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長文を読めない大人たちへ

長文を読めない人が増えてます。かくいう僕も、読めません。ツラい。

知的体力が落ちている、という感じです。集中力が続かないんですよね。とはいえ、世の中の情報の大半は「文字(テキスト)」です。また、テキストは、動画に比べて「自分のペースで進められる」ので、実は効率性が高いメディアです。(※動画の方が、映像(図版含む)+音声+字幕で情報量を増やすことができるので、理解しやすい、というのも事実ではあります)

僕はシンカホリックという病気なので、情報を沢山取得したい、それを元に思考をめぐらせたい、という意識がめちゃめちゃ強いです。そのため、情報取得は、徹底的に効率性を求めます。動画の方が良いものは動画で取得しますが、テキストの方が良いものはテキストで取得したい。そして、世の中は、テキストの方が適しているケースがたくさんある。正直、テキストを超える情報伝達をしたい場合は、脳に直接電極を刺して云々するアレくらいしかないと思うんですよね。

というわけで、本日は、僕が「最近、苦手意識のある長文を、どうやって読んでいるか」について書いていこうと思います。

何が苦手か、を見極めよう

具体的なテクニックの前に、少しだけ、普遍的な話をしましょう。そもそも、なんで長文を読めないのか、を自分で理解するところからです。問題の本質が分からないと、先に進めません。(煮物が嫌い、というときに、煮物のどのあたりが嫌いなのか、が分からないと対策が打てないじゃないですか。まぁ、打たなくてもいいんですけど。いま、僕、敢えて分かりにくく言ったんですけどね。)

ざっと思いつくものを上げると

1.長文に多い学術っぽい文体が無理(読みづらい、頭に入ってこない)
2.そもそも文章を読むのが苦手(自分が理解してるんだか、してないんだか、よくわからない)
3.いろいろ考えてしまって、なかなか読み進めない(自分の考えと、本の内容を切り離して捉えられない)
4.PCやスマホの画面で見ていると、集中できない(目が散る)
5.反対に、紙だと重くて持ち歩くのが辟易とする

みたいな感じでしょうか。他にもあるかもしれませんけど、とりあえず、今回は上記5点だとして話を進めます。

それぞれ、自分に当てはまる苦手ポイントを理解したら、それに対して、どうやって対処するべきか、を考えます。例えば・・・

1.文体が苦手
学術っぽいかどうかに限らず、わかりにくい文章というものはあります。学術的でなく、口語っぽい感じ(このnoteとかもそうですよね)で書いてある文章でも、構造的に整理されていなかったり、ストーリーが通っていなかったりすると、途端に分かりにくくなります。
学術っぽい文章は、構造的には整理されているので「細部を捨てて大意を捉える」ということに注力していくと、割とスムーズにいきます。
構造的に整理されてない文章については、「読まない」という選択肢もありますが、まぁ、同じように「大意を捉える」ことに注力して、読み手側で後から構造化するってことでいいと思うんですよね。(結果、支離滅裂だということが分かるだけだったりしますが)

2.文章を読むのが苦手
これはツラい。打ち手が難しい。が、「短文から練習する」というのが一つの道です。あとは、上記にも通じますが「抵抗感の少ない文体から練習する」です。
文体が苦手、という話もそうなんですが、このあたりは、単なる慣れの部分が大きかったりします。繰り返せば、慣れます。ポイントは「ストレスが低いところで慣らす」です。
よって、「(自分にとって)読みやすい文章」「(自分にとって)そこまでツラくない長さ」のものを選んでいくと良いと思います。
英語学習でも、クマのプーさんから始める、とか、Japan Times Alpha*から始める、とかそういう話です。
*:Japan Times Alphaは、英語学習者向けの英字新聞です。平易な言葉でニュースについて書かれているので、初学者にも適しています。

3.色々考えちゃって進まない
これは、シンカホリックな僕は、ガチで直面してます。ちなみに、コンサルティングに従事している人や、経営課題と常に向かっている人は、ちょっと骨太なビジネス書になると、なかなか読み終えられません。(※薄っぺらい内容であれば、瞬殺で読み終えます)
例えば、大前研一さんの「企業参謀」。やばいです。自分事として、あれこれ考えこんじゃいます。古典と呼ばれてしまうような少し前の経営理論(マイケル・ポーターの「競争戦略論」、ジム・コリンズの「ビジョナリー・カンパニー」、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」などなど)も、まだまだ使える部分が多くて、いちいち立ち止まってしまいます。
これは、諦めるしかないんですが、僕が意識しているのは、「アウトプットする(書き出す)」ことです。紙に手書きするとか、タブレットに手書きするとか、スマホに入力するとか、PCに打ち込むとか、手段は何でもいいんですけど
・どの言葉・文章が響いたのか(もしくは、ひっかかったのか)
・それについて、何を考えたのか
を書いていくと良いです。
スピードは上がりませんが「書いてあること(事実)」と「自分の思考(理解)」を切り離せるので、理解が深まりますし、なにより「あとでふりかえりやすい」です。(知識は、振り返ることで深まり・定着します)

4.電子版が読みにくい / 5.紙書籍は邪魔
4と5はトレードオフです。こればっかりは「どっちのストレスが大きいか」を決めるしかないです。(僕は、電子版でのストレスの方が大きいタイプです。)
ストレスの少ない方を選びましょう。
もちろん、外出中/移動中に読む本と、自宅やオフィスで腰を据えて読む本で、媒体を変える、というのも一手です。

という感じで、苦手さを理解し、それに対して対策を講じるわけです。ちなみに、このnoteは、ここまでで2500文字くらいです。もし、長文に対して苦手意識がある人が、ここまで読んでもそんなにストレスを感じていない場合は「文体」および「構造化」があなたにフィットしているということだと思います。こういうトーンで、こういう構造化レベルの本を選ぶと「慣れ」が加速します。(反対に、既にお疲れの方の場合は、何かしらフィットしてない、ということです)

僕の場合は「紙で入力+電子で出力」

さて、ここからは僕のケースです。

僕の場合は、電子書籍は、どうしても読む速度があがりません。また、シンカホリックなので、思考が暴走します。学術的な文体は苦手です。構造化されていない文章は、正直ムカつきますが、エッセンスを抜き出して構造化すればいいや、という割り切りはあります。

そこで、ソリューションは、
・とにかく、大意を捉えてメモる(Kindleならハイライト、紙ならドッグイア―)
・それぞれのポイントに対する、自分の意見を書く(僕の場合はPCがメイン。移動中ならスマホ。たまに手書きも。)
・メモった大意・意見を、構造化する
ということになります。

ただ、これを手元に蓄積しても、なかなかモチベーションが上がらないので、僕の場合は、会社のブログ(ギックスの本棚)もしくは、個人のnote(=つまり、このnoteです)にまとめる、という風にしています。
※会社の成長に伴い、会社ブログをまるで私物化しているように見えるのもマズいなと認識したため、最近は、アウトプットの場を個人のnoteに移しています。(なお、昨年・一昨年あたりは、ameba Ownedで50冊くらいメモを作ったのですが、それらについても良きタイミングで再編集して、このnoteに移行すると思います)

最近だと、量子コンピュータに関して(浅い理解を)まとめました。

近いうちに、MMT(現代貨幣理論)についても、本を読み、整理してみようと思っています。

で、長文を読んでどうするの?

しかしながら、そんな思いまでして、長文(というか、難解な文章)を読む必要があるのか?というお話もあります。冒頭でも書いた通り、最近は、動画コンテンツやAudio bookなども隆盛ですし、それらを用いた効率的な情報収集も検討されるべきでしょう。

とはいえ、世の中には多くのテキストメディアが存在します。最も、多いのは書籍です。そして、世の中の動向や最新情報を伝えてくれる新聞あるいはwebメディアの記事もテキストです。これらの膨大なテキスト情報からの情報取得を捨て去るのは、どう考えても理性的な態度ではありません。

情報を効率的に取得し、正確にその意図を理解し、それをインプットにして「考える」というステップを踏みましょう。

短い文章は、書き手の技量によって情報の正確性が失われますし、裏の文脈が読み取りにくくなります。従って、必然的に、長い文章を読む力が必要になります。

また、長い文章をしっかりと読み取り、理解できるようになることは、短い文章(例えばツイッター)を読むときの誤読防止にもつながります。情報の背後関係や、意図を想像する能力が養われるためです。

論理的思考だとか、クリティカル・シンキングだとか、いろいろ言われていますけれど、本質は「文書読解力」です。言語を理解し、言語で表現することは、知的生産性を向上するためのベーススキルです。徹底的に鍛えておいて損は無いと思うんですよね。

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