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週報117(2020.9.7〜9.13)

週報の時間です。

少し暑さが和らいできたようですが、“もうひと照り”くらいあってから秋に移るような気がしています。いってしまえば、「もうこれで暑い思いをしなくて済む」という歓喜が、ぬかよろこびになることを恐れているのです。

制作中のアルバムは、収録曲が決まり各曲を日々培養しているところです。ほとんどの力をこの制作に注いでいるので、ライブ配信はおろかTwitterの更新もままならないさまで、面目ないことですが、世間では虻蜂とらずというらしいのでこれを信じて日々を過ごしているところです。

制作中は色々な曲を聴き漁るだけでなく、本を開くこともしばしばあるのですが、今回は恩田陸氏の「まひるの月を追いかけて」を読みました。その少し前には新美南吉氏の童話集を読みました。私にとって心地よい本とは、読者を特定の結論に導くためにレールを敷いてその通りに進ませる本より、「物事を考える素材は提供しますが、何を受け取るかは読み手の自由です」というタイプの本です。そして、前掲の二著はそういう種類の心地よい読書体験を許してくれました。

○また来週…

日本の俳人に夏井いつきさんという方がいます。「プレバト」というテレビ番組への出演で知っている方も多いと思います。テレビ映えを目してか、口ぶりのパフォーマンサブルなところはありますが、俳句表現のどうあるべきかについて、その考え方は科学的な姿勢を大切にした上で生まれる文学的なものと感じられ、彼女の姿を認めるとそのコーナーいっぱいは見てしまうようになりました。

こういうとき、「番組自体がエンターテイメント色の強いものだから信用に足らない」とか「本当に偉い人はテレビに出ない」とかいう声が、いわゆる“自分の中の他人”から聞こえてくるのですが、そこは茨木のり子ですから、自分の感受性くらい、ですね。

また来週お目にかかります。

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