BtoBサイトからお問い合わせ数・商談数増加の為にできることリスト
「これからWEBサイト改善を始めていきたい」といったBtoB企業の方を想定して、極力難しいマーケティング用語は使わずに、運用でできることをリストをまとめてみました。
①自社サービス・自社サイトの理解から始める
改善をしていくためには、現状を理解することが何より重要になります。
まずは、顧客となるペルソナを設定し、それぞれのペルソナにあったカスタマージャーニーを作成してみましょう。
顧客の動きと思考などを見える化することで、新たな発見や企画に繋がります。
ペルソナ(顧客像)の設定
ペルソナ(顧客像)を設定しましょう。ニーズのある顧客像をできるだけ書き出し、それぞれのペルソナを作成します。
カスタマージャーニーマップの作成
※カスタマージャーニーマップとは、サービス購入までのプロセスをまとめたものです。ユーザーがどんなことを考えて購入までたどり着いているのかを把握することで、様々な打ち手ができるようになります。
それでは、ペルソナができたらそれぞれのカスタマージャーニーマップの作成をしましょう。
BtoBの場合の横軸は「認知」「情報収集」「検討」「導入・購入」「導入後・購入後」の主に5つのフェーズに考えるとわかりやすいです。
縦軸では、それぞれのフェーズでの「行動」「タッチポイント」「思考」「感情」「課題」を記載します。
仮説でも良いので一度マップを完成してみましょう。
また、既存顧客にインタビューを行うことができれば、より精度の高いカスタマージャーニーマップを作ることができます。
カスタマージャーニーを作成すると、中にはWEBサイトで解決できそうなものもあるでしょう。課題に沿ったコンテンツ企画を考え、実際にコンテンツにすることで、ニーズとのギャップ・足りない部分を埋めることができます。
チェックポイント:
企業側の希望的観測ではなくユーザー目線でプロセスを考えられているかどうか
行動、思考、感情についてまとめられているかどうか
可能であれば既存顧客にインタビューをしてより精度の高いカスタマージャーニーマップを作成していく
②改善する。ゴールに近いところから改善するのが定石。
カスタマージャーニーマップができたら、実際に改善できる点を考えていきます。改善はゴール(お問い合わせ)に近いところから行うのが定石です。
お問い合わせに繋がりやすいコンテンツの改善・作成
カスタマージャーニー上のお問い合わせに近いところで出てくる疑問や要望などに合わせたコンテンツは、お問い合わせ率(CV率)が高いページになります。BtoBのサイトでは、お問い合わせページ・サービスページ・強みページ・導入事例ページ・導入の流れ・よくあるご質問などです。
もちろん企業によってコンテンツは変わってくるので、上記の例以外にも顧客ニーズに合わせてWEBで解決できそうなものはコンテンツ化を検討してみてください。
チェックリスト:
カスタマージャーニーに沿ったコンテンツが作られているかどうか
お問い合わせページが最適化されているかどうか
お問い合わせまでの導線が最適化されているかどうか
お問い合わせ前に見るサービスページの内容は顧客に刺さる内容になっているかどうか
サービスページ内にお問い合わせや資料ダウンロードボタンなどが設置されているかどうか
内部リンク改善
いくらお問い合わせに繋がりやすいページを作ったとしても、見てもらえないと意味がありません。グローバルメニューへのリンク設置、流入数が多いページへのリンク設置、検討レベルの高いユーザーが読むページへのリンク設置などを検討しましょう。
例えば、製品ページの最後によくあるご質問などのリンクを付けてあげる。
他の製品ページも見れるようリンクを設置してあげる。検討度合いの高いユーザーが見るページに事例リンクを設置してあげる。
など、「ユーザーが情報を取得しやすくなるように」リンクを改善しましょう。
チェックリスト
各ページからCV率が高いページへの導線が作られているか
CV(コンバージョン)の間口を広げる
※CV(コンバージョン)とは企業が求めるユーザーのアクションのことです。BtoBの場合「お問い合わせ」や「資料ダウンロード」の場合が多いです。
CVポイントは「お問い合わせ」だけではなく、他にも用意しましょう。いきなりお問い合わせをするのはハードルが高いので、グラデーションでお問い合わせまでつなげていくイメージです。資料ダウンロード、メルマガ登録、業界レポート、セミナー、なんでも相談(無料コンサル)、試作テスト、工場見学予約等、「お問い合わせをするまでではないが、資料は見てみたい」などのニーズに合わせて設計をしていきます。ここの設計が上手くいけば、より多くの顧客情報(リード)を獲得することができます。
チェックリスト
CVポイントが「お問い合わせ」だけになっていないか
ニーズに合わせた中間CVが設置されているか
中間CV用のフォームを用意できているか(出来ていない場合、MAツールの導入を要検討)
お問い合わせ率の高いキーワードの獲得
いわゆるSEO対策の話になります。流入キーワードにはお問い合わせ率が高いものもあれば、低いものもあります。例えば「○○印刷 とは」と「○○印刷 依頼」を比較すると、お問い合わせに繋がりやすいのは圧倒的に後者になります。
この場合、お問い合わせ率が高いキーワードを優先して対策をしていきましょう。月間の検索数が仮に30件程度だとしてもCVに繋がるキーワードはあります。例えば「サービス名+地名」「サービス名+依頼」などのキーワードは依頼を検討しているユーザーが検索するキーワードになります。このようなお問い合わせ率が高いことが予想されるキーワードは獲得しておきましょう。
現状獲得できていない場合(実際にそのキーワードで検索して上位に表示されていない場合)、Titleタグの見直しをすることで上位に表示される場合もあります。タイトルが適切なのかどうか、一度見直してみてください。
※ページ改善・タイトル改善などの対策でも競合状況により難しい場合があるので、その場合はその他の施策も必要になります。
興味がある方は「キーワードプランナー」という無料広告用ツールを使えば、大体のキーワード検索数を調べることができますのでぜひ設定してみてください。
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
チェックリスト:
CV率が高いキーワードを明確にしておく
CV率が高いキーワードで検索したときに上位表示できているか
タイトルは適切か
CV(コンバージョン)の更新・質を上げる
CVの間口を広げる中でほとんどの企業にとって資料ダウンロードや無料相談会などのCVポイントを設置することは効果的かと思います。
資料ダウンロードのCV率UPの為のテクニック:ダウンロード前に資料チラ見せ、フォーム内の項目に導入相談有無のチェック欄、無料コンサル希望有無チェック欄などをつけることで検討度合いを図ることが可能です。
チェックリスト
資料ダウンロードを設置しているか
資料の定期更新はできているか
資料をダウンロードしたくなるような見せ方ができているか(資料をチラ見せなど)
ダウンロードフォームの項目が多すぎないか
TOPビジュアルの見直し
TOPからお問い合わせへの導線や、求められている情報へ最短でたどり着けるような改善をしましょう。もしデザインなどが古いまま、SSLの対応ができていない、レスポンシブ(スマホ画面)対応ができていないなどであれば、リニューアルを検討しましょう。
TOPビジュアルで具体的なメリットを訴求できているかどうかも確認しましょう。例えば、「〇〇のオーダーメイド承ります」など競業との差別化ができるUSPを打ち出すことでより強いメリットを訴求することができます。
また、TOPビジュアル内でお問い合わせボタンを設置することは非常に効果的です。もし実施していない場合は検討しましょう。
チェックリスト:
キャッチコピーから明確に強みが伝わるか
顧客のニーズに合った構成になっているか
バナーが多用されて導線が多くなりすぎていないか
③流入数増加:潜在キーワードの獲得
お問い合わせ率の高いサイトにできたら次は、流入数の間口を広げていきましょう。
コラムの作成
キーワード選定をした上でコラム作成・流入数増加を図りましょう。※業界的に必ずしもコラム運営が最適ではない場合もありますが。
注意点としては、お問い合わせを増やす目的の場合、サービスに何も関係のないブログを書くのは効果的ではありません。しっかりと獲得していきたいキーワードを明確にして、コラム運営を始めましょう
キーワードの調べ方:キーワードを選定してからコンテンツ発信するようにしましょう。
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コラムにもCVポイントを設置:記事に関連のある「更に詳しいお役立ち資料まとめ」をダウンロードできるようにすることでサービスに興味のある企業を抽出可能です。
チェックリスト
目的を明確にできているか
キーワード選定ができているか
コラム内にも中間CVが設置されているか
特化型サイトの作成
コラムではなく特設サイトのようなサイトを作るのも良いかと思います。特にBtoBサイトの特徴として、一度SEO上位を獲得したら長年上位表示を獲得し続けられる場合が多いです。特化型のサイトにする場合、その分野の情報を網羅できるよう構成を考えましょう。そのサイトにいけば「〇〇分野の知識は網羅的に学ぶことができる」と思われるようなサイトにすると効果的です。
チェックリスト
獲得したいキーワードが明確か
検索ニーズから逆算した設計になっているか
中間CVは設置されているか
リスティング広告を使う
リスティング広告はCVRが高く、BtoBサービス向きの広告です。LPを作成し、リスティング広告を出稿してみましょう。短期的に流入増加を見込むことができます。
チェックリスト
獲得したいキーワードは明確か
LPを作成しているか
定期的に効果測定・改善できる体制があるか
④次のフェーズへ:顧客育成
流入数を増やす施策と同時並行で顧客育成(リードナーチャリング)の仕組みを構築しましょう。この記事ではコンバージョンポイントを増やしていきましょうなどと説明をしてきましたが、それは顧客情報(リード)を集める為でした。その集めたリードに対して一斉メール配信やインサイドセールスを行い、「商談数」を増やしていくのが次のフェーズになるかと思います。
要は資料ダウンロードやメール配信(メルマガ)などを用いて顧客を育成して、商談に繋げていくというイメージです。
MAツールの導入
MAツールを導入すると、WEB上でリードを獲得するだけでなく、リアルの場で交換した名刺情報も「リード」として計測が可能になります。顧客情報(リード)をMAツールというデータベースのようなものに蓄積することで、その顧客がWEBサイトの「どのページ」を「いつ」「どのくらいの時間見たのか」などを把握することができます。それを把握することで、より精度の高いアプローチができるということになります。
その為、「リード」は非常に貴重な情報になります。一方で、あまりリード情報を有効活用し切れていない企業がほとんどです。
展示会で出店した後、名刺の有効活用はしていますか?
過去に集めた名刺情報は、ほったらかしにしていないですか?
WEBサイトから「お問い合わせ」してくれた顧客情報を蓄積していますか?
これらのデータを蓄積して、一斉メール施策やお問い合わせ率の高いページを閲覧している企業にインサイドセールスを行うと効果的ですが、実際に行っている企業は少なく、機会損失になっている企業がほとんどではないでしょうか。
MAツールを十分に使うために:
1.リードを集める(過去の名刺情報など)
2.毎月リード獲得できるサイトにする(CVポイントの追加:資料ダウンロードなど)
3.定期的にメール配信用コンテンツを作成する
4.インサイドセールスをする(メール配信後のアプローチ)
一斉メール配信
目安:開封率20%.クリック率5%ほど。
メール配信のネタ:資料ダウンロード、事例紹介、セミナー紹介、初心者向け記事などがあります。
チェックリスト
セグメント配信ができるようMAツール側の設定ができているか
定期的にメール配信のネタづくりをしましょう
開封率の目安:20%,メール内クリック率の目安:3〜5%ほど
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