一番よいゴールを作る
企画のお仕事
私は事業やウェブサイトの「企画」を作ることが仕事です。
( 実際のところ、皆さん「企画」という仕事のイメージは全くないと思うのですが )多くの方が「企画を考える」というと「どのように上手に課題を解決するか」というイメージを持っているのではないでしょうか。
実際のところ「課題解決する」という言葉は私の「企画」のイメージとしては当てはまらないように思いますし、「よい企画作りを阻害する要因」かもしれません。
(例えば)シニア向けのキャンプ用品
仮の話なんですが、例えば「年配の方向けのキャンプ用品」作るとします。
そういうテーマがあると「軽くした方が良さそうだ」とか「使いやすさが最優先!」とか「色使いは高級感があったほうが良いね」とか「逆に派手なほうが喜ばれるかも」とかいろいろ考えると思うんです。
その一つ一つは納得感があるし、間違っていないと思うのですが、これらは単純には判断できません。
「軽い方がいい」っていうアイデアも、もしかしたら「車で運ぶことが前提だったら」で少し重くても、質が良いものがよいかもしれません。逆に「電車を使った移動」からのハイキングを想定して、できる限り「軽いほう」が良いかもしれません。
「もっと軽くする。」とか、「もっと質が良いものをつくる。」といった、「もっと」を中心とした「よりよく」という思考では新しい企画を作り出すことができません。
「シニア向けのキャンプ用品」というお題においては、私たちは結局のところ「私たちはシニアの方々がどんなキャンプをするべきなのか。」ということが問われているんです。
その問いに答えることなく、「軽く」とか「高級感が」という言葉には全く意味がありません。
企画は課題解決ではない。
改めてなんですが、まず目指すべきことは「上手に課題を解決する」ことではなく、「どのようなゴールの姿、理想の姿を想定するか」ということです。
よく「あるべき姿を想像する」という話がありますが、 私たち企画の人間が行うことはその「あるべき姿の競争」です。
今は存在しない、でも現実的で、素晴らしい「あるべき姿」を用意する。その競争だという風に認識してみてください
概念を変える
私の企画の時によく話すのが、「概念を変える」という言葉です。
多くの場合、競合や他の方が考えている「あるべき姿」は現在の延長線上にあります。
その中で私がいつも意識してるのは、その多くの人達が思っている「あるべき姿」を捨てて、概念自体をアップデートし、新しい「価値観」を提示する。またそれによって競争優位性を作り出すというものです。
同じ概念の中では、企業規模や予算等で競争優位性を設定できないケースがあります。
ですが「概念」から意図的に外れることで、新しい価値を提供できますし、結果として比較する競合がいないブルーオーシャンを作り出すことができるかもしれません。
企画のスタッフは「課題を解決する」競争をしているのではなく、「だれが一番良いあるべき姿を作り出すことができるか」という「目指すべきゴールをつくる競争」をしていることを忘れてはいけません。
サポートいただいたら、それで美味しい珈琲を飲みます。 ありがとうございます。