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秋の夜長と台風の果てとまた明日の話

というわけで、ちゅうおんです。私立恵比寿中学 We sing a popular tune on the stage 題して「ちゅうおん」2022を見るために秩父まで行ってきました。初日2公演が終了したのですが、あとはあすまた2公演残っております。週末秩父伝説です。
今年も素晴らしい時間を送ることが出来ましたので、クイックリポートに見せかけた感想などを書き起こしておいてみようかと思い立ちました。以下ネタバレです。ネタバレをさけたい方はいますぐこのnoteを閉じてしまうと良いと思うんだ。

クイックであることを目標としますので、文体はだいぶ乱雑で汚くなりますがご容赦くださいな。あとそうだ。記憶がいろいろごっちゃんなので、一部と二部をまぜっこぜに書いちゃいますのでそういうものだと思っておいてください。

9月24日土曜日の秩父

台風15号の進路や影響が心配された土曜日。秩父駅は軽く雨が降ったり、やんだり、わずかな時間ですが日が差したり。そんな空模様となりました。台風自体は朝9時の時点で温帯低気圧に変わったんですね。
おもむろにバスに乗って会場である秩父ミューズパークに到着。たくさんのファミリーがいてぱくぱくうーたん村が開村していてまあいろいろあるのですが、そのあたりは端折ってしまいましょ。

開場&着席

・見慣れた野外音楽堂。舞台にはいつもの2階建てバンドセットに9つのイスが据えられている。ギター、キーボード、ドラム、パーカッション。ベーシストのスペースにはエレキベースのほかにエレキウッドベースが見える。2階にはコーラス、ホーンセクション、弦楽四重奏がくるのであろう。

・舞台左右の大モニタには今年のちゅうおんのロゴ。昼の部は外光がまぶしくてほとんど機能していない状態だ。そしてまわりからは秋虫の声が聴こえてくる。これは音源なのか、ほんものの秋虫の声なのか。

・さあ、ワクワクしてきたぞ。

開演

・最後の陰ナレが終わり、おもむろにバンドメンバーが定位置につく。拍手で迎える会場。ほどなくして演奏が始まる。これはなんの曲だろう。

・凛としたウォーキングでみれいちゃんから入場。続いてりったんさん、ゆのぴさん、ノノカさん、安本さん、まやまさん、小林さん、ココナさん、柏木さん。衣装がオータムな感じの配色で麗しい。はあ、楽しみしかない。

LIFE FROM THE SUN

・謎の曲の招待は洋楽でした。9人ともみんなしっかり歌いこなしていらっしゃる。なんだか本格的なヴォーカルグループに見えてくる。みれいちゃんの無敵感。安本さんのセンター感。小林さんの存在感。まやまさんの信頼感。ノノカさんの安定感。ココナさんのヴォーカリスト感、ゆのぴさんの落ち着き感。柏木さんの王者感。なんだかすごい。中山さんは飼っているイヌがかわいい。

・まやまさん昼の部は編み込み?系のヘアスタイル。夜の部は細いカチューシャをつけておろした感じのヘアスタイル。麗しい。

・曲が終わって軽い自己紹介やバンド紹介など。ゆのぴさんが晴れ女であることのほか、まやまさんの手術後のもろもろの事などが語られ、まやまさんは参加できない曲があることを告げ、ステージから退場。はぁ待ってください…でもノドお大事にしてください…。

・まやまさんは退場の際に「ドロンします」とひとこと。立ち止まってココナさんに「ドロンしますの意味わかる?」と確認。「ケツカッチン的な…?」とちょっとだけかするような返答をするココナさん。

・ちなみに舞台裏にいるときは安本さんのローモバを進めておくことになっていたのだそう。そのたくらみが露呈して他のメンバーに「みんなで安本の城を燃やそう」と結論を見せるステージ。

どしゃぶりリグレット 曇天

・きょうの天気予報を見据えて組んだのかなと疑いたくなるような選曲。そういえば一曲目も天気の曲ですな。

・バイオリンとピアノのフレーズや音色がとてもドラマティックでかっこいい曲に聴こえる。そして各人の歌唱も良いのだが、全員があわさった部分の声の厚さが心地よい。

・みんながイスに座っている姿。姿勢がよくてカッコいい。

・曇天の出だしのまやまさん部分は小林さんに。吉澤曲をうれしそうに歌う小林さん。

・ココナさんの強い歌い方がGOODだったと思います。

UBU 日記

・しんみり系の2曲が終わって、舞台の照明がパっと明るく変わり、舞台のみんなはイスから立ち上がって手拍子のアピール。ミドルテンポながらノリの良い曲調。しばらく聴いていなかったUBUだ。池田貴史だ。なつかしい!元気にしていたか?

・そしてTVKのドラマで聴きなれたハープシコードのリフから日記が始まる。気持ちよく手拍子の出来る曲が続く。久しぶり!元気にしていたか?

・日記を歌う小林さんはうれしそう。「だ・い・す・き」を歌うりったんさんも楽しそう。

・後半の間奏部では「ぽんぽんぽんぽ~ん」というコーラスを全員で。うん。この曲の平和を愛する感じは白眉だなあ。

・舞台裏のまやまさんは別に踊ったりしていなかったそう。すかさず振りつけを忘れた疑惑をかけられる。

ヘロー

・日記が終わってちょっとしたMC。まやまさんも一旦ここで呼び込み。

・そんなエビ中の曲、まだまだ楽しんでください、と便利なフレーズを駆使して曲フリをするゆのぴさん。

・曲は初披露となるヘロー。歌いだしはゆのぴさん。

・ここ。歌いだしのゆのぴさんの、比較的平坦な歌声がポイント。歌詞は「レツゴー!」から始まるのに、力強いわけでもなく、か細いわけでもなく、特別に楽しそうでも悲しそうでもなく、どこか淡々とした歌声。

・そんなこと書くとどこか悪い意味に捉えられてしまうかもしれないけれど、これがまた良い味わいを出していて非常に聴き心地が良い。年齢やグループ内での立ち位置・キャリア、キャラクター。そして、そこから仄かに見える、大人と子どもの中間、もしくは未来と過去の中間点にいる小久保柚乃というひとりの存在。彼女をトップバッターに据えることで、この曲の持っているメッセージが効果的にうっすらと見えてくる気がする。

・曲の後半に同じ歌詞を歌うまやまさんとのコントラストも、またひとつメッセージを持っているように思う。

・これからの彼女たちが、どれだけたくさんの人にヘローと呼びかけて、どれだけたくさんの出逢いにヘローと応えてゆくのだろうか。そんなことを考えてみたり。

トキメキ的週末論

・ヘローが終わってスッと退場するまやまさん。

・そして四つ打ちドラムのかっこいい週末論スタート。バンドサウンドの賑やかさが心にしみいる。

・曲中の小林さんとココナさんはわりとガチめかつ自由にフリ付けを入れて楽しんでいる様子。

・中途のベースソロがとてもかっこいい。手拍子している側も楽しくなってくるやつだ。道太郎先生今年もありがとう。

・そしてギターソロもかっこいい。そうか、きょうはダンスバトルではなく、ギターとベースのバトルだったのだ。とにかくかっこいい。

1部・幸せの張り紙はいつも背中に
2部・お願いジーザス

・前者は全員の声がしっかりそろう所がかっこいい。声の厚さをしっかりと感じることが出来る。

・余談だが最後の「ヤー、ヤー。」のところ。そこで中山きんに君のことを考えたら泊まらなくなって、いろいろ情緒的に負けになってしまうそうだ。なるほどたしかに、これからこの曲を聴くたび、きんに君のことを思い出してしまいそ…ダメじゃん!!!これを教えてくれた友人にいつか仕返しをしてやりたい。

・後者。まったく考えていなかったところがきたのでびっくりした。この9人でのジーザスを聴くのは最初で最後になるのかもしれない。

・ののかまるのソロ歌唱が非常に聴きやすい。うん。

・アウトロはエビ中バンド田口さんの泣きのギターで。これもまたかっこいいなあ。

感情電車

・先に書いてしまうと、きょう一番の聴きどころだったかもしれない。バンドサウンドにパワーがあって、出だしのちょっとした不安感、サビ1の展開からのサビ2の開放感と、いろいろな車窓の風景を描きだしてくれたと思う。

・まやまさん不在だったので8人連結のエビ中電車がまたほほえましい。

・そして小林さんの「その空」がきょうも広がっていきました。ロングトーンの響きの最後の抑揚をつけて締める部分。きょうはなんというか、少し大げさかもですが、いわゆるスワンソングに近いような、生のエネルギーを内包した咆哮のようなものを感じました。

・前半戦ラストにふさわしい、とても良いものを聴かせていただきました。

ソロコーナー

・ステージに柏木さんひとり残って、恒例のあのコーナーが始まる旨をおしらせ。トップバッターを務めるのは初めてで緊張しているとのこと。

・となると、ラストバッターは誰になるのかな。

オートマティック/宇多田ヒカル(柏木ひなた)

・どこかで聴いたような旋律…と宇多田ヒカルでした。ひなちゃんが去年歌ったのはKing gnuの白日で、とにかく技術と集中力を要するもの。鬼気迫る歌唱が聴けたのですが、今年はもう少し肩のチカラを抜いて聴くことのできる選曲でした。

ワンダーフォーゲル/くるり(小久保柚乃)

・続いてはゆのぴさん。アタマの上に大きく振りかぶって、クラップを募りながらの登場。歌唱とステージアクションはまだ平坦な感じだったものの、だいぶステージ度胸がついたものだと思う。

ケダモノのフレンズ/にしな(風見和香)

・不勉強ながら原曲を存じ上げておりませんでした。本人は明るく可憐に歌いきってました。ノノカさんは全編通して声がよく出ていた印象。もしかしたらPAの問題かもしれませんが、きょうはみれいちゃんとののかまるの二人の声がよく通っておりました。

くちばしにチェリー/エゴラッピン(小林歌穂)

・サルサ風というか、ラテン風味というか、キャバレー感というか。すこし淫靡な印象すら受けるムードのある一曲。やさしい歌声に定評のある小林さんですが、ビッグガレージでの「ぐらり」でフロアをびっくりさせた時と同じような衝撃。なんていうか、この曲のときの小林さんはある意味素晴らしい女優さんになっていたと思います。

It’s just love/MISIA(安本彩花)

・バラード然としたバラード。優しい歌声の中に感じる、ちょっとした力強さ。マイクを通して伝わってくる安本さんの表現力。いまの彼女は、どこに出しても大丈夫な実力派シンガーになったものだと思います。

情熱/UA(桜木心菜)

・こちらもMISIAと同じくディーヴァものの楽曲。タイトルどおり情熱的な、エナジーの感じられる歌唱を聴かせてくれました。きょう全編を通し、ぼくがもっとも耳目を奪われたのは桜木さんでした。歌唱力がしっかり底上げされていて、すこしハスキーな個性的な声もしっかり保たれていて。

・彼女のパフォーマンスには、ステージでの余裕というものがかなり感じられました。いままでもそういう要素が彼女にはあったと思うのですが、振り返ってみて思うに、rebootの頃までの桜木さんは「意地」のようなもので余裕があるように装っていたのではないか。一方、いまの彼女はそういったトゲのようなものがとれて、ナチュラルな余裕感を伺わせてくれました。このスピードでの進歩を見るに、将来のココナさんは完璧超人になってしまうのではないかとちょっと戦慄。

愛の才能/川本真琴(星名美怜)

・あの頃にギターをかき鳴らしながら岡村靖幸フォロワーとしての存在感を発揮していた川本真琴さん。みれいちゃんの地声とファルセットとのボーダレスな歌声がよくマッチしていました。ステージをしっかり掌握する感じ。星名美怜の真価ってやつですね。

・道太郎ベースが忙しそうでとても心地よかったです。

シンデレラボーイ/Saucy Dog(真山りか)

・ちゅうおんソロコーナーであまり見られなかった楽曲提供者の作品のカバー。きょうは楽曲によって参加したりしなかったりのまやまさん。ソロコーナーでの出番があってよかった…というのがまず最初の正直な想い。ミドルテンポな楽曲で、まだならし運転的な歌唱になるのかなと思いきや、サビからの盛り上がりはしっかり歌いあげてくれました。近いうちに美声の完成した彼女の歌を聴くことができるはず。楽しみにしています。

今夜はブギーバック/小沢健二feat.スチャダラパー(中山莉子)

・というわけでラストバッターはりったんさん。わかりやすいエモ曲。ブレスの息遣いが聴こえてきそうな、ソリッドでストレートな中山歌唱は今年も健在。お姉さんになっても一生懸命さというか、そういうまっすぐな歌声がとても楽しい。ラップ部分では他のメンバーも出てきて大団円。今年のソロコーナーもとても楽しかった。

・ちなみにみれいちゃんは、舞台に出る直前までこの曲のトラックにノリノリになっていたそうで、舞台に出てくるタイミングを失いそうになったそう。

・各人で自分の歌った曲のタイトルを紹介。盛大にかみまくるメンバー。歌は九人九色でとてもかっこよかったのに、いつもどおりのこの落差はおみごと。

1部・涙は似合わない
2部・さよならばいばいまたあした

・まやまさんはここでまたフワッと舞台からフェードアウト。

・そして、昼の部では安本さんがすこし落ち着いたトーンで「絶対、負けない」と声を放ったあと、涙は似合わないが始まりました。たまに聴くこの曲はいつもグッと心に届きます。

・夜の部では中山さんがギターの田口さんと対峙しつつ、さよならばいばいまたあしたのイントロを歌唱。手拍子を打つのが楽しい楽曲。管楽器の入れてくるおかずのフレーズが良い感じでした。ちゅうおんならでは。

1部・宇宙は砂時計
2部・ナガレボシ

・春ツアーのときと同じように、ここでも昼の部と夜の部でこの二曲が対になりました。

・宇宙は砂時計はバンド演奏が原曲に物凄く近い感じ。ゆのぴさんの描く黒色の宇宙が大きく口を開けていました。昼なのに。

・ナガレボシはすっかりまっくらになった夜の下での披露。雲さえなければ、本当に流星くらい見えたのではないだろうか。こちらも原曲を感じさせる演奏。春ツアーでも場数を踏んだ一曲なので、安定した歌声が聴けました。

スーパーヒーロー

・そうだ。エビ中にはこの曲があったんだ。ノリがよく、それでいて軽くはない、勇ましい作品。原曲の音源では荘厳さを感じることが出来るものですが、きょうの演奏では壮大さを感じることができました。その違いが何であるのかはうまく説明できそうにないのですが。弦楽四重奏と管楽器の音が良い具合に入ってきたので、そう思えたのかな。

・きょうのヒーローたちも、堂々としたものでした。

蛍の光

・ののかまるの「ちゅうおんぽい曲を」という曲フリから蛍の光。

・原曲はすべてのパートが全員のユニゾンで歌われますが、きょうは歌割りあり。各人の個性が現れたあと、あらためて全員のユニゾンとして声が重なったとき。これがまたグッっとくるんですよね。

・安本さんのフェイクで締め。かっこいい。

1部・ハッピーエンドとそれから
2部・星の数え方

・昼の部のハピそれ。やっぱり白眉はサビの安本さんソロだな。数ある彼女のソロの中でも最も彼女の魅力が垣間見れる箇所であると言っても過言ではないかもしれない。生バンドの音圧が途切れた中でのこの一節、きょうも際立っていたと思います。

・夜の部の星の数え方。ちょっとしたボサノヴァ風アレンジになっていました。しんみりしたボサノヴァ。各人のコーラスワークが綺麗に響いて、その中で柏木さんのソロに行き着いて。柏木ヴォイスとボサノヴァの相性がとてもよかった。8人のグルーヴもとてもよかったです。

バンド紹介

・最後はにぎやかにバンドメンバー紹介。昼の部ではなぜか弾きすぎてしまうギター田口さん。スラップを駆使してビートを刻む道太郎さん。きょうは要所要所での二人の演奏がとても楽しかった。

・バンドメンバー紹介時ゆのぴさんにシリンシップしているまやまさん。

・ドラム、パーカッション、コーラス、ストリングス、そしてSinさんのキーボード。今年のエビ中バンドもとてもしっかりとした演奏で盛り上げてくれました。ほんと楽しかった!

また明日

・そしてラストナンバーはまた明日。古き時代の3b楽曲で、エビ中としてこれをやるのは、だいぶ久しぶりですよね。ののかまると同じくらいの年齢のころのまやまさんが舞台で歌っている動画、見たことある人も多いのではないでしょうか。

・サビ。『ほんとはね、もっとずっと、そばにいたいよ』これをひなちゃんに歌わせるのはずるい。ほんとにずるいよ。中心で歌うひなたを止めるかのように、まわりに集まるメンバー。羽交い絞めにするココナさん。足を押さえるゆのぴさん。

・そうか、また明日は変わらない日常が歌われる楽曲でありながら、その内実には「別れ」が含まれていたのだなと。そんなことをゆらりと考えたりしながら、ちゅうおんの一日目は終わってゆくのでした。

おわりに

とても楽しかった。よい一日を送ることができました。
といったあたりで、クイックレポートのフリをした感想文。ここまでにしたいと思います。

それではそろそろ寝ますです。
二日目も楽しみだな。
おやすみなさいグー。


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