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レベル8と血と肉と変化と4000日ぶんの日記の話

少し時間が経ってしまいましたが、2023年の最後に12月14日に参加させていただいた「まやまにあ-Level8-」のメモライズをUPしておきます。

…普段であれば現場で観てきた記憶をメインにしてあまり配信などは視ずにとにかくブワーと書いてしまうものなのですが、今年はちょいと仕事とかなんやらで色々と忙しく。配信を楽しむ時間も圧縮される勢いでしたので、今年はもう配信もどんどん見ちゃえと。記憶と配信内容とをMIXして、改めて各楽曲を聴いて心に抱いたことなどをメモとして残しておいて、来年を迎えてやろうと思うのです。


それではさっそくいってみましょ。いつもどおり独りよがりの上に長くなりましたよー。


■開場

会場はKT Zepp Yokohama。さっそく着席。
客入れBGは静かなロック系。薄紫のライトが客席を優しく照らしている。ステージは自席からだと暗がりでよく見えないけれど、バンドセットがどーんと鎮座している模様。チェックで鳴らされたベースがぐーんと肚に響いてくる。気持ち良い。
ほどなくまやまさんご本人による影ナレ。なかなか調子よかったものの、8割ほど進んだあたりで見事にかみまやま。

さあ、そろそろ開演だ。

M01 キャンディロッガー

ハードなギターがかき鳴らされ、一気にステージが照らされる。
1曲目はキャンディロッガー。センターに現れたきょうの主役がロックチューンのリズムに乗せて赤のロングリボンをなびかせる。このリボンが、どこかアーバナイズされたライトなバッドガールテイストの佇まいを程よく主張していてとてもかっこいい。肩と鎖骨が露出した生誕衣装から浮かび上がるスリムなシルエットがとてもファシネーティン。そんなドレスチックな上半身と裏腹に、足もとはジーンズとブーツというちょっとしたラフさも同居していて。美怜ちゃんや安本さんと違って、まやまさんならではのファッションだ。
もちろん力強い歌声もしっかり健在。

「言いたい奴には、言わせとけ」

ブレイクと共に客席を指しきっぱりと言い放つ台詞。
ああもう、言いたいので言いますよ。ステキです。強い視線を宿らせ放たれた目ヂカラが、一瞬ののちに細く閉じられ笑顔に変わる。この表情の出し入れがステキ。バンドメンバーの演奏やコールとのシンクロっぷりも文句なしでステキ。今年のまやまにあも麗しい時間と空間になる。きっとなる。一曲目からその確信を深めることになるのでした。

M02 beat (aikoカバー)

アレグレットでゴキゲンなリズム。曲調とおなじくにこやかな表情のまま、快活なビートと共にステージを左右に動き回るきょうの主役。
会場ではわからなかったんですけれど、これはaikoさんの楽曲だったんですね。まやまさんはいつもカバー曲のチカラに全幅の信頼をおいている。シンガーとして自信たっぷりに、会場の民に楽曲との一期一会を楽しませようとしており、そこには一片たりとも迷いがない。ように見える。ぼくにはそう見える。だからオーディエンスの側としても、初見の知らない楽曲であっても安心してその邂逅を受け容れ楽しむことが出来るのだ。
会場の民も楽曲と歌声のシナジーにより増幅されたオンガクの楽しさを存分に浴びて、自然とカラダがリズムを刻みだす。だから『まやまにあ』は毎年たのしいのだ。

M03 Anytime, Anywhere

事前の配信により予告されていた楽曲。イントロではサビのコードにのせ、観客席と高く低く重く軽く「エニッタイ!エニウェー!」の掛け合い。右手でリズムをとり左手でマイクを差し向ける主役の表情がステキ。
本編に入って、ちょっとした大人の余裕のような雰囲気を醸しながら進むエニエニ。みんなで一緒にゆったり空間を温かく包み込んでいくような時間がステキ。
声を出して一緒に歌っていきましょう!と煽る主役。そうだ、今年1月の去年ぶんの生誕祭では声が出せなかったんだ。こうやって声を合わせられること、ちょっと忘れてしまっていたけれど、当たり前のことではなかったのだなあ。

「もっと来いよ!」

少し悪い表情をしながらニコ生カメラと会場を煽るまやまさん。すぐに表情がくずれて笑顔になるまやまさん。言いたいのでまた言っちゃうけど、ステキです。

■MC1

「まやまにあはたくさんの曲をやりますので、音に身を任せて自由に楽しんでいってください!」とのご託宣。
そして新生まやまちゃんバンドの紹介など。Drは高浦さん、Baは真船さん、Gt田口さん、Pfしんさん。この人はこれこれこんな人で──といった説明はなく、わりとあっさりとメンバー紹介を流したあたり、逆説的に、皆さんとのチームワークが強化されたのであろうことが透けて見えてくる。

M04 b.l.a.c.k_h.O.l.e

急に響くシンセのフィーチャーされたイントロ。なんだっけこれはどこかで確実に聴いたことのあるやつ・・・そうだblackholeだ。
幕張大学芸会3Daysでこの曲がかけられたときは、タキシードとシルクハットで踊るまやみれペアのステップがとても軽やかで、地面から数センチ浮いているようにすら見えたものだ。
まやまにあの生演奏で聴くこの曲は妖艶さが増しており、どこか完成形に辿り着いたような印象も受けました。バンドアレンジもしっかりしていて、田口さんのギターのカッティングがめっちゃかっこいい。
こういった隠れがちな佳曲に再会できるのも、生誕祭の大きな楽しみのひとつであるものだなあと再認識。

M05 BLUE DIZZINESS

立て続けにシンセのリフからの楽曲。なんだっけこれはわりと最近になって確実に聴いたことがあるやつ・・・そうだBLUE DIZZINESSだ。
まやまにあ前日に配信スタートというスケジュールが組まれていたので、ライブの話題が喰われちゃうのがちょっと酷だなと思っていたのですが、まやまさんはそれを逆手にとってきた!のかもしれない。
やっぱりこの曲かっこいい。ひとりで歌いきるまやまさんもかっこいい。ふだんのまやまさんはラップ風味のパートなどはあまり担当されないものなので、そういうところが聴けたのもよかった。メロディアスな歌声も、低音に抑えて歌う箇所も併せ、やっぱりまやまさんは何でもできる人なんですよ。

M06 老醜ブレイカー

ちょっとお久しぶりの初代ソロ曲。
ぼくは『ジャングル大冒険』の映像で、ジャジーなこの曲をたったひとりで踊りながら歌いきった女のコを見て、そのチカラに惹かれていったものだったような覚えがあります。
あの公演は確かまやまさんの16歳の誕生日の前日だったはず。それからほぼきっかり11年、つまり約4000日の時を経て、生バンドを従えてこの曲を相変わらずしっかり歌いこなす27歳が目の前にいる。きょう感じたスウィングっぷりが白眉。これは決してバンドがいたことだけに拠るものではなく、この短くない期間、ずっと音楽から目を背けずにきた彼女の積み重ねの為せる業なのだと思うのです。
歌声に載せる目や表情の力も各段に上がり、ガールが見たオジサンという世界観から、レディが見たオジサンという世界観へと深味を増しており、この曲もシンガーと共にしっかり年輪を経ていたということが確認できました。アウトロのダバダバも含めて全編がとてもよかった。生誕祭に聴く曲として間違いがない。素晴らしかった。来てよかった。思い残すことはない。
でもまだ帰りません。

■MC2

ここまでの楽曲の解説など。
27歳って大人だよなあと気付いたので、英語の曲を歌いますよと予告。
会場の皆さんを着席させる主役。

M07 My first kiss (あんしんパパ・Hi-STANDARDカバー)

キテレツ大百科のあの曲ですね。
上に貼り付けたYoutubeではハイスタさんらしいギターロックアレンジで演奏されていますが、このステージではまた違うアレンジ。
ゆったり刻まれるおしゃれなドラムと、味のあるおしゃれなウッドベース。静かに響くおしゃれなピアノと、つま弾かれるおしゃれなアコギ。アンプラグドなアンサンブルによるおしゃれ時空と化したステージで、丸椅子に軽く腰かけて歌うおしゃれヴォーカル様。なんてステキな光景なのでしょう。世界中のおしゃれはいまここから発信されているのだ。そうに違いない。
いや、本当にオシャレで心やすらぐ1曲に仕上がっていたのですよ。初めてのチュウというチョイスも程よいウェイトでジャストフィット。英語の発音もなかなかのものだったように思います。

■MC3

My first kissは、英語でなにか歌ってみたくなったので歌った!とのことでした。ちょっとずつ毎年なにかに挑戦してみることにしているとのこと。(でもまやまさん2年前にもオール英語曲・松田聖子の「SWEET MEMORIES」に挑戦してましたよね?)
そしてこうやって座って聴いてもらう時間がくると、「まやまにあがはじまったのだなあ」と実感するそうです。
ヴォーカルで聴かせてから、そのまんまシームレスでナチュラルにしゃべりに入って、そしてそのまんま次の曲に入っていけるあたり。ぼくはこの滑らかな展開の術中にはまると、まやまにあがはじまっているのだなあと実感するのです。

M08 蜃気楼

Dr高浦さんがステージの前方に出てきて、カホンの上に腰をかける。アンプラグド体制がさらにミニマムなものになり、今まで以上にヴォーカルが場を引っ張る形に。
そのままスッと始まる蜃気楼。ここでしか聴けない曲であって、ここでならいつも聴ける曲でもあります。だもので、ふたたび「まやまにあがはじまっているのだなあ」と実感。
田口さんの泣きのアコギソロがかっこいい。今年もゆっくり目を閉じて聴いて過ごしました。

M09 強くはかない者たち(coccoカバー)

少しもの悲しい曲調の蜃気楼とかわって、明るくゆったり優しい曲調の楽曲へ。懐かしい。coccoのデビュー曲だ。
優しく描かれるトビウオのアーチの躍動感、その向こうに見える宝島の幻想感、しかし視界の後ろにある現実。ここでもまやまさんの表現のチカラをしっかりと捉えることができました。染み入った。素晴らしい。
まやまさんにはこういったしっかりした女性ソロヴォーカルもののオリジナル曲を、ぜひまたソロで歌って頂きたい。カバー集なども聴きごたえありそう。…なんとかソロ作品を形に出来ないものでしょうか。
ていうか後日の「まやあに」配信で、ご本人様もソロアルバム出してみたいと仰っていましたよね。大賛成です。すぐに出すべきですよ運営さんソニーさんなにしてるんですか早くしてくれなさいお願いします。

■MC4

高浦さんにカホンのことについて聴いてみるまやまさん。手で木の箱を直接叩くわけなので、数曲連続するとけっこう手が痛くなるものなのだそうだ。で、ためしで叩いてみるまやまさん。「こりゃ痛いわー」「楽器さわっちゃった!」とのこと。
大人って何歳からなんだろうとか答えの出ない話をしつつ、27歳は健康に気を遣うとまとめつつ、客席を立たせて「楽しんでいきましょー!」と号令。

M10 ポップスター(平井堅カバー)

ここで前回まやまにあでのチャレンジを想起させる、男性ヴォーカル曲のカバー。平井堅の楽曲なんて集中して聴いたことがなかったのだけど、この曲の歌詞世界は女性シンガーが歌っても成立するものだったんですね。
去年はオーイシマサヨシさんの「君じゃなきゃダメみたい」、2021年は髭男の「HELLO」や釘宮さんとかの「オレンジ」…。こうやって自分が交わってこなかった道に踏み込むことが出来るのが、まやまにあの楽しみのひとつでもあるのです。これさっきも書いたな。うん。たのしい。

M11 愛かましたいの(Negiccoカバー)

曲フリでバンドにリズムキープをしてもらいながら、Negiccoさんにエビネギライブのことを印象のライブだと言ってもらえたことの嬉しみを語るまやまさん。わりと長尺。そこから楽曲へ。
さっきも書いたとおりだけれど、歌からしゃべりへ、しゃべりから歌へ、その乗り換えがとてもナチュラリィ。これはまず演奏陣の技術に立脚するものではあるのだけれど、彼らをしっかり信頼してやりたいことを組み立てていけるってことは、やはりこのバンドのセンターであるまやまさんの力に拠るものでもあるんですよ。
そうやって始まった曲だからなのかどうか、曲中に入るバンドメンバーの合いの手も気持ちよくはまっていました。良いバンドだなあ。またエビネギやってほしいなあ。

M12 イー・アル・サディスティック

ここでまたフッと始まるまやまさんソロ曲。今年はShen-Shen Passion Nightではなくてこちらなのだな(パラパラを予習してきたカオ)。
サビで響く田口さんのギターは結構な歪みを伴ったファズ系のエフェクトがかけられていて、妖艶さを保ちつつもいままでの印象よりもだいぶ力強く荘厳なイメージのアレンジに。かっこいい。
ひときわ印象深かったのは、途中のブレイクでだいぶ大きなタメをつくったところ。ことしのまやまさんは、フロアと一緒にノリを共有するものや、客席を暖かく包み込むもの、オーディエンスにしっかり聴かせるものなど、ここまで色々な立ち位置から楽曲を披露してきました。で、この曲では荘厳なアレンジをブレイクの一瞬で全てを静寂に塗り変え、「楽曲を支配する者」としてのシンガーの一面を見せつけてくれました。完璧です。そのブレイクあけの大きなブレスと不敵かつキュートな笑み。培われた力量の大きさをはかり知るのに余りある一瞬。ぼくはこういう一瞬に出会いに来たのだ。さぁみんな今すぐ捧げるんだ血と肉をー。
この人は何でもできる。間違いない。ぜひともソロの新曲をプレゼントできないものだろうか何してるんですか運営さんソニーさん早く。

M13 愛のレンタル

展開した物語を収束させてゆくかのように、聴きなれたメロウなマイナー調コードを奏でる田口さんのギター。これはまやまさんの代表曲で、ぼくが今回のまやまにあで一番聴きたかった曲なのだ。
イントロでギターに重なってくる、軽やかかつしめやかに唸る高浦さんのスネアとハイハット。楽曲をグルーヴィに彩る真船さんのランニングベース。歌の世界に溶けだすようなsinさんのピアノ、たまに入るリードシンセ。そんな耳心地の良いアンサンブルの中で響くまやまさんの歌声は、ふだんのエビ中メンバーによる愛のレンタルと違って、所々でぼくらに語り掛けてくるような楽曲になったように感じました。
ことし初めの「まやまにあ-Level.7-」では、やっと自分の声と手を繋ぐことが出来はじめたと語っていたまやまさん。そのご一年を通し、エビ中本体のライブでは(たしか)披露されることがなかったのがこの愛のレンタル。「忘れないでね、忘れてしまったこと」というフレーズがやはりとても印象的で、春ツアーなどにこの曲が採択されなかった折に、「次回この曲を聴けるのは、彼女の声を心配していたことを忘れるくらいになったその日になるのだな」と勝手に考えていました。
実際の感覚はご本人の中にあるものですので無責任なことを言うことはできませんが、たとえ時おり握った手と声が離れることがあったとしても、またすぐに繋ぎなおした手と声が、徐々に強固なものになってきているのではないでしょうか。ことし一年のまやまさんの歌を聴いてきて、そんなことを思いたくなるのです。
きょうも結局、また勝手にそんなことを考えていました。でも、力強い「トゥルットゥ」の声を聴くと、そうであるに違いないとしか思えないのです。

楽曲のアウトロとともに簡単な挨拶をして、客席に軽く手を振りごく自然にステージを後にするまやまさん。主役がいないままにアウトロをかっこよく奏でるバンドメンバー。やっぱりこの曲がラストなんですね。今年のまやまにあも、とても楽しかった。おつかれさまでした。

■アンコール

客電の落とされたフロアで、一斉に振られるムラサキのペンライトとアンコールの大合唱。そしてほどなく暗転から明転。てっぺん。
ひとりで登場したまやまさんは、アニメへの想いであったり、エビ中のもつ多様性のことについてであったり、軽くおしゃべりなど。

E01 青のすみか(キタニタツヤカバー)

アンコール1曲目はアニメ呪術廻戦のテーマ曲。
原曲は、疾走感あふれるテンポとセブンスコードのギターが心地良い青春ロックチューン。一方で、きょうのまやまさんはsinさんピアノのみの伴奏で、ヴォーカルをメインにして静かにしっとりと歌い上げました。
ぼくは呪術廻戦を観られませんでしたので、この曲がチョイスされた理由の部分までは考えきることが出来ませんでした。けれど、歌い上げるまやまさんの表情と、「また会えるよね」という言葉が胸に残っています。

E02 Lier Mask

Spotifyにて1400万回もの聴取数を誇るシンガー真山りかの代表曲。ことしはアンコールでのご披露となりました。比べるべきではないのかもしれないですが、この1400万っていう数字は、Spotify上のエビ中本体で最も再生されている仮シンの10倍なんですよ。世界に轟くライアーマスクの世界。まやまさんすごい。
きょうイチでハードで激しいロックを奏でる神聖まやまちゃんバンド。ヴォーカリストはことしも赤く染め上げ、歪んだ愛に抗う強さを見せつけてくれました。かっこいい。

■MC5

最後にバンドの皆さんと一緒に記念写真をパチリ。赤のリボンがかっこいい。そして軽く予告をしていた写真撮影タイム。上手下手センターと10秒ずつ、まやまさんのビボーを数万枚レベルでファインダに収めまくってゆくのでした。

そのまんま終わりになるのかと思いきや…

E03 日記

きょうの楽しい思い出を、あしたからの自分の1ページにしていきましょう!その号令と共に始まったのは『日記』でした。ほんとエビ中さんて強い楽曲をたくさん抱えているなあ。
楽しそうにステージ上をかけまわったり、客席やカメラに笑顔を振りまいたり、「大好きだよー」なんて年に一度のデレ姿をご披露するまやまさん。間奏でグロッケンに挑戦し、魂の演奏も無事に大成功。みずみずしく澄み渡るような乾いた音が響くKT Zepp Yokohama。胸に焼き付けられました。

「いつもレスを送ってるのを気付いてください!」

すいませんちょっと心当たりあります気付かなくってごめんなさい。
楽曲の最後までステージ上を楽しそうに跳ね回るまやまさん。ことしのまやまにあも楽しかった。ありがとうございました。お疲れさまでした。

最後にバンドメンバーと一緒に会場に生声で謝辞を述べ、ことしの抱負を軽く語るまやまさん。アニメに関する仕事や、自身のビボーを活かした仕事をしたいと告げる。そうですよどんどん活かしていきましょうよ。
そんなこんなで「27歳もー、がんばりー?」「まやまーー!」
会場とかけあいをして退場してゆくきょうの主役。うん。楽しかったよ本当に。来てよかった。お疲れさまでした。

まとめのようなもの

ことしのまやまにあも、とても楽しいステージとなりました。
公演を通してみて、まやまさんが今年の公演を通して伝えたかったメッセージがぼんやりと浮かび上がってくるような気がしています。

序盤、aikoさんのBeatでは毎日繰り返し通ってきた道について歌いました。
ちょっと前まで当たり前のように思っていたライブでの声のやりとりが今年から復活して、そしてその喜びがだんだん当たり前の日常にふたたび溶けていく。今年はそんな年でした。
一方で、まやまさんご本人はやはり自分の歌声との手の繋ぎ方をいろいろ試している最中であったり、春ツアーなどでは体調を崩してしまうこともあったりと、色々な経験を重ねる日々を送っていて。
そして、彼女のライフワークであり彼女自身の姿ともいえる私立恵比寿中学は、今年に入って姉メン5・妹メン5という形に大きく変化したり。
当たり前のことと、変化のこと。ご本人が意識したのかどうかはわからないけれど、今年は結果的にそんなテーマがあったんじゃないかなと。

思うにね、毎日って変化の繰り返しなのよね。
当たり前のことが急になくなってしまうような大きな変化もあれば、徐々に徐々に小さな変化が積み重なってなんらかが起きる場合もある。毎日毎日が同じように見えたとしても、実際は毎日ってすべて変化しているのよね。別の表現を用いれば、変化をしていない日なんて、ない。一日たりとも同じ日なんて存在しないんです。

わりと今年は「エビ中が変わった・変わってしまった」といった感じの言葉を、そこかしこで耳にしたように思います。でもストレートなことをいうと「エビ中が変わってしまった」なんてのは、毎年かならず誰かが言ってるんですよね。今年それを聞いたんじゃなくって、今年それを聞いた。それが正しい表現。冷静にまとめると、変化している状態こそがデフォルトなのだということがわかる。変化していない状態こそがおかしいといっていい。
あと、変わってるのはエビ中だけじゃなくって。
ぼくらのような観測する側の立ち位置なんかも同じですよね。ライフステージが変わって、物事への気持ちや時間の割き方が変化する人だっている。嗜好が変わる人だっている。
もっと大きく観れば、社会的な流行もすごいスピードで変わっているし、世の中が是とする楽曲やメッセージの論調だって変わっている。現にこの数年は、社会自体が大きく変容を見せたものだ。
きっとぼくらは、変化ってものを拒絶しちゃいけないのだ。

そんな中で今年のまやまにあでは、今日の時点で掛け値なしに最新プロダクトであるBLUE DIZZINESSと、彼女のソロ曲の原点といえる老醜ブレイカーが並んで披露されました。どちらの曲も現在の真山りかというシンガーの等身大をしっかりと描き出してくれたし、初披露された際の老醜ブレイカーの思い出ともしっかりリンクしていました。変化を見せつつも、変わらない軸がしっかり通っているように思える。ぼくは今年のまやまにあを咀嚼しなおして、そんなことを感じています。

そして、今年のラストナンバーは「日記」でした。
きっと彼女の日記帳の中には、大きな変化や小さな変化を含め、様々な変化に富んだ毎日が記されていて。その4000ページ以上に及ぶ変化は、今から見返すとどれもこれも必然に応じたものであって。それらの変化と抗ったり向き合ったり、色々な付き合い方をしてきたのであろうなと。その重みこそが、きょうのような楽しいステージを作り上げる礎になっていたのだろうなと思うのです。

日記という曲は「もう一度、今日をください」という絶対に叶うことのない願いから始まるものの、そこから「あなたの家族がいい」という、ある意味、変化を受け容れ毎日を受け止めてゆく姿に帰結してゆく様子を歌にしたものです。二度と来ない今日という日。そんな永遠なんて名前の一瞬は記憶の日記帳の1ページにとどめるだけで充分。家族というパートナーと一緒にいろいろなことに向き合ったりしながら前に進む物語なんですよね。

彼女は日記を歌う際に、きょうの楽しいライブの記憶をあなたの日記の1ページにしてくださいと言ってくれました。うん。今年のまやまにあもとても楽しかった。かけがえのない1ページになったと思う。ここで頂いたチカラがあれば、しばらくは頑張れると思いますよ。だんだん未来が好きになる感覚が、いまなら少しわかるかもしれない。
うまくまとまっていないと思うけれど、今年のまやまにあからは、そんなチカラを頂いたような気がしていますよ。

ぼくのつくったティザー

まやまさんはぼくらの日記の1ページにステキな風景を描いてくれました。
そんなまやまさんにとっても、あの日のフロアの声と灯されたムラサキのペンライトの海が、まやまさんの日記の1ページに楽しい想い出のひとつとしてしっかり残されていれば良いなと、切に願うものなのです。

今年もだいぶ遅くなってしまいましたが。
真山りかさん、27歳の誕生日、とってもおめでとうございます。
良い変化に恵まれた一年にしてください。誰よりもステキな一年にしてください。まやまさんの描いたすべての夢が、余すことなく現実になってゆくこと。変わらず応援していこうと思います。2024年の怒涛の大活躍、楽しみにしております。




2023年もありがとうございました。
無理のない範囲でnoteは続けて参ります。

といったわけでそろそろ寝ますです。
おやすみなさいグー。

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