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およそ3000のDAYSと21才の挑戦と歌われていない春の嵐の話

未明からの仕事を終わらせてZEPP DIVERCITY東京へ。中山莉子さんの生誕祭を観にいかせて頂きました。
配信でもライブの様子は見られたものですし、ナタリーさんでも詳細なリポートがドロップされましたので、ぼくはクイックに自分がみたものと思ったこととかだけざっくばらんに書き残しておこうと思います。


会場にて

客入れのBGMはアルバムplaylistをシャッフルしていた感じ。HISTORYSHAKE!SHAKE!などのエビ中楽曲がコ気味良く流れていました。ステージには青いサスライトが下から灯されていて、横チョの緞帳がちょっとしたオーロラ風味に見えないこともない。
客席はりったんさんのユニフォームなど水色系統の方が5割くらい。あとは平日だったため仕事帰り的な方、普通の私服の方などだったかな。
フロアでペンライトのチェックなどしている人を見ると、久しぶりに普通のライブが迎えられたといううれしさが少し込み上げてきます。


さあ、時間だ

定刻とともにステージのモニタにて流れる映像。歴代の生誕祭衣装を披露してくださるりったんさん。さすがに昔の衣装はいま着るとつんつるてんだけど、ここ数年の衣装はだいぶスタイリッシュに見える。かわいい。かっこいい。

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りったんさんといえば2014年の電撃転入からずっと、エビ中の最年少としての地位を利用して好き勝手に暴れまわってきたものです。
エビ中たすたすでは何もしないという驚愕の個人企画で、貴重な番組の時間を空虚に浪費。ステージでもダンスバトルでの勝負をメンバーにけしかけておきながら、毎度毎度「興味がない」と言い放つ始末。困ったものだ。
そしてハイタテキでは「惚れた!」のひとことで会場の空気をまとめあげ、演劇でもステージでも飛び道具的な存在感をしっかり発揮。ジャンプでは休養中の安本さんのかわりに堂々とした魂の「いまだーーー!」を聴かせてくれました。
あれ?批判しようと思ったのに後半いいところばっかりだ。

茶番はおいといて。
生誕祭の歴代衣装を眺めながら、りったんさんが年を追うごとに、エビ中のなかでかけがえのない大きな存在として輝きを増し続けているという事実をもう一度かみしめるのでした。

ライブ開始

ちょっと個性の感じられる中山ソロverのebitureが流れ、舞台にには水色のオフショルダー衣装に身を包んだりったんさんが現れます。ちょっと露出が増えているものの、セクシーな感じよりは明るく健康的な感じが勝っている。派手過ぎず地味過ぎず、かわいさと上品さが同居したデザイン。とても良い感じです。文化服装学院の学生さんが制作したとのこと。素晴らしい出来だと思います。

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そんなりったんさん。昨年中に二十歳を迎え、今年は環境に大きな変化がありました。
エビ中に入って、初めて後輩が出来たのです。最年少として好き勝手に暴れていた彼女も、ついに新入生たちの教育係を任せられることに。
どうなってしまうのか心配された向きもありましたが、以後のメンバーの評価によると、ちゃんとお姉さんとして新入生の世話と教育を果たしているとのことでした。

会場ではハイタテキ、鬼(吉澤嘉代子)、MC、コミックガール、愛のために(奥田民生)と彼女の元気さの伝わってくる楽曲が続いたのち、安本小林によるご本人クイズのVが流れて。ここまではぼくらのよく知っているりったんさんが、会場をしっかりと温め盛り上げてくれています。

しかしそのごはsummer dejavuのオリジナルMVが流れ、さよならばいばいまたあした、空も飛べるはず(ねごと)と、これまでの生誕祭には見られなかったような、しっとりゆったりとした楽曲チョイスが続きました。

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今年の挑戦について

二十歳を迎え、後輩を迎え入れ、名実ともに大人の目線を手に入れたためでしょうか。中山さんによると、今年のセトリにはテンションの上がる楽曲だけでなく、エビ中の持つ幅広い楽曲、普段だったらひとりでは歌えそうにないものを入れて、彼女のひとりの歌で届けてみたくなったとのことでした。
なるほど、客入れBGMがplaylistだったのも、その気持ちの現れだったのかもしれないな。この世界に飛び込んできた新入生の姿を見て、自分自信にもしっかりと挑戦を課したのかもしれないな。

彼女の歌声は、柏木さんなどと比べてしまうと、音程を瞬発的に捉えきれない部分などが散見されます。聴かせる曲をかっこよく聴かせようとすると、そういった部分っていうのは必要以上に大きな違和感をオーディエンスに届けてしまうことになります。
ただ、中山さんはいつからだかずっと、余計なテクニックやかっこつけて歌うという行為をスポイルして、楽曲をしっかり歌うという方向に舵を切っています。そこには自信のなさとか不要な照れだとか、つまり迷いっていう要素がなくなっていて、本人の声がストレートに耳に届いてくるのです。

こういう歌には、ちょっとした音程のズレなんてのを凌駕した説得力が宿っているというもの。少なくともライブ会場では、聴いていて不快感なんて全く生まれてくることはありません。
ぼくはよそのアイドルさんなどはほとんど知らないのですが、こういうタイプの歌を聴かせてくれる人って、それほど多くはないのではないでしょうか。中山莉子にしか出せない歌の形、そしていまここにいる中山莉子という存在。これらをしっかりぶつけてきてくれるステージ。やっぱりライブってのは、とても楽しいものなのです。

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「さよばい」と彼女の7年間

今回の彼女の歌でぼくが印象に残った一曲といえば、さよならばいばいまたあしたです。
新入生が入って、ちゃんとお姉さんになってきた中山さん。けれども、この曲を歌うときのりったんさんは、少し拙い歌声の出方から、明るくて素晴らしいあの夏の海に母親の面影を見る、どこか幼さの残る女の子の要素が見えたように思えたのです。

君のほう見てばいばい、声を抑えてばいばい。ここはもともとりったんさんのパートなのですが、「ばいばい」を歌うときにマイクと逆の手で音の高さをとる様子。エビクラシーのツアーの頃と変わらない姿を、ここに見ることが出来ました。あの頃のまんまです。

エビクラシー収録の春の嵐のりったんさんの担当する一節にわたし、少し変われるかな?という歌詞があります。彼女のこの歌詞を受けた途端、楽曲は最終コーナーを周り、見たことのない明日へと聴く者を連れて駆け抜けていきます。

実際に彼女はどんどん変わってきました。
転入したころの震えていた所在なさげな姿から、最年少ポジションで暴れまくったやんちゃな姿へ。そして、お姉さんとして自信をもってパフォーマンスをしている姿。少しどころか大きく変わっています。

でも、ときおり変わっていない部分も見せてくれるんですよね。
いまだに震えているとかそういう意味ではなくって、例えば、自分自身を繕わずに見せてくる強さ。例えば、小さくて不要なことには拘りすぎない性格。なにより、それらを柔らかく楽しく見せてくれる笑顔。

変わらずにいるためには、変化をし続けなければならない。どこだったかで、そんな言葉を耳にしたことがあります。でも、りったんさんを見ていると、ぼくは別方面の正答にたどり着くような気がするのです。それは変化をするためには、大事な部分は変わらずに持ち続けることだと。逆説的にそんな言葉に行き着くのです。
この両面の魅力を持ち得て実践しているからこそ、彼女の目の離せないような佇まいを安心して見ていられるのです。そんな気がするのです。

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新たな挑戦をして、改めて自分の立ち位置を自分の言葉にまとめようとして、感極まってなぜだか涙が出てきたりして。ナタリーのカメラにピースサインを送ることで無理やりそのピンチを乗り切って。アンコールではペコペコリーヌ、報連相ファンク、オメカシフィーバーと、やっぱりいつもの楽しい感じで締めくくって。

少しお姉さんの立場に変わったけれど、変わらずに目の離せない魅力に溢れたりったんさん。今年もファミリーにしっかり寄り添う形で、とても楽しい生誕祭でした。

ちょっと早いけれど、中山莉子さん、誕生日おめでとうございます。
あなたらしく、あなたにしかないような、とっても素敵な未来が訪れますように。

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というわけでそろそろ寝ますです。
おやすみなさいグー。

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