とあるセキュリティ担当者の転職活動記録⑥(内定獲得、転職活動終了)

前回の記事から1か月経ってしまいましたが、無事に志望企業から内定をいただきまして、内定承諾書へのサイン・提出が完了しました。
これにて、私のはじめての転職活動が終了しました。
(私の記事のタイトルだけを一覧で見ると、面接開始後は何もnoteを書いていませんでしたが、まったく余裕がなかったのだと思います)

結論から申し上げると、満足しています。
現在の自分の能力に鑑みて、最高到達点と言って良い結果になったと思えています。

以下に詳細を記します。


結果の概要

まず、各種データは以下のとおりです。

  • 応募数:4社

  • 内定獲得:2社

  • 面接選考落ち:1社

  • 選考辞退:1社

  • 応募職種:セキュリティマネジメントまたはセキュリティコンサル

  • 転職活動期間:2023/3/4 〜 4/28

  • 費やした時間:約100時間(内訳後述)

一言感想を言うと、素直に転職活動をやって良かったなと思っています。
良いところに内定をいただけたというのが何よりですが、面接等のフィードバックで、自分の能力や考え方を褒めていただけたことが、これまでの自分の頑張りが報われたように感じたのが心に残っています。
現職では、明確なポジティブフィードバックをもらう機会は少なく、一般平均からすると十分高い給料を貰えているとはいえ、承認欲求が満たされていない感覚を持っていたんだろうなぁと思っています。

あとは、よく言われることだと思いますが、転職活動の準備では、自己分析や成果の棚卸しをやることになるので、自ずと人生を見つめ直すことができたのも良かったです。
自分の人生で大切にしたいものが明確になっていると、それだけで生きるモチベーションやレジリエンス力が高くなると思っています。(ニーチェの「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える」は私が参考にしている言葉のひとつです)

内定を受諾した企業については、入社前に詳しく書くのが憚られるので、落ち着いたタイミングにでも、と思うのですが、一番最初のnote記事に記載した「転職のゴール・重要にしたい評価軸」は全て満たすことができました。(福利厚生の差はざっくりとしか計算していませんが、コミコミの年収は10%アップ程度)
内定をお断りした企業も魅力的だったのですが、改めて判断の評価軸を精査して、熟考を重ねた結果、「カルチャーフィット」の差を決め手としました。(「どっちで働くのがより楽しそうに思えるか」で決めました)

選考落ちした1社は、単純に職務内容と私の能力・経験がマッチしていませんでした。
面接で、結構具体的な領域・技術に関する業務経験を聞いてこられまして、「それは上流部分だけ触ったことあるんですけど、リリース・運用までゴリゴリと自分で手を動かすような経験はありません」というのを、ヨソ行き風に説明しましたが、反応も良くなく、だめでした。

選考辞退した1社は、実は去年からずっと行きたいと思っていたところだったので、ものすごく悩みました。が、諸々の事情があり、単純にタイミングが間に合いませんでした。(そして、他の内定先に回答期限を延ばす調整をするのはリスキーに思えた)
また、前述のとおり、今回受諾した企業はすごく魅力的だったのと、オファーレターという形で、条件が明確になっていて、あとはサインするだけで確定できる状況があり、この企業の最後の面接を辞退することといたしました。

費やした時間

費やした時間を約100時間と前述しましたが、内訳は以下のとおりです。

  1. 転職サイトでポジション探し(1時間)

  2. 転職エージェントとのキャリア相談、面接対策打ち合わせ(5時間)

  3. 企業研究① 企業HPやネット記事の確認(10時間)

  4. 企業研究② Openwork口コミ確認(3時間)

  5. 企業研究③ One Career PLUSでの面接質問集め(1時間)

  6. 履歴書、職務経歴書の作成(5時間)

  7. SPIの試験勉強+受験(10時間)

  8. 自己紹介、転職理由、志望動機など共通的な説明準備(5時間)

  9. 企業毎の職務内容や求められる能力に合わせた説明の準備(5時間)

  10. 自分の仕事での成果、エピソードの整理(20時間)

  11. 8から10までの内容を、スムーズに喋れるように読み上げ練習(5時間)

  12. 個々の企業独特の特殊質問への準備(5時間)

  13. 逆質問の整理(5時間)

  14. 8から13までの内容を、面接前に復習(5時間)

  15. 企業との面接(10時間)

  16. その他、note記事の作成や都度のタスク整理などの管理(5時間)

主なポイントをいくつか補足しますと、

「3.」については、リンク先のことです。自社の口コミを書き込むと、他社の書き込みが自由に閲覧できるようになる仕組みなのですが、主に今の会社を辞めて次を考える人が利用するサイトであり、通常今の会社に対して口コミを書くことになるので、どうしてもネガティブな書き込みが多くなる傾向があると私は考えていますが、いくらかは参考になります。(現職に満足している人は、そもそもこのサイトを開かないし、書き込む動機が弱いはずなので)
他にも同種サービスはあると思いますが、Openworkが一番口コミ数が多いように思いました。
口コミについては、同じ会社でも、部署によって労働環境が全然異なるのが普通だと思うので、なるべく自分が志望する部署に近い方の口コミに注目した方が良かったりしますが、福利厚生や社風などは共通要素として見ることができると思います。
特に社風なんかは、志望動機を考える際のインプットにできたりもして、良かったです。

「4.」については、リンク先のことです。一次面接や最終面接で、誰が出てきて、どんな質問をされたか、どんな雰囲気だったか等の口コミ情報が得られます。この辺りは転職エージェントから情報をもらうこともできると思いますが、私が内定を受諾した企業の面接情報はほとんどこのサイトから得ていました。実際、同じような質問をされたので、助かりました。

地味に面倒だったのが、「7.」のSPIです。軽い足切り程度のものと思っていたのですが、今回の企業は割と足切りラインが高いようなことを転職エージェントにおどされて、時間をかけて勉強しました・・・(受けたことがある方はわかると思うのですが、「推論問題」対策が面倒でした)

あとは、「10.」の作業が一番きつくて、よく言われるSTARフレームワークに基づいて、20個ほど自分の成果を説明するエピソードを作りました。ものすごく大変でしたが、これをやっていたおかげで、大抵の質問には答えられるようになったのと、しっかり準備したという自信を持てて、副次的な効果として、面接で落ち着いて会話することができたと思っています。(詳細をさらに後述します)

なお、上記の100時間の内訳には含めなかったのですが、転職アドバイス系のYoutube動画も結構見ました。特に良く見ていたのは、サラタメさん(リンク)とUtsuさん(リンク)のチャンネルです。
おそらく、トータルで10時間分くらいは見ているんじゃないかと思います。

やって良かったこと

①複数社の転職エージェントへ相談する

あまり意図せずにやっていて、後からわかったことなんですが、複数社の転職エージェントに支援してもらうと、競争関係になるので、サービスの質が上がる、というのを実感しました。例えば、年収交渉の部分でそれを感じまして、選考プロセスの終盤、双方のエージェントから、他社側のポジションに規定されてる想定年収レンジとか、私がいくらで希望を伝えているかとかを結構深掘りされました。それを元に企業側へ連携するのだと思いますが、このやりとりが、結果として、自分が提示していた希望年収より高い額のオファーをいただけたことに影響したように思っています。
(他社に負けないようにという思いが働くのはもちろんですが、転職エージェントとしては年収が高くなればその分利益も多くなるのだろうと想像。もし転職エージェント1社だけの場合で、複数企業で進んでいる時は、どっちかには入社するだろう(=報酬の取りっぱぐれはない)ということで、他の応募者にリソースを割きたくなったりすると推測します)

ただ、最終2社の内定をもらったタイミングで、どちらを選ぶかを悩んでいるときのエージェント相談の打ち合わせでは、他社側の企業を貶めるような言い方で私への説得を試みられまして、あまりにも露骨だったので、ちょっと聞いていて気持ちの良いものではありませんでした・・・
(というか、こうならざるを得ないと思うので、内定選択断面の相談は意味がなかったかも・・・。バイアスがかかるのは承知の上で、それぞれ相手側の企業の悪い部分を聞くつもりではあったのですが、ちょっとバイアスがかかりすぎでした)

②Amazonの面接対策をする

急に具体的な企業名をあげてしまいましたが、Amazonの面接対策をやるとすごく質の高い準備ができると実感しました。

AmazonはOLP(Our Leadership Principles)と呼ばれる14の信条(リンク)があり、面接では応募者がこれら一つ一つを備える素質があるかどうかを、質問されます。ぶっちゃけ、14もあると全部を体現できる人間は超ハイスペック人材しかいないと思えてしまうのですが、Amazonはそれを選考基準にしています。(読まなくても良いと思いますが、より深く理解したい方は次の本がおすすめです。リンク

14のOLPそれぞれに関する仕事の失敗や成果をSTARフレームワークで説明することが求められるのですが、これを全部用意しておくと、大抵の質問に答えられるようになります。
もちろん、大変な作業ですし、1つのエピソードをSTARフレームワークで考えるだけでも結構疲れますが、私は複数のOLPに一つの仕事の成果を紐付けるなど、手を抜いたりもしながら準備をしました。

私が今回内定いただいた企業の最終面接では、「あなたの強みを10個あげて、それぞれ1,2分程度で関連するエピソードをお願いします」というエグい質問があったのですが、これをやっていたおかげで何とかなりました。(この時は頭をフル回転させて、OLPの内容を「強み表現」に変換しつつ、用意していたエピソードを1分に短縮しながら喋りました。ちょっとあせった。)

なお、本質的には、この説明でAmazonに触れる必要はまったく無かったのですが、途中で紹介したような面接対策に関連する本や、その他にもネット記事が多数あって情報を探しやすいので、触れる形で記載しました。

③面接前は瞑想する

これは私のような緊張しいな方におすすめです。
Youtubeに多くの瞑想ガイド動画がありますので、これを使って、面接前に10-15分くらい瞑想をするようにしていました。

誰でも面接ではある程度緊張するものだとは思うのですが、特に今回初めて転職活動をする私は、面接前の1時間前くらいから心臓の鼓動が結構早くなる程の緊張を毎回していたので、30分前を目安に瞑想して落ち着けていました。
結果、いくつかの面接のフィードバックで、「落ち着いた受け答えをされる方」との評価を得たので、効果があったかなと思います。

最後に

これを持って、転職活動記録の連載を終了します。

ここから、憂鬱な退職交渉が待っているわけですが、粛々とこなしていく覚悟です。
(「前向き」かつ「それってうちの会社でもやれるんじゃないの?を言わせない」理由をしっかり準備して、臨みます)

私の第二のキャリアは、ここからがスタートなので、気を引き締めて頑張らないといけないのですが、ひとまず、GW後半は自分の頑張りをねぎらって、心と体をしっかりと休めたいと思います。

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