たられば、の効用

「たられば」は現実への影響は皆無ですが、思考実験としては有効です。

仕事においても「もし〇〇だったら」とか「〇〇という条件下であれば」とかいう思考法で準備を進めることが極めて重要かつ効果的なシーンが多いのですけれど、ご時世柄、政治の話を喩えに取ってみましょう。

もし、首相(or 都知事)が別の人だったら?

もし、今の首相が、田中角栄だったら、中曽根康弘だったら、小泉純一郎だったら、菅直人だったら、なにか変わっていたでしょうか。

あるいは、今の都知事が、石原慎太郎だったら、舛添要一だったら、なにか変わっていたでしょうか。

もちろん、上に挙げた人達である必要はありません。「他の誰か」を想像し、その人なら、違う意思決定をし、違う世界を作れていたか。です。もちろん、その意思決定と引き換えに、失われるものにも目を向けて評価すべきですよ。政治に限らず、意思決定は、常に「取捨選択」だからです。

さて、どうでしょう。何か変わっていますか?より悪い状況になりますか?何かしら良い状況になっていますか?(失われるものも許容できそうですか?)

その想像の世界で、もし何も変わっていないなら、おそらく、「政治」そのものが死んでます。民主主義に無理があるのかもしれません。
一方、もし何か変わるなら、僕たちの選挙権には、まだ力があります。ちゃんと考えて、正しい為政者(政治を為す=行う者)を選びましょう。

思考実験を、アクションにつなぐ

冒頭で述べた通り、思考実験は現実に影響を与えません。正確には「いま」には影響しません。

したがって、思考実験をベースに現状批判をしても無駄です。政治であっても、仕事であっても、「いま」は「いま」です。

一方で、思考実験をベースにして「こういう風にすれば、こういう効果が得られる」というルールを導き出すことは有用です。そう「未来」にとって有用なのです。

”現在”は、”過去”の延長線上にあります。これを変えることは、タイムマシーンに頼るくらいしかないでしょう。(歴史の教科書を書き換えても無駄です。まぁ、歴史とは認識である、という観点は理解できますけれども)

しかしながら、”未来”は、”現在”の積み上げです。”現在”という刻一刻と移り変わる瞬間を積み上げていくと、その先に、”未来”があらわれます。

過去は変えられません。そのため、今この瞬間である「現在」も変えられません。しかし、一瞬先の現在、すなわち、すぐ先の未来は変えられます。そう、行動変革です。

すぐ先の未来を変えれば、それが積みあがって、未来が変わります。

会社に文句を言う、上司の悪口を言う、仕事仲間をバカにする、政府批判をする、そういうメンタリティは「過去」と「現在」の話をしているにすぎません。

建設的な話をしましょう。俺ならこうする、は、飲み屋でテレビを見ながら阪神の監督をやりたがっている大阪のおっちゃんと同じです。考えても見てくださいよ。歴代の阪神の監督は、ちゃんと考えてますよ。「制約」を踏まえて、可能なことをやってますよ。仕事なんですよ。失敗したら首なんですよ。

ぜひ、未来を語りましょう。そのために、思考実験を有効利用しましょう。


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