海皇水精鱗の展開について(RAGE OF THE ABYSS 新規カードを使用)
0.はじめに
RAGE OF THE ABYSS にて待望の海皇水精鱗関連の新規カードが実装されました。それらのカードを用いた実戦的な展開方法を考えましたので,重要になる場面やキーカードへのアクセスタイミングをご紹介したいと思います。
1.初動
海皇水精鱗において最強の初動カードは「海皇子ネプトアビス」です。こちらへのアクセスを最重要視するので,当然3枚採用することとなります。
現在の環境情勢やカードプールの内容を踏まえて議論となるのが,「深海のディーヴァ」の採用枚数です。2015年ごろ,「海皇子ネプトアビス」が実装された当初は環境において「灰流うらら」や「無限泡影」のような強力な手札誘発がまだ存在せず,現在と違ってどのデッキも一枚初動が確立したような状況ではなかったので,ある程度「深海のディーヴァ」を通すことが見込めました。ただ昨今のように,どのデッキにも10枚前後,多い場合には15枚程度の手札誘発が採用されている状況を踏まえると初動の「深海のディーヴァ」に召喚権を使用することは極めてリスクが高いと考えます。そのため現時点では1枚採用とし,0枚にすることも視野に入れています。
ただ「深海のディーヴァ」にはレベル2のチューナーであるという強みが存在します。私の使用する海皇水精鱗は終盤でシンクロ召喚を多用することを考えているのですが,採用するチューナーは「深海のディーヴァ」「深海のミンストレル」「氷結界の鏡魔師」「氷結界の剣士ゲオルギアス」のみとなります。そのためチューナーの数を担保する,かつ「海皇子ネプトアビス」へのアクセスのためのカードを増やすという面で「深海のディーヴァ」を採用することには価値があると思います。
この他の初動,及び初手に握っておきたいカードは「海皇子ネプトアビス」にアクセスできる「ワン・フォー・ワン」,サーチにつながる「海皇の龍騎隊」+「これを捨てるためのカード」などになります。何にせよ「海皇子ネプトアビス」にアクセス出来るか否かでこのデッキのフルパワーを出せるかが変わってきます。
2.序盤の展開,目指すべき盤面
序盤でまずアクセスすべきカードは「バハムートシャーク」です。このカード1枚から「氷霊神ムーラングレイス」のサーチ,「リヴァーチュドラゴン」の特殊召喚,「ヴァーチュストリーム」のサーチ,墓地の「海皇の龍騎隊」の回収,と出来ることが多岐に渡ります。そしてこの「バハムートシャーク」には「海皇子ネプトアビス」1枚から容易にアクセスすることが可能です。具体例を見ていきましょう。
《海皇子ネプトアビス1枚》
a.海皇子ネプトアビスns
b.海皇子ネプトアビス効果発動,コストはデッキの海皇の深影隊
b1.海皇子ネプトアビス効果で海皇の龍騎隊サーチ
b2.コストの海皇の深影隊効果で水精鱗アビスパイクss
c.水精鱗アビスパイクss時効果発動,コストは手札の海皇の龍騎隊
c1.水精鱗アビスパイク効果で深海のミンストレルサーチ
c2.コストの海皇の龍騎隊効果で海皇子ネプトアビス(2枚目)をサーチ
d.手札の深海のミンストレル効果発動,コストは手札の海皇子ネプトアビス(2枚目)
d1.深海のミンストレル効果で相手の手札を確認,1枚エンドフェイズまで除外
d2.コストの海皇子ネプトアビス(2枚目)効果で墓地の海皇の龍騎隊ss
e.場の水精鱗アビスパイク,海皇の龍騎隊でバハムートシャークをX召喚
完成盤面:バハムートシャーク+海皇子ネプトアビス
手札増減:元の手札4枚
続いて水精鱗アビスパイクを採用する上で一番嫌なパターンです。
《海皇子ネプトアビス1枚+手札に水精鱗アビスパイク》
a.海皇子ネプトアビスns
b.海皇子ネプトアビス効果発動,コストはデッキの海皇の龍騎隊
b1.海皇子ネプトアビス効果で海皇精アビスラインサーチ
b2.コストの海皇の龍騎隊効果で海皇の深影隊サーチ
c.手札の海皇精アビスライン効果発動,コストは場の海皇子ネプトアビス
c1.海皇精アビスライン効果で水精鱗ディニクアビスをサーチ
c2.コストの海皇子ネプトアビス効果で墓地の海皇の龍騎隊を蘇生
d.手札の水精鱗ディニクアビス効果発動,コストは手札の海皇の深影隊
d1.水精鱗ディニクアビスss
d2.コストの海皇の深影隊効果,デッキから海皇の龍騎隊(2枚目)ss
e.水精鱗ディニクアビスss時効果,デッキから水精鱗アビスグンデをサーチ
f.場の海皇の龍騎隊2体でバハムートシャークをX召喚
完成盤面:バハムートシャーク+水精鱗ディニクアビス
手札増減:元の手札4枚+水精鱗アビスグンデ
上記のようになります。《海皇子ネプトアビス1枚》の展開では「深海のミンストレル」を挟むことが出来るため,安心して展開を続けることが出来ます。一方で《海皇子ネプトアビス1枚+手札に水精鱗アビスパイク》の場合は手札が一枚腐っているも同然(実は展開の最終盤では手札コストとして効いてはくるのですが…)なので,贅沢は言わずとにかく「バハムートシャーク」のみにフォーカスして展開を行います。
3.中盤
ここまでのように展開を開始したあたりで,最終的な盤面をどうするべきか考えておく必要があります。私の使用する海皇水精鱗ではフィニッシャーとして「魔救の奇跡-ドラガイト」「氷霊山の龍祖 ランセア」「相剣大公ー承影」を主に採用しています。これらを最終的に並べるために,一つの中継地点として「深海のミンストレル」をどこかで中継した上で「深海姫プリマドーナ」+「効果モンスター1体以上」の盤面を作ることが重要です。以下,この盤面に至るまでの手順です。
4.終盤
「深海姫プリマドーナ」+「効果モンスター1体以上」の盤面以降の展開は以下の通りです。
a.深海姫プリマドーナの効果を発動,深海のミンストレルで除外したカードを相手の手札に戻し,デッキから氷結界の鏡魔師ss
b.氷結界の鏡魔師の効果を発動,効果モンスター1体をリリースし,2体のトークンをss,自身のレベルを2→4へ(以降水属性SしかEXから特殊召喚不可)
c.レベル4氷結界の鏡魔師とトークン1体で星杯の神子イヴをS召喚
d.星杯の神子イヴS召喚時効果,デッキから星遺物を継ぐものサーチ
e.氷結界の鏡魔師が墓地に送られた時の効果発動,デッキから氷結界の剣士ゲオルギアスをサーチ
f.星杯の神子イヴとトークン1体で氷結界の虎王ドゥローレンをS召喚
g.星杯の神子イヴが墓地に送られた時の効果発動,デッキから星杯を戴く巫女ss
h.手札から氷結界の剣士ゲオルギアスをss,ss時効果で墓地から氷結界の鏡魔師を蘇生
i.氷結界の鏡魔師と氷結界の虎王ドゥローレンで魔救の奇跡-ドラガイトをS召喚
この時点での盤面:魔救の奇跡-ドラガイト+氷結界の剣士ゲオルギアス+深海姫プリマドーナ+星杯を戴く巫女
手札増減:元の手札+星遺物を継ぐもの
ここまでは一直線です。ここで「皇たる水精鱗ーネプトアビス」の効果でサーチした装備魔法の種類によって,分岐があります。
《アビスティングートリアイナをサーチした場合》
a.アビスティングートリアイナ発動,墓地から海皇子ネプトアビスss
b.深海姫プリマドーナと星杯を戴く巫女と海皇子ネプトアビスで氷霊山の龍祖 ランセアS召喚
c.星遺物を継ぐものを発動,墓地から海皇の龍騎隊ss
d.氷結界の剣士ゲオルギアスと海皇の龍騎隊で相剣大公ー承影S召喚
最終盤面:皇たる水精鱗ーネプトアビス+魔救の奇跡-ドラガイト+氷霊山の龍祖 ランセア+相剣大公ー承影+ヴァーチュストリーム
《アビスケイルーミズチをサーチした場合》
a.星遺物を継ぐものを発動,墓地から海皇子ネプトアビスss
b.深海姫プリマドーナと星杯を戴く巫女と海皇子ネプトアビスで氷霊山の龍祖 ランセアS召喚
最終盤面:皇たる水精鱗ーネプトアビス+魔救の奇跡-ドラガイト+氷霊山の龍祖 ランセア+氷結界の剣士ゲオルギアス+アビスケイルーミズチ+ヴァーチュストリーム
このようになります。上の展開では相剣大公ー承影と海皇精アビスラインの除外シナジーを活かして,フリーチェーンで除去を狙うことが出来る強みがあります。下の展開では魔救の奇跡-ドラガイトとアビスケイルーミズチで魔法を2回妨害出来る強みがあります。
いずれの展開にも共通する注意点が二つあります。一つは「なぜレベル3の海皇の深影隊を蘇生して2体でS召喚しないのか」です。理由は簡単で,氷霊山の龍祖 ランセアの効果を2回使うためには2枠場に空きが必要であるからです。そのためにはヴァーチュストリームのコストにすらならない星杯を戴く巫女は邪魔なので,素材として退場してもらいます。二つ目は「氷霊山の龍祖 ランセアには深海姫プリマドーナの効果で対象不可耐性が付いている」ことです。そのため皇たる水精鱗ーネプトアビスのリンク先には氷霊山の龍祖 ランセアの効果でリクルートしてくる氷結界の虎将 ライホウや氷結界の依巫を置くようにしましょう。
以上で展開の解説は終了となります。最後まで読んで頂き,誠にありがとうございました。
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