見出し画像

読書記録①「アート」を知ると「世界」が読める

 2024年目標の一つに「たくさん本を読む」」ということを掲げました。去年よりは圧倒的に本を読むようになり、4月に入ってからは、すでに10冊以上の本を読了しました。ほとんどが自分の好きなミステリー小説ですが、残りの半年は新書やエッセイももっと読んでいきたいと考えています。そして忙しくても、その本の感想を残す時間を取れればよいと思います。あくまで、書籍を通して自分が感じ取ったことをまとめているだけなので、もっと異なる解釈が出来ることもあるだろうし、もしかしたら、作者の方の思ってもいない方向で理解してしまっていることもあるかもしれませんが、悪しからず。


「アート」を知ると「世界」が読める 山中俊之著

 昨日、「アート」を知ると「世界」が読めるという本を読み切りました。もともと芸術には興味を持っていて、時々美術館を巡っているのもあって、タイトルを読んだとき読んでみたいと思い、読みました。

 印象的だったのは、アートを「感じる」ものと考えて敬遠してしまうのではなく、異なる視点からみることで新たな思考やものの見方が出来る、と述べていたところです。
 私は、美術館へ行って、作品の背景を知ったり、メッセージを考えたりはしますが、それを日常の場面につなげる感覚がなかったというか、どこか切り離して考えてしまっていたので、そのつながりを考えていくというのは新たな気づきになりました。
 ある作品を見て、「これはこういう状況で、こういう意味を込めて作られたんだな」と感じても、特に少し昔に描かれた作品は、そこまで考えてみて終わりで、じゃあこれは今の私の生活だったり社会にどう関連しているかなとか、どう活かせるかなとかって考えてなかったなあ、と。でも、そこまで考えを膨らませられたら、もっと自分自身のキャパシティであったり、視点が広がっていくだろうと思いました。

 一日でもいいからアーティストの人と入れ替わって、同じ世界がどう映っているのか見てみたいと思います。彼ら彼女らの感受性の豊かさ、そしてそれを十分に体現することの出来る表現力の高さに脱帽します。きっと私より遥かに未来へのビジョンが浮かんでいたり、問題意識を感じているんだろうと感じます。この本を読んでさらにアーティストの方たちの洞察力の高さを感じさせられました。
 そしてそれを勇気をもって世に出せることも本当に尊敬します。自分の考えを人に見せることは、難しいと感じます。肯定されることばかりではなく、否定されたりすることも多いので。日常生活の他愛のない会話ですら、それを感じるのに、自分の根幹や信念を他人に、しかも作品にもなると不特定多数の人に見せることになると思うので、その勇気たるや。本当にすごいと思います。たくさんのエネルギーも必要で、しかもそれが必ずしも認められたり共感されるわけではないという不安定さ、不確定さは私の想像を優に超えていると思います。これからは、そんな中でも新たな道を開拓していくアーティストの方により感謝をしてかみしめながら、作品を見たいと思いました。


最近忙しくて美術館に行けていません。忙しい時こそ思考が凝り固まっていくと思うので、リフレッシュがてら展示を見て、自分の視野を広げたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?