週報107(2020.6.29〜2020.7.5)

週報の時間です。pixivFANBOXの運営が3年目に入り、ますます制作に身が入ります。年度毎に記念品を作るなどしていますので、ぜひ覗いてみてくださいね。

ちなみに、RAVENWORKSロゴの入ったTシャツは若干在庫が残っています。夏場のお洒落にご活用ください。

さて、今週はちょっとした出来事があったので、これを元に小咄を挟んでみたいと思います。というのも、先日風呂に入る直前、脱衣ラックの裏に素早く蠢くものがあり、その認識にはコンマ1秒かからなかったと思いますが、予想に違わずこれは※「ブリ虫」でした。無視して入浴すれば、風呂場から出た時に何処へ移動しているのかを考えなくてはならず、これはおぞましいことなので、即座に対処することにしました。

※ブリ虫とは、"御気武吏"のこと。

我が家に「軍曹(軍曹とは、ブリ虫を捕食する益虫アシダカグモの愛称です)」はいませんので、自ら武力の行使をもってこの夷を討ち払わなければなりません。登場したのは掃除機。ヘッドを取り外してホース状にし、彼奴(きゃつ)のそばまで吸入口を接近させたら、電源をONにして一気に吸引します。吸われる直前、危険を察知したのか一目散に逃げようとしますが、いくら全速力で逃げようとも、さすがにこの長いホースからのがれることはできないのです。彼は掃除機のゴミストックへ収容されました。

ストックは透明なので、その中で藻搔く様子が瞭然と確認できます。当然、中は掃除で吸ったゴミでいっぱいなので、身体中に埃をかぶって真っ白になっています(俗塵にまみる、とはこのことか)。このあたりで、だんだんと不憫に思う気持ちが強くなってきました。一寸の虫にもと言うではないか。無辜の生命を無碍に奪う不粋を厭い抜くなら、その主義主張はこのブリ虫に対しても、まったく公平に適用されなければ筋は通りますまい。

こういった経緯で、リリース作戦が敢行される運びと相成りました。それは簡単なもので、近所の公園までストックごと持っていき、蓋を開けて逃してやるというだけのことです。雨降りの夜、傘を片手に「捕虜」を連れ、封を解いて身柄を解放しました。勢いよく逃げると許り思っていましたが、ストックの壁を登ってからは、徐にアスファルトの上を匍匐し、捕縛を逃れた斥候の必死さといった鬼気迫る気合いもなく、雨に打たれ身体についた俗塵を払い、闇の中へ消えてゆくのでした。

小動物にとって、こういう場合の生殺与奪は人間の都合によって決められてしまうのですが、一方で日常的に食肉を享受し、一方でその気まぐれによって虫を殺さず逃すという道理の不徹底を思いながらも、結局は「この命を奪いたくない」という気持ちに素直に従ったのでした。その判断には、おそらく最近見た以下のアニメーション作品における、「隊長」の生命倫理に影響されるところも大であったと思います。おすすめの作品です。

○また来週…

次週は七夕の週です。技芸の上達を願う習いに従えば、私は音楽制作に光の差さんことを祈るまでです。皆さんは何を願いますか?

それではまた来週お目にかかります。


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