節目の鬼レモンと引き継がれた灯りと頑張ってる途中の話



例によってよそとの重複投稿となりまっす。

さて。
ぼくらの中山莉子さんがお誕生日をお迎えあそばされました。これでエビ中さんは私立恵比寿中学という名前と裏腹に、全員が成人してしまうという快挙を成し遂げました。

思えば彼女らには様々な節目がありました。いくつもの大きな節目を乗り越えて迎えたきょうのそれは、久しぶりに手放しでお祝いのできるめでたい節目となったのではないでしょうか。

日付のかわる前後数十分にわたり、メンバー皆様によるzoomを用いたお祝い配信が行われました。日付が変わる瞬間には、全員でアルコール入りのグラスとともに乾杯。こうして笑顔に満ちた空間を皆さんが共有している様子。心に染み入るものがあります。こうして僕らがその瞬間に立ち会えるってことも、なんていうかガラにもなく時代に少し感謝したくなってしまいます。

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鬼レモンを手にした最年長は、ずっと笑顔でグラスを傾けていました。自重したのかグレープジュースの安本さん。目をパチくりさせながらみんなの話を聴いてました。オシャレにシャンパンを嗜む星名さん。感極まって涙を拭う仕草が見られました。もと末っ子役の柏木さん。ハイペースで梅酒をお迎えしながら、しっかりと進行役もこなしていました。甘いはちみつ梅酒を携えた相方の小林さん。楽しそうに微笑んでいました。

メンバーでの乾杯とともに、家族でも乾杯をする中山さん。
妹とほとんど同じくしゃみをするというお兄さん(真山情報)、話しかける際のアプローチを間違えて娘に「こわっ」と言われてしまうお父さん(エビ宙より)、とくにこれといった情報のないお母さん。3人の差し出す水色のシャンパンに囲まれて、とても嬉しそうな表情を魅せる本日の主役。
メンバーのご家族のパーソナリティに言及するのはあんまり趣味が良くないと思うのですが、それでも時々うっすらと現れる皆さんの暖かそうな家族のかたちを目にすると、なんだかとても安心させられてしまうのです。

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当の中山さんは、20歳になっても変わらず自由にやっていきたいとのこと。
この言葉は決して責任感の欠如から出ているものではなく、いままでの節目を越えて経験し学んできたこと及び実践してきたことから出てくる、自覚に立脚したものだと僕は感じるのです。

その理由についてまとめてみようと思ったのですが、なんていうかむかし考えたことに寄ってきてしまったので、去年書いたことをリライトしてごまかそうと思います。ぼくは何度だって同じこと書いちゃうんです。



僕がエビ中の楽曲群の中で一番好きなのは、頑張ってる途中です。
都合によりほぼブラジルやお願いジーザスや春の嵐や愛のレンタルに変わることもあるのですが、きょう一番好きなのは、誰がどう言おうと頑張ってる途中なのです。

この曲はレキシ・池田貴史による作品で、商店街応援ソングでありながら彼女たち自身も含めた世の中みんなをゆる~く応援するという、エビ中にしか歌えないみんなの歌。
この曲の見せ場のひとつが、明日がどっちかわからなくなっても「ほら、たぶんこっちだよ!」とみんなに進む方向を指し示すセリフまわしの部分です。ここでのアクセントがすぐあとの爽快な「エービーバーリー!」のどなりに繋がり、ライブ会場の全ての人を頑張ってる途中な中学生の姿に戻す魔法をもたらすのです。

この曲の収録されたシングル「梅」が発売されたのは2013年の1月16日。中山さんがエビ中に加入する1年前でした。当初は「ほら、たぶんこっちだよ!」という台詞は廣田さんに託されています。
実際にエビ中在籍時の廣田さんは、しっかりとエビ中の引っ張り役を勤めあげました。テレビに絡むものだけでも、電車好き女子としてタモリ倶楽部でMステの司会者に存在を認めさせ、特徴的な声の持ち主としてSMAP中井くんに味のある表情をさせ、起用さと度胸から香取慎吾との不定期コントコーナーもゲット。彼女はそういった自信と実績をもって、頑張ってる途中の曲中でもエビ中を「こっちだよ!」と力強く導いていたのでした。

廣田さんが転校を遂げたあと、この台詞は中山さんに引き継がれることになります。正直、思慮深さなどのあまり感じられないたどたどしい滑舌から発せられる「ほら、たぶんこっちだよー」という新任者による言葉。その頼りなさに、当初のぼくはステージの下から無言で「ほんとにそっちで大丈夫なのかー」といった心無いツッコミを入れていたものです。

しかしですね。
そのころには皆がぼんやりと気付きはじめていたとある事実が、日を追うごとにハッキリしてくるんですよね。それは、中山さんの言動や行動から、頼りなさという要素が見当たらなくなりつつあったこと。
腕相撲で廣田さんに勝ったこと。舞台でかわいいサイコパスを演じきったこと。自分の番組企画で「何もしない」と言い放ったこと。あの人やだぁという自らの黒歴史をネタにしてくれて嬉しいと言ったこと。サドンデスの最後で皆を「立ち上がれ!」と鼓舞させ続けたこと。頼りなさという要素、いったいどこにいったんだ。
不思議な空気感はそのまんまに、彼女は明るく正しく中山莉子であり続けました。そこには迷いなんてひとカケラも見当たらない。たどたどしい滑舌なれど、彼女の「ほら、たぶんこっちだよー」という言葉には、ウラもオモテも躊躇もない、純度100%どストレートな明るさがしっかりと宿っている。

前任者が指し示した「こっちだよ!」は、実績と思慮深さと決断力に裏付けられた正解への道筋を照らすのタイプのものでした。対して中山さんの示す「こっちだよ!」は、『正解なんて行ってみなくちゃわからない。でもちょっとくらい間違えても、きっと大丈夫だよ!』という大らかな矜持に基づいたものに思えてくる。彼女の笑顔を見ていると、そんな安心感に似た感覚を覚えることすら出てくるのです。
学校のテストのように、誰かが用意した正解なら、その道筋を見つければいい。でもエビ中はみんなが二十歳になったんだ。正解は誰かが教えてくれるものじゃなくて、自分で見つけて、自分で作ってゆくものになったんだ。正解は、きっとあとからついてくるものなんだ。いまのエビ中が得たものは、そういう立ち位置にあるのではないだろうか。



そういえば。4年前、エビクラシー発売時のナタリーの特集で、こんなやりとりがありました。

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約束の4年後が訪れました。
見とけよと言われたメンバーは、とても温かな目線を送っていました。安本さん率いるビューティーチームとのわだかまりもなくなって?今まで以上にみんなで横一列になって、みんなの向かうべく「たぶんこっち」の方向へ進む準備が整いました。
さあ、あとは進むだけ。進むだけなんです。

中山莉子さん、20歳の誕生日おめでとうございます。
素敵な20代の日々をお送りください。

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そして、エビ中さん。
エビ中さんという共同体にとっても、きっと今日は誕生日です。おめでとうございます。素敵な将来に向けて、しっかりと迷ったりしっかりと進んだりを続けてください。
ちょっとくらい間違えても、きっと大丈夫なんだから。


といったあたりでそろそろ寝ますです。
おやすみなさいグー。

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