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「冗談/小咄」の構造を考える

「やわらかいかくん」を初めてコンビニで認識した時、とても疲れていたのか、ふと「柔らかい家訓」だと思ってしまったんですよね。
「やりたいようにやってみて、あかんかったら、そんとき考えようや」みたいな。

さて、以前から時々考えているのですけれど、「構造が同じ、別の小咄/冗談を創作する」というのは、国語の授業などの題材に存在するんでしょうか?あってもおかしくないと思うんですけど、どうなんでしょう。
例えば「8月でこんなに暑いんだったら、12月になったらどうなっちまうんだろう」を題材にしたときに、どんな話を作るか?というような感じ。

ちょっと考えてみます。

お題:8月でこんなに暑いんだったら、12月はどうなっちまうんだろう。

構造理解:
暑さ寒さは季節のサイクルで上下し、一方向に永続的に動くものではない。そのサイクルを「なかったこと」にしてベクトルを伸ばしている。

同様の構造の事象:
・時計は12時=0時でサイクルになる。1日単位でも24時。絶対に30時、50時は存在しない。(深夜を表すために26時などと言うケースはある)
・気温は、昼と夜のサイクルもあるので、夏=昼、冬=夜と捉えることも可能
・要素としては、日付も同じ。どこかでゼロリセットされる。永遠には増えない。

一方で、真逆の事象について考えてみることもできる。その際は
真逆の構造の事象:
・年齢は増える一方で、減ることは無い
・西暦も同様。増える一方。(ただし、元号は改元でゼロリセットされる)
・回転寿司で食べた皿の数とかは、食べてる間は増え続ける。(お前はこれまで食べたパンの枚数を覚えているのか?、的な話も想起しますね)
という風に捉える。
この場合は「増え続けるものが ”減る”」あるいは「進み続けるものが ”戻る” 」という風な話にできないか?ということになる。

と、いうことで、「どこかで増加が止まる/減少に転じるものを、永遠に増え続けるかのように話す」か、「一方的に増え続けるものを、増加が止まる/減少するかのように話す」かの、どちらかのパターンにすれば、構造を理解した上での新しい小咄を作ったことになる、と言えそうです。

発想の転換へのトライ:
時間軸以外に、変化を追いかけるベクトルの方向を定義する存在を置けるか?ということも考えたくなりますね。
ただ、三次元空間に生きていて、その中での増減は、どうしたところで四次元目にカウントされる「時間」を使わざるを得ないのかもしれません。(僕のコンサルティングワークにおいても、最初に横軸に「時間」を置いて、業務プロセスなり、事業の進展なりをマップするので、ここは揺らがせようが無いのかなと思うところではある。)
ここは、今日のところは諦めるか。悔しいけれど。

次は、増減の要素。さっきも考えたけど「気温」以外だと、「時刻」「日付」くらいしか出てきてない。これは、時間軸と完全に一致してるからつまらない。(意外性に乏しい)

ああ、子供の成長、はイケるか。
2000gで産まれた子供が、1年で8kgになった。4倍だ。この成長率だと、成人する頃には、2kg×4^20で、2兆kgになっちゃうね!
的な。
同じ感じで、動物や植物の成長の話もイケる。

構造理解ができると、コミュニケーションがスムーズになる。

さっきの小咄のできが良いか悪いかは、さて置いて、話の構造理解というのは、上記のような思考のプロセスを脳内で高速に回すことで行われています。
また、一本道で考えるのではなく、枝分かれする部分を、いくつか並行して探索して、筋の良さそうなところを探すことになります。

僕はいったい何の話をしているのか。
これは「会話において、相手の話を理解するための技術」の話です。

物事をうまく伝えられない、とか、人の言ってることが良くわからない(あるいは、分かっているつもりだが、みんなから違うと言われる)というような人は、今回のテーマである「文章の構造を捉える」ということが、あまり上手にできていないのだと思うんですよね。

どういう論理展開で相手が話しているのか、あるいは自分が相手に伝えようとしてるのか、というあたりがしっかりクリアになっていないと、まったく話が進まないんですよね。
基本的には、訓練あるのみなので、ぜひ、折に触れて挑戦してみていただきたいです。(落語の「ときそば」とかを題材にしても良いですし、M-1の審査員になった気持ちで漫才を見る、とかも良いと思います。)

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