 誰か居ないか?
 道に迷ったのです
 もう私は疲れ果てました
 道にたおれても誰も気付かない
 そのまま息絶えても 誰も気にしない
 私は道がわからない
 ああ 誰か!

1984-07-22(日) 16:50

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